Trademark Appeal Case
品質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−10291(T2017−10291/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「ハイブリッドブック」の片仮名を標準文字で表してなり,第16類「書籍及びこれに属するもの」を指定商品として,平成28年6月10日に登録出願されたものであるが,その後,原審における同29年1月4日付けの手続補正書により,その指定商品は,第16類「書籍」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由
本願商標は,「ハイブリッドブック」の片仮名を標準文字で表してなるところ,その構成中「ハイブリッド」の文字部分は「異種のものを組みあわせたもの。」の意味を,「ブック」の文字部分は「本」の意味を有する語であり,全体として「異種のものを組み合わせた本」程度の意味合いを認識させる。
そして,「ハイブリッド」の語は,「ハイブリッドエンジン」(複数の動力機構を組みあわせたエンジン),「ハイブリッド米」(異なる品種の交配によって作られた米),その他,「ハイブリッド農機」,「ハイブリッド債」,「ハイブリッド空調システム」,「ハイブリッド蓄電池システム」及び「ハイブリッド街路樹」などのように,様々な語と結びついて使用されている。
また,出版物の分野においては,DVDやCDなどの電子媒体と紙媒体を組み合わせた商品や,近年においては,携帯電話と紙媒体を組み合わせて,相乗効果を発揮させた商品が取扱われている。
以上よりすれば,本願商標は,これをその指定商品に使用しても,これに接する需要者,取引者をして,全体として「電子媒体と紙媒体等異種の媒体を組み合わせた本」程度の意味合いを理解されるにとどまり,商品の品質を表してなるものと認識するにすぎない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審における証拠調べ通知
当審において,本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性に関連して,別掲1及び2に係る証拠を示して,請求人に対し回答を求めた。
4 証拠調べ通知に対する請求人の回答
請求人は,上記3の証拠調べ通知に対して,所定の期間内に何ら応答するところがない。
5 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性
本願商標は,「ハイブリッドブック」の片仮名を標準文字で表してなるところ,別掲2に示す辞書の記載によれば,「ハイブリッド」(hybrid)の語は「異種のものを組みあわせたもの」程度の意味を,「ブック」(book)の語は「本。書籍。」の意味を有し,いずれも我が国でも比較的親しまれて用いられている外来語(英語)である。
そして,別掲1のとおり,デジタルコンテンツと併せて利用できる書籍,すなわち,書籍中の文章や図表がホームページにおいて動画としても確認できる書籍や,書籍中の表示コードからスマートフォンやタブレット端末,またそのアプリなどを用いて,動画や音声を視聴できたり,テストを受けられる書籍が販売されており,そのような書籍又は仕組みを「ハイブリッドブック」(HYBRIDBOOK,HYBRID BOOK)と称している実情がある。
以上を踏まえると,本願商標は,これに接する需要者,取引者をして,その指定商品との関係において,「紙の書籍とデジタルコンテンツを組み合わせて利用できる書籍」程度の意味合い,すなわち商品の品質(内容,機能)を表してなるものと認識,理解させるにとどまり,自他商品の識別標識としての機能を有さないというべきである。
そのため,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張に対し
請求人は,本願商標「ハイブリッドブック」は,公知ではない全く新しい発明の本の名称であり,言葉を分解することなく全体を一つの言葉とみるべきで,他人が使用している実績のない新語でもあり,自他商品の識別標識力がある旨を主張する。
しかし,上記(1)で示したとおり,「ハイブリッドブック」(HYBRIDBOOK,HYBRID BOOK)と称する,書籍とデジタルコンテンツを併せて利用できる書籍又はその仕組みが存在しており,請求人以外の第三者によって,そのような書籍又は仕組みが販売又は運営されている実情があることよりすれば(別掲1),本願商標は,これに接する需要者,取引者をして,特定の意味を有さない造語ではなく,上記(1)のとおり,単に商品の品質(紙の書籍とデジタルコンテンツを組み合わせて利用できる書籍)を表示してなるものと認識,理解されるというのが相当であり,その主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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