Trademark Appeal Case
著名商標ELLEと結合商標の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第19958号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ELLE CHIC」の欧文字と「エルシック」の片仮名文字とを上下二段に横書きにしてなり、第3類「せっけん類,薫料、化粧品、つけづめ、つけまつげ、歯磨き」を指定商品として、平成7年6月9日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、この商標登録出願に係る商標は、欧文字と片仮名文字が文字の種類を異にし、かつ一段以上空けてなる構成上、両文字部分は視覚上分離されて看取されるところ欧文字にしても、中間に一文字分程度空いていることから、「ELLE」の文字と「CHIC」の文字よりなるものと理解され得るものである。しかして、「ELLE」の文字は、1945年創刊、ELLE社刊のフランスの代表的女性月刊誌で、ファッションを中心に出版され、日本語版も発行されており、その他ライセンス契約により、化粧雑貨品、婦人服、アクセサリー、スポーツ用品等多岐にわたる商品に使用している著名な商標「ELLE」と同一書体の文字よりなるものであるから、これを出願人が本願指定商品に使用するときには、恰も前記会社と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。
したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
よって判断するに、本願商標は「ELLE CHIC」の欧文字と「エルシック」の片仮名文字とを上下二段に書してなるものである。
ところで、「ELLE」の文字は、「フランス エディシオン エ パブリカシオン」が発行する世界的に著名なフランスの女性ファッション雑誌名である。そして現在、「ELLE」の姉妹版ともいえる、イタリア版、ホンコン版、スエーデン版、中国版、ギリシャ版、フインランド版、ドイツ版、オランダ版、台湾版、韓国版、等が多数の国々で発行されているところである。
我が国においては、(株)マガジン ハウスが昭和57年以来雑誌「ELLE」の日本語版を発行してきたが、現在は、「アシェット婦人画報社」がこれを承継し発行しているものである。
このように、雑誌「ELLE」は、ファッションの世界的中心地たるフランスにおいて発行され世界各国に輸出されており、日本においても「ELLE」誌は、古くから我が国の需要者間にも広く知られ、我が国のファッションにも多大な影響を与えてきた。
他方、「フランス エディシオン エ パブリカシオン」は、昭和39年以来、帝人株式会社(大阪市東区南本町1丁6番7号、以下「帝人」という。)に対し、「ELLE」商標の独占的使用を許諾し、帝人は、自ら「ELLE」ファッシヨンに係る洋服を製造、販売するー方、その独占的使用権に基づき、婦人服につきイトキン株式会社(大阪市東区北久太郎町2丁目37番地)、スカーフ・ハンカチ類につき川辺株式会社(東京都新宿区新宿1丁目28番)、寝具類につき西川産業株式会社(東京都中央区日本橋富沢町8番8号)、手袋につき株式会社三大(大阪市福島区福島3丁目2番20号)の各社に「ELLE」の通常使用権を許諾し使用させてきた。その結果、「ELLE」商標は、本願商標の出願時である平成7年頃には既にファッション雑誌名としてのみならず婦人服等の商標としても需要者間に広く知られるようになっていたものである。
そうとすれば、前記「フランス エディシオン エ パブリカシオン」が「ファッション雑誌」、「婦人服」等に使用する商標として著名な「ELLE」と同じ文字をその構成中に一部に有する本願商標を、請求人(出願人)がその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品が上記「フランス エディシオン エ パブリカシオン」の業務に係る商品又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について誤認混同するおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。