Trademark Appeal Case
工法名称の記述性と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第4483号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「メタルホーム工法」の文字を横書きしてなり、第37類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年5月14日登録出願、その後、指定役務については、当審において平成12年6月2日付手続補正書をもって、「金属製資材を用いた建築一式工事」と減縮補正したものである。
2 当審の拒絶理由
当審において、新たに請求人(出願人)に対して通知した拒絶理由は、次のとおりである。
『本願商標は「メタルホーム工法」の文字を表してなり、第37類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
ところで、本願商標の指定役務と密接に関連する住宅関連の構造・工法について、例えば、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Searchの新聞情報データベース」をみるに、「1991年5月2日付朝日新聞」の朝刊26頁には、「工事の一部を連休明け再開 広島の橋げた落下[大阪]」の見出しのもと「・・・・鋼鉄製のけたを橋脚上にのせるなどのメタル工法区間約10カ所の工事再開は未定。」との記載、「1995年4月21日付日経産業新聞」の22頁には、「三菱地所ホーム、メタル地下室−湿気防ぐ鉄骨構造(建材ニューウエーブ)」の見出しのもと「・・・・と共同で開発した『メタル地下室』は鉄骨(S)構造を採用、これまで一般的な鉄筋コンクリート(RC)構造の弱点を克服した。」との記載が認められる。
また、いわゆるインターネットで情報を公開しているサイトをみると、「dbNET」(http://dbnet.watanabe.arch.waseda.ac.jp/productSearch01/C/070920/B2307.html)の題のもと、「分類検索:/07:防水・屋根工事/09:瓦葺き・スレート葺き屋根」として「ホームステッド乾式メタル工法」が「瓦工事の工期を大幅に短縮する完全乾式工法.低コストで高品質.」との紹介、「納まり図」(http://www.kani.or.jp/MARUSHIN/sub/osamarizu.html)の題のもと「スーパールーフ(メタル工法)」との紹介、「フリーフラットの特徴」( http://www.shokokai-yamanashi.or.jp/~wakakusa/lusis/character.html)の題のもと、「横方向の割り込み(地割)を必要としないため、従来の瓦に比べ施工の手間が約半分で済み、大幅なコストダウンが可能です。」との説明及び特徴のひとつとして「軽量化/メタル工法の採用により重さは従来の瓦屋根の約60%です。」との紹介、「セブライト」(http://www.freedom.ne.jp/kincera/cerabright.htm)の題のもと、近畿セラミック株式会社のセラミック瓦の紹介とともに該瓦を使用した住宅の写真の下に「(メタル工法)」との記載が認められる。
以上のことよりすれば、建築・構築の分野において、金属製資材を主に使用する構造・工法を指称するものとして「メタル工法」の文字(語)が使用されている事実を認めることができる。
そして、本願商標の構成中の「ホーム」の文字は、例えば、「建築大辞典第2版〈普及版〉」(1995年11月10日株式会社彰国社発行)の「住宅メーカー/home manufacturer」の項には『「ハウスメーカー」ともいう。』との記載、「建築カタカナ語・略語辞典」(1992年2月20日株式会社井上書院発行)の「ハウス(house)」の項には『・・・・同義語に・・・・「ホーム」などがある。』との記載からして、「ハウス」の文字と同義語であると理解されるものといえるものである。
してみると、「メタルホーム工法」の文字からなる本願商標は、前記事情よりして、「金属製資材を使用する住宅向け工法」の意味合いを容易に看取させるといわなければならない。
したがって、本願商標をその指定役務中「建築一式工事」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記工法からなる住宅用工事であると理解するに止まるというのが相当であるから、結局、本願商標は役務の質(方法)を表示したものといわざるを得ない。
してみれば、この本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務について使用をするときには、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。』旨の拒絶の理由を通知し、期間を指定して意見書の提出する機会を与えたものである。
3 拒絶理由に対する請求人の意見の要点
