Trademark Appeal Case
ワイヤリングフロアの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第10596号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ワイヤリングフロア」の片仮名文字を横書きしてなり、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料」を指定商品として、平成8年11月8日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原審において、「本願商標は、指定商品との関係において、OA機器等の配線処理機能を有する床板の意を容易に認識させる『ワイヤリングフロア』の文字を書してなるものであるから、これをその本願指定商品中、前記の商品に使用するときは単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成前記したとおり「ワイヤリングフロア」の片仮名文字を表してなるものである。
そして、「ワイヤリングフロア」の文字を指定商品との関係から考察するに、前半の「ワイヤリング」の文字は、「配線」の意味を有する英語「wiring」の表音であると認識させるものであり、また、後半の「フロア」の文字は、「床板、フロア材」であることを容易に理解するものといえるものである。
ところで、「ワイヤリング」の文字についてみるに、例えば、「建築大辞典第2版〈普及版〉(1995年11月10日株式会社彰国社発行)」の「ワイヤリング パーティション(wiring partition)」の項には、「オフィスなどで、OA機器の配線処理機能を内蔵したパーティション」との記載が認められ、「ITOKI総合カタログ’86/’87(昭和61年12月15日株式会社発行)」の「イトキFL型パネル」の頁には「OA機器の導入にともなう配線の複雑化に対応して、ワイヤリング機能を組み込んでいます。」との記載、「サンテク サプライ百科(1991年10月現在のサンテク株式会社カタログ)」の「パネルデスク/PANEL DESK」の頁には「上部のワイヤリングが可能/デスクレイアウトに応じて自在かつ簡単にケーブル配線ができるようパネル上部にもワイヤリング機能を装備。」との記載が認められる。
さらに、「1987年10月21日付日経産業新聞」の11頁には、「情報化ビルの配線統一、日電、システムを販売」との見出しのもと「日本電気は二十日、構内配線システムの販売を始めた。OA機器を装備したインテリジェントビル用配線システムで、ビル内を統一した考え方で配線できるのが特徴。....販売する「CアンドC標準配線システムはコンセント、配線などを収納するフロア・ワイヤリング・ステーション(FWS)、支線配線、基幹配線の四つの部品で構成する。」との記載、「1991年9月4日付東京読売新聞朝刊」の6頁には、「配線洪水のビル改善へ 10社で標準化委員会設置7日本電子工業振興協会」との見出しのもと「パソコンやワークステーションなど小型情報処理機器の普及に伴い、一世代前のオフィスビルの配線洪水が深刻化しているため日本電子工業振興協会(会長・関本忠弘日本電気社長)はこのほど、各社間で配線方法の統合を目指す『ワイヤリング・プラットフォーム標準化専門委員会』を設置、メーカー側として初めて対応策の検討に乗り出した。」との記載が認められる。
以上のことよりすれば、配線の複雑化に対応したワイヤリング機能を有するパーティションやフロアが開発、販売されていることが認められる。
そうとすれば、本願商標を構成する「ワイヤリングフロア」の文字からは、「配線機構を有した床板」を容易に認識するというのが相当であるから、かかる本願商標を指定商品中前記商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、上記の事実よりして、該商品の品質(機能、構造)を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。また、これを前記以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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