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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「生しぼりの記述性」の商標審決・判断理由(審判番号:平成9年審判第2414号|請求不成立)

審判番号
平成9年審判第2414号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
生しぼりの記述性
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成9年審判第2414号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「生しぼりの記述性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「生しぼり」の文字を書してなり、第29類に属する商品を指定して平成6年8月9日登録出願、その後、指定商品については当審において提出した平成9年2月14日付手続補正書により「豆乳」と減縮補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当する旨認定・判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「生しぼり」の文字よりなるところ、該文字は「加熱しない状態」等を意味する「生」の文字と「絞る、搾る」の意味を想起させる「しぼり」の文字とを結合してなるものであるから、構成文字全体から、「加熱せず生の状態で絞った状態(のもの)」といった意味合いを容易に認識させるものである。

ところで、本願の指定商品である「豆乳」は豆腐製造時の中間物とされているところ(社団法人全国調理師養成施設協会発行 改訂調理用語辞典より)、この種大豆加工品ないしは豆腐の生産(製造)事情についてみると、例えば、以下の新聞記事が認められる。

(1)1990年4月16日付朝日新聞夕刊「変わる食品」の欄において「・・・オカラ込みで煮る従来法では、焦げたオカラ臭や味の悪いサポニンも溶け出すので、オカラをしぼった後加熱する生しぼり法や最初に皮などのオカラ成分を除く方法など、技術としては実に多様な方法がある」との記載がある。

(2)1992年4月10日付朝日新聞夕刊中の「らうんじ」の欄において「・・・生しぼりという、水に浸した大豆を煮ないで石うすで引く、独特の製法で作る風味豊かな豆腐と、・・・」との記載がある。

また、豆乳又は豆腐と「生しぼり」の関係について、いわゆるインターネットホームページ情報をみると、例えば以下の事実が認められる。

(ア)愛知県知立市在の株式会社マルツネの「生しぼりとうふ」に関する広告において「・・『生しぼり』とは熱を加えないで、豆乳をしぼる方法で、大豆中の苦み・渋みなどの成分が少なく、おいしい豆腐を作る伝統製法です。」との記述が認められる(http://www2.big.or.jp/^aiken/info/moku_...kou2/nousan1/namasibori/namasibori.html)。

(イ)とびっきり加賀・能登のホームページにおける「堅豆腐」の紹介記事中に「・・数百年前より中国伝来そのままの日本でも珍しい『生しぼり』製法であり、普通の豆腐に比べて、絞る作業には大変なものがあります。・・」との記述が認められる(http://www.nsknet.or.jp/tobikkiri/um ̄si.html)。

(ウ)石川県・白峰村在の上野豆腐店の「堅豆腐」の宣伝において「一般的な豆腐の作り方では、水に吸わせた大豆を煮てから絞り豆乳とおからに分けます。しかし、当店では大豆を生のまま絞って生の豆乳を作ります。この製法を生しぼりと言います」との記述が認められる(http://www.ishikawashokokai.or.jp/shiraminine/product/ueno/jiman.htm)。

(エ)豆加工品に関するホームページにおいて「・・実は、豆腐の製法には、大きく「生しぼり」法と「加熱しぼり」法があります。・・・呉(豆汁)を加熱しないでろ過して豆乳を作り、これを加熱し、にがりで凝固させたのが生しぼりの豆腐です。日本でも変わり豆腐として、石川県の珠州市大浜の『能登のすり豆腐』、白峰村の『白峰の堅豆腐』や高知県の池川町椿山の『椿山の石豆腐』、熊本県球磨郡泉村の『生ごし豆腐』などとして、作られ、地元の人々に親しまれ、愛されています。」の記述が認められる(http:// www.agri.pref.hokkaido.jp/chuo/organization/soma/SOINDEX/mamekako.HTM)。

以上、豆腐ないしは豆乳の製造(生産過程)に関する諸事情を総合すれば、「生しぼり」の文字は、大豆製品ないしは豆腐・豆乳の製造業界においては、水に浸して後、砕いた大豆(呉)を加熱しないで生のままの状態でしぼったもの、又はそれから作られる豆乳又は豆腐の製造方法として容易に認識され、かつ、取引上普通に使用されているものと認められる。

そうすると、本願商標を「生しぼり」製法によって製造された「豆乳」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は前記事情よりして、該豆乳の製造の方法、品質を表示したものと理解するに止まり、それをもって、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきである。また、前記以外の製法による「豆乳」に使用するときは、それがあたかも「生しぼり」製法による「豆乳」であるかのごとく商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ないから、これと同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定の認定は妥当であって取り消す限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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