本願商標を構成する末尾の「工法」の語については「加工・工事などにおける造り方・組み立て方の語義があることは否定するものではない。
しかし、「メタルホーム」の片仮名文字は、英語の「metal」及び「home」との複合による欧文字構成ではないので、各文字から生ずる語義は相互に関連をもって特定の観念を生ずるものではなく、あくまでも、これら「メタルホーム」の文字と「工法」との文字は、「メタルホーム工法」とのみ一連一体に構成した単なる造語に過ぎない。
そこで、例示された語をみるに、「メタル工法」及び「メタル地下室」であるから、本願商標とは明確に区別されるものであり、本願商標の指定役務につき一般に使用されていないことは明らかであって、かつ、商標として使用されている事実も皆無であるから、本願商標の構成全体はあくまでも特定の観念を生ずることのない造語であると認識すべきである。
したがって、本願商標は、出願人の任意の選択によって生まれた造語であるから、「金属製資材を使用する住宅向け工法」の意味合いでないことはもとより、「建築一式工事」についても、これを使用することが一般的に行われている事実もなく、さらには、「役務の提供の質」の表示として直接その中身を説明する用語にも該当するものでもない。
以上、本願商標は、自他役務の識別機能を十分に発揮し得るものであり、商標法第3条第1項第3号に該当するものでなく、また、請求人は、本願商標の指定役務を補正したので、同法第4条第1項第16号にも該当しないものである。
4 当審の判断
(1)本願商標は、その構成前記のとおり「メタルホーム工法」の文字を表してなるものであるところ、「メタル」、「ホーム」及び「工法」の各文字が結合されたものと容易に認識されるものである。
しかして、該「メタル」の文字は、「金属」の意味合いを、及び「ホーム」の文字は、「家、自宅、家庭」の意味合いをもって、ともに一般に親しまれている平易な外来語と認め得るものである。また、その構成中、後半の「工法」の文字(語)部分は、一般に「加工・工事などにおける造り方・組立て方」を意味するものとして理解される語であり、かつ、建築関連においては、工事内容・施工方法等を表すものとして取引上普通に使用されており、「工法」の文字は、それ自体は商品識別の機能を有しないか、極めて識別機能の弱いものとして認識し、把握されるとみるのが相当である。
そして、建築・構築の分野における事情よりして、「メタルホーム工法」の文字からなる本願商標は、前記「2 当審の拒絶理由」において認定の如く、「金属製資材を使用する住宅向け工法」の意味合いを容易に看取させるものといわなければならない。
そうとすれば、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記意味合いの工法であると理解するに止まるというのが相当であるから、結局、本願商標は役務の質(方法)を表示したものであって、商標法第3条第1項第3号に該当するとした当審における拒絶理由は、妥当なものである。
(2)請求人は、『「メタルホーム」の片仮名文字は、英語の「metal」及び「home」との複合による欧文字構成ではないので、各文字から生ずる語義は相互に関連をもって特定の観念を生ずるものではなく、あくまでも、これら「メタルホーム」の文字と「工法」との文字は、「メタルホーム工法」とのみ一連一体に構成した単なる造語に過ぎない』旨主張する。
しかしながら、前記したとおり、該「メタル」及び「ホーム」の文字は、ともに一般に親しまれている平易な外来語であり、かつ、建築・構築の分野において、金属製資材を主に使用する構造・工法を指称するものとして「メタル工法」の文字(語)が使用されていることより、例え、「メタルホーム」の文字が造語であるとしても、「ホーム」の語がその用途(住宅向け)を理解させるものであって、これを付加したにすぎない全体の本願商標からは「金属製資材を使用する住宅向け工法」を認識するものといわざるを得ない。
(3)請求人は、『「建築一式工事」についても、これを使用することが一般的に行われている事実もなく、さらには、「役務の提供の質」の表示として直接その中身を説明する用語にも該当するものでもない』旨主張し、審決例及び判決例を示している。
しかしながら、請求人の示す審決例及び判決例は、事案を異にするものであり、また、商標法第3条第1項第3号の商品の品質を表示する標章とは、わが国で品質を表示する標章として認識されたものであれば足り、その標章がわが国において現に使用されていることを必要としないと解すべきであるとの判決(東京高裁昭52(行ケ)82、昭和56.5.28)があることよりも、一般的に使用されている事実がないことをもって同号に該当しないとすることはできないから、これについて述べる請求人の意見は、採用できない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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