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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成8年審判第20880号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本出願に係る商標(以下、「本願商標」という。)は、1993年(平成5年)7月26日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づき、パリ同盟条約第4条による優先権を主張して平成6年1月26日に登録出願、後掲(1)に示すとおり、「SOLVE:Netmaster」と表してなり、第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。),その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」を指定商品とするものである。

2 引用商標

原審において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第2715985号商標(以下、「引用商標」という。)は、昭和62年3月11日登録出願、後掲(2)に示すとおり、「net master」の欧文字を表してなり、平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令第1条所定の商品の区分(以下、「旧別表」という。)第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)、電気材料」を指定商品として、平成8年8月30日に設定の登録がされたものである。同じく、登録第2669731号商標は、平成4年2月28日登録出願、「SOLVE:Automation」の欧文字を表してなり、旧別表第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、同6年5月31日に設定の登録がされ、その後、該登録に係る商標権は合併により本出願人(請求人)がその登録名義人となった旨の登録が平成9年2月24日にされているものである。

3 当審の判断

本願商標は、その構成前記のとおり「SOLVE:Netmaster」と表してなるところ、これを構成する前半の「SOLVE」と同後半の「Netmaster」の両文字部分は、その中間にコロン記号(欧文の句読点の一)を介して表されていて、しかも、各々の書体の大小と相俟って、視覚上容易に分離して看取し得るものである。そして、書された文字の全体からは、特定の意味合いの熟語的文字とは認識し得ないものであって、ほかに、これら両文字部分を常に一体のものとして把握しなければならないような特段の事情は存しない。

また、取引の簡易・迅速を尊ぶこの種商品の取引者、需要者間においては、適宜親しみ易く馴染み易い部分を抽出し他の部分を捨象して簡便に取引に資することは屡々見受けられるところである。

そうすると、本願商標にあって、前記各文字部分はそれぞれが独立して商品の出所を識別する標識として機能し得るものというべきであり、かつ、その全体より生ずるとみられる「ソルブネットマスター」の称呼が全10音と極めて冗長に亘ることから、本願商標に接する取引者、需要者は後半の「Netmaster」の文字部分に着目し、同文字部分より生ずる「ネットマスター」の称呼をもって簡便に取引に当たる場合も決して少なくないものといわなければならない。

したがって、本願商標からは、単に「ネットマスター」の称呼も生ずるものといわなければならない。

他方、引用商標は、その構成前記のとおり、「net master」の文字よりなるものであるから、該文字に相応して「ネットマスター」の自然的称呼を生ずるものである。

してみれば、本願商標と引用商標とは、「ネットマスター」の称呼を同じくする点で紛らわしく、このほか、外観、観念の点を考慮するとしてもなお両者はその出所について混同を生ずるおそれのある類似のものといわなければならない。そして、本願商標の指定商品は、旧別表に照らしてみた場合、いずれも同第11類所属の商品であって、引用商標の指定商品中に包摂されるものと認められる。

以上によれば、本願商標は、引用商標と商標において類似し、かつ、指定商品も同一又は類似のものであるから、結局、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ない。

請求人は、請求の理由において、本願商標は「サルヴネットマスター」又は「サルヴ」の称呼を生ずるものであって、米国においてはこの称呼をもって需要者に理解され認識されており、その構成文字中「Netmaster」のみが分離・抽出され単に「ネットマスター」とのみ称呼されることはなく、また、外観、観念においても引用商標と紛れるおそれはない旨述べているが、米国の取引事情を客観的に明らかにすべき証拠は何ら示されておらず、また、この種外国文字に接するわが国の需要者一般の理解の程度とこの種商品の取引の実情に照らし、本件については前記認定・判断を相当とするものであるから、その主張は採用の限りでない。

なお、原査定が本願の拒絶の理由に引用した商標登録第2669731号に係る商標権は、前示2に示すとおり、合併により本出願人(請求人)がその登録名義人となった結果、この点に関する限り本願商標の拒絶の理由は解消したものである。しかし、一方において、原審は、別途引用商標の存在を理由とする拒絶の理由をすでに開示していたこと前示2に示すとおりであって、請求人も本件審判の請求の理由において、その存在を前提に理由を述べている点に鑑み、本件については、これを改めて拒絶の理由として通知することなく審決することとした。

よって、結論のとおり審決する。

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