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Trademark Appeal Case

原材料名と普通名称の結合

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−7281(T2017−7281/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ドナリエラキャンディ」の片仮名を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年2月26日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、原審における同年9月7日付け手続補正書により、第30類「キャンディ」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『ドナリエラキャンディ』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『ドナリエラ』の文字は、『微細藻類(マイクロアルジェ)の一つで、天然ベータカロテンを含むもの。』として知られ、また、『キャンディ』の文字は、商品の普通名称を表すものであり、その全体よりは、『ドナリエラを配合したキャンディ』程の意味を理解させるものである。そして、近年、『ドナリエラ』を使用した各種商品が製造・販売されている実情があることからすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が前記程の意味合いを認識、理解するにとどまるとみるのが相当であり、本願商標は、単に商品の原材料、品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、『ドナリエラを配合したキャンディ』以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は、「ドナリエラキャンディ」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成中、「キャンディ」の文字は、その指定商品である商品の普通名称そのものを表す語であると直ちに看取され得るものである。

そこで、本願商標の構成中の「ドナリエラ」の文字についてみるに、「大辞林第三版」(株式会社三省堂、2006年10月27日発行)において、「ドナリエラ」「Dunaliella」の見出し語の下、「緑藻類オオヒゲマワリ目の鞭毛藻。紡錘形で、通常は緑色だが赤色のものもある。死海などの極端に塩分濃度の高い環境に生育する。」(別掲2(1)参照)と記載されているほか、別掲2のとおり、「ドナリエラ」の語は、油脂、β−カロテン、グリセリンなどの成分を有する微細藻類の一つを意味するものであることが、各種の新聞やインターネット情報等において記載されている。

そして、別掲1ないし3のとおり、「Dunaliella」の欧文字は、「ドナリエラ」又は「デュナリエラ」の片仮名で一般に広く表記されているところ、昨今、「ドナリエラ」又は「デュナリエラ」から生産されるβ−カロテンをはじめとするカロテノイドは細胞の再生を助ける抗酸化作用に優れるといわれており、食品に添加されるβ−カロテンの抽出材料として市場において活用されていることが認められ、他に広く知られている微細藻類の「クロレラ」「スピルリナ」「ユーグレナ」等と同様に、各種商品の原材料として、食料品やサプリメントに使用されている。

さらに、本願の指定商品を取り扱う分野においては、別掲4のとおり、例えば、「プロポリスキャンディ」、「マヌカキャンディ」及び「マカキャンディ」等のように健康に良い、何らかの症状を改善する等の効果、効能を謳う原材料やその抽出エキス等が配合されたキャンディが「○○(原材料名、抽出植物又は成分名等)キャンディ」と称して販売されている実情がある。かかる事実からすれば、本願商標は、「ドナリエラ」の片仮名と「キャンディ」の片仮名とを結合したものであると認識、把握されるものであって、これをその指定商品「キャンディ」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「ドナリエラ(又は、ドナリエラから抽出されたβ−カロテン)を配合したキャンディ」ほどの意味合いを容易に理解するにすぎないものであり、単に、その商品の原材料、品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。また、「ドナリエラ(又は、ドナリエラから抽出されたβ−カロテン)を配合したキャンディ」以外の商品、すなわち「ドナリエラ(又は、ドナリエラから抽出されたβ−カロテン)を配合しないキャンディ」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、自社の商品群に「ドナリエラ」ブランド(甲1ないし甲10)を使用し続けてきた実績、新聞記事及び商品広告(甲15ないし甲22)を提出し、本願商標を付したキャンディも、出願人の「ドナリエラ」シリーズの商品群の一つであると容易に認識し得ることは明らかである旨述べている。

しかしながら、当審において請求人が提出した新聞記事及び商品広告の例には、「ドナリエラキャンディは、主力商品『ドナリエラ』シリーズのキャンディータイプと位置付ける。」等の記載はみられるが、これは、取引者、需要者が「ドナリエラ」を請求人の特定商品を示すブランド名、あるいは、その商品の出所を表す請求人の商標であると認識していることを示す証拠というより、「ドナリエラ」の文字が、該商品に配合されている特定の成分、原材料のひとつとみてとれるものであり、加えて、別掲2及び3の事実からすると、自他商品の識別機能を有する表示とはいい難いことから、請求人の上記主張は採用できない。

イ 請求人は、審判請求書において、「指定商品の原材料名」と「キャンディ」の語を結合させた既登録例を挙げ、本願商標も登録されるべき旨主張する。

しかしながら、本願商標が、商品の出所表示標識としての機能を果たすものであるか否かは、本願商標自体の具体的な構成とその指定商品との関係から、審決時において、指定商品の取引の実情等を考慮して個別かつ具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた商標登録の事例は、いずれも商標の構成態様において異なるものであり、かつ、本願商標の審決時における取引の実情は上記のとおりであるから、本件の判断が左右されるものではない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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