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Trademark Appeal Case

単数・複数形の称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2017−900236(T2017−900236/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5943648号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5943648号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成29年2月14日に登録出願、別掲2に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年4月6日に登録査定、同年4月28日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録第1234969号商標(以下「引用商標」という。)は、「DRAGONFLY」の欧文字を書してなり、2014年2月13日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2014年(平成26年)8月12日に国際商標登録出願、別掲3に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成28年5月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第14類「身飾品,貴金属製靴飾り」、第20類「木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器」、第24類「織物製テーブルナプキン,ふきん」、第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下、「申立てに係る商品及び役務」という。)については、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標

本件商標は、別掲1のとおり、中央にトンボと思しき図形を大きく描き、そのやや下部に「DRAGONFLIES」の欧文字を大きく横書きしてなるものである。

また、本件商標の最上部には、「HIROSHIMA」の欧文字を横書きしてなるが、該文字は、「DRAGONFLIES」が大きく、かつ、目立つ位置にあるのに対し、「HIROSHIMA」の欧文字は、小さく書してなるから、該文字は、目立たず、それぞれが分離して把握されるものである。

したがって、かかる場合、簡易迅速を旨とする商取引にあっては、大きく、かつ、目立つ位置に横書きされた「DRAGONFLIES」の文字をもって商取引に当たるとするのが相当である。

してみれば、本件商標中の「DRAGONFLIES」の文字からは、「ドラゴンフライズ」の称呼を生じるものである。

また、「DRAGONFLY(IES)」は、「トンボ」を意味する語として親しまれており、中学生レベルの英和辞書にも掲載されているほか、インターネット上の「研究社 新英和中辞典」にも掲載されている(甲3)。

したがって、本件商標からは、「トンボ」の観念も生じるものである。

イ 引用商標

引用商標は、「DRAGONFLY」の欧文字からなるから、これより、「ドラゴンフライ」の称呼と「トンボ」の観念を生じる商標であることは明らかである。

ウ 本件商標と引用商標との類否

そこで、両商標の類否についてみると、本件商標「DRAGONFLIES」からは「ドラゴンフライズ」の称呼を生じ、他方、引用商標「DRAGONFLY」からは「ドラゴンフライ」の称呼を生じるものといえる。

そうすると、両称呼を比較すると語尾において「ズ」の音の有無に差異を有するにとどまり、しかも「ズ」の音は語尾に位置する鼻音であるから、称呼全体に及ぼす影響は少なく、よって、それぞれを一連に称呼するときは互いに相紛れるおそれのある称呼上類似する商標といわなければならない。

また、「DRAGONFLY」及びその複数形の「DRAGONFLIES」からは、「トンボ」の観念を生ずるものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において類似する商標である。

(2)本件商標と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について

本件商標の指定商品及び指定役務中、申立てに係る商品及び役務は、「指定商品・指定役務の類似関係表」(甲4)のとおり、引用商標の指定商品と同一又は類似する。

(3)審決例について

本件商標と引用商標とが類似の商標であることは、審決例(甲5ないし甲7)等からも明らかである。

(4)結語

以上のとおり、本件商標と引用商標とは、称呼上類似し、観念においても同一であるから、両商標は、外観上の差異があるとしても、称呼、観念において類似する商標である。

また、本件商標の指定商品及び指定役務中、申立てに係る商品及び役務については、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。

したがって、本件商標の指定商品及び指定役務中、申立てに係る商品及び役務については、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断

(1)本件商標について

本件商標は、別掲1のとおり、オレンジ色の盾型図形と青色縦線を中心として左右に広がった青色と黄色の組み合わせからなる曲線が下部へいくほど該縦線に巻き付くように描かれた図形を重ね、図形上部には「HIROSHIMA」、中央やや下に「DRAGONFLIES」の各欧文字を配した構成からなるところ、その構成は、全体がまとまりよく表されており、あたかも一つのエンブレム(紋章)の様な図形として認識、記憶されるものとみるのが相当である。

そして、本件商標の構成中の「HIROSHIMA」及び「DRAGONFLIES」の各文字は、図形全体と融合しており、どちらかの文字のみが強く支配的な印象を与えるものとはいえない。

そうすると、本件商標は、不可分一体のものと捉えるのが自然であり、その構成中の文字に相応して「ヒロシマドラゴンフライズ」の一連の称呼のみを生じるというべきであって、特定の観念は生じないものである。

(2)引用商標

引用商標は、前記2に示したとおり、「DRAGONFLY」の欧文字からなるところ、該文字に相応して「ドラゴンフライ」の称呼を生じ、「トンボ」の観念を生じるものである。

(3)本件商標と引用商標の類否

本件商標と引用商標とを対比するに、上記(1)及び(2)に記載のとおりの構成からなる、本件商標と引用商標とは、その構成態様が明らかに相違するものであるから、外観上、判然と区別し得るものである。

次に、称呼においては、本件商標から生じる「ヒロシマドラゴンフライズ」の称呼と引用商標から生じる「ドラゴンフライ」の称呼とは、その構成音数を明らかに異にするものであるから、称呼上、明確に聴別し得るものである。

さらに、観念においては、本件商標は、特定の観念を生じるとはいえないものであり、引用商標は「トンボ」の観念を生じるから、観念上、比較することができないものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において明らかに相違するものであるから、両者は、非類似の商標というべきである。

(4)小括

以上のとおり、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品及び指定役務が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。

(5)申立人の主張

申立人は、「本件商標の最上部には、『HIROSHIMA』の欧文字を横書きしてなるが、該文字は、『DRAGONFLIES』が大きく、かつ、目立つ位置にあるのに対し、『HIROSHIMA』の欧文字は、小さく書してなるから、該文字は、目立たず、それぞれが分離して把握されるものである。したがって、かかる場合、簡易迅速を旨とする商取引にあっては、大きく、かつ、目立つ位置に横書きされた『DRAGONFLIES』の文字をもって商取引に当たるとするのが相当である。してみれば、本件商標中の『DRAGONFLIES』の文字からは、『ドラゴンフライズ』の称呼を生じるものである。また、『DRAGONFLY(IES)』は、『トンボ』を意味する語として親しまれており、・・・したがって、本件商標からは、『トンボ』の観念も生じるものである。」旨を主張する。

しかしながら、本件商標は、上記(1)に記載のとおり、その構成は、全体としてまとまりよく表されており、図形と文字とが一体となったあたかも一つのエンブレム(紋章)の様な標章として認識、記憶されるものとみるのが相当であって、本件商標の構成中の「HIROSHIMA」及び「DRAGONFLIES」の各文字は、図形全体と融合しており、どちらかの文字のみが強く支配的な印象を与えるとはいえないものであるから、殊更その構成中の「DRAGONFLIES」の文字部分を分離、抽出して、これより生じる称呼及び観念をもって、商取引に当たるとみることはできない。

そうすると、本件商標は、その構成を不可分一体のものと捉えるのが自然であり、構成中の文字に相応して「ヒロシマドラゴンフライズ」の一連の称呼のみを生じるというべきで、特定の観念は生じないものというのが相当である。

したがって、申立人の上記主張は採用することができない。

(5)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、申立てに係る商品及び役務について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきでものである。

よって、結論のとおり決定する。

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