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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−19432(T2016−19432/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第33類「ぶどう酒」を指定商品として、平成27年7月1日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した国際登録第1218084号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2014年(平成26年)7月22日に国際商標登録出願、第33類「Spirits protected by the appellation of origin "Tequila".」を指定商品として、平成27年11月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)商標の類否判断

商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品又は役務に使用された場合に、当該商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、そのためには、両商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、当該商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきであるところ(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決)、図形や文字等の複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、経験則上、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない場合、取引の実際において、一部の構成部分のみによって称呼、観念されることも少なくないといえる。このことから、結合商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などは、当該構成部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することができるものである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決、知財高裁平成26年(行ケ)第10122号同年10月27日判決参照)。

上記の観点から、本願商標と引用商標との類否について判断する。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、ありふれた縦型の四角の輪郭の中に、細い線の小さな円と、それより太い線のやや大きい円とを上下に接するように並べた図形(以下「本願の図形部分」という。)と、筆記体の「Generations」の文字と、大きい活字体の「OCHO」の文字と、小さい活字体の「DEL PEDREGAL FAMILY」の文字とを三段に横書きしてなるもの(以下「本願の文字部分」という。)とを配した構成からなるものであるところ、かかる構成においては、本願の図形部分と本願の文字部分は、視覚上、分離して看取し得るものである。

そして、本願の文字部分の構成文字中、「Generations」の文字は、「世代」の意味を有する親しまれた英語であって、「OCHO」の文字は、スペイン語で「8」の意味を有するものであるが、我が国においては一般に親しまれたものではないから、特定の意味を生じない造語として認識されるものであり、最下部の「DEL PEDREGAL FAMILY」の文字は、辛うじて判別できる程度のものであるが、それからは、「デル ペドレガル家」程の意味合いが認識される。

してみると、本願の文字部分の構成文字は、それぞれが観念上の結びつきを有するものではなく、外観上も異なる書体及び大きさで表されているものであるから、各構成文字を分離して観察することが、取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできない。

また、本願の文字部分中、中段の「OCHO」の文字は、他の文字に比べて大きい書体で顕著に表されているから、取引者、需要者に対して商品の出所識別標識として、強く支配的な印象を与えるものである。

そうすると、本願商標は、その構成中の「OCHO」の文字を要部として抽出することができるものであるから、その文字に相応して、「オチョ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

イ 引用商標について

引用商標は、別掲2のとおり、数字の「8」を大きく表した図形(以下「引用の図形部分」という。)の上部中央に、小さく表した「MUESTRA NO.」の文字と、大きく表した「OCHO」の文字とを上下二段に横書きし、左下方の側面に接する黒塗りの縦長長方形に「TEQUILA」の文字を白抜きで右に90度傾けて書し、下部に接する四角の輪郭の中に、「100%」の文字と、「PURO」の文字と、「DE AGAVE」の文字とを三段に横書きしてなるもの(以下、これらを併せて「引用の文字部分」という。)であるところ、かかる構成においては、引用の図形部分と引用の文字部分は、視覚上、分離して看取し得るものである。

そして、引用の文字部分の構成文字中、「TEQUILA」の文字と「100% PURO DE AGAVE」の文字は、引用の指定商品との関係において、該商品が「テキーラ(メキシコ産の蒸留酒)」であること、該商品がテキーラの原料として知られる「agave(アガベ)」を100パーセント使用したものであることを取引者、需要者に理解させるものであって、いずれも商品の品質を表示したものと認識され、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないか、極めて弱いものであるから、引用の文字部分の構成文字中、独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るのは、「MUESTRA NO.」の文字及び「OCHO」の文字というのが相当である。

また、「MUESTRA NO.」の文字及び「OCHO」の文字は、それぞれスペイン語で「見本」及び「8」の意味を有するものの、我が国において該意味を有する語として一般に親しまれたものではないから、特定の意味を生じない造語として認識されるものである。

してみると、「MUESTRA NO.」の文字と「OCHO」の文字は、観念上の結びつきがなく、外観上も異なる書体及び大きさで表されているものであるから、それぞれを分離して観察することが、取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできない。

加えて、下段の「OCHO」の文字は、「MUESTRA NO.」の文字に比べて大きい書体で顕著に表されているから、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。

そうすると、引用商標は、その構成中の「OCHO」の文字を要部として抽出することができるものであるから、その文字に相応して、「オチョ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

ウ 本願商標と引用商標の類否について

本願商標と引用商標は、要部である「OCHO」の文字においてそのつづりを同じくし、これから生じる「オチョ」の称呼を共通にするものであり、観念において相違するものではない。

そうすると、本願商標と引用商標とは、その要部の「OCHO」の文字において、外観及び称呼を同じくするものであり、観念において相違しないものであるから、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。

エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否について

本願の指定商品は「ぶどう酒」であり、引用商標の指定商品は「Spirits protected by the appellation of origin "Tequila".(参考和訳:「テキーラ」という原産地名称によって保護されているスピリッツ(飲料))」であるから、両者は果実酒と洋酒であって、その流通経路や販売場所及び取引者、需要者等を共通にするものである。

したがって、本願の指定商品と引用商標の指定商品は、類似する商品である。

オ 小括

以上のとおり、本願商標と引用商標とは、類似する商標であり、その指定商品も類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)請求人の主張について

請求人は、本願商標と引用商標の「OCHO」の文字部分が共通するとしても、引用商標中の「TEQUILA」や「100%」、「PURO」、「DE AGAVE」の文字が力強いアレンジによって強調されているのに比べ「OCHO」の文字は小さく、分離して看取されるとしても取引者、需要者の注意をひくのは、数字の「8」や「TEQUILA」や「100%」、「PURO」、「DE AGAVE」の文字であり、また、本願商標の「Generations」と「OCHO」の文字は二段に配されてはいるものの、同様の大きさの文字からなり「ジェネレーションズオチョ」とよどみなく一連に称呼されるものであるから、分離して判断すべきではないとして、本願商標と引用商標とは類似しない旨主張する。

しかしながら、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、商標の構成全体のうち、強く支配的な印象を与える部分や特に印象に残りやすい部分を抽出して取引の用に供することは一般にみられるところであり、上記(2)ア及びイのとおり、本願商標及び引用商標から、それぞれ、支配的又は顕著な印象を与える「OCHO」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として看取されるというべきである。

よって、請求人の上記主張は採用できない。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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