Trademark Appeal Case
マルタックの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2017−900284(T2017−900284/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5958434号商標(以下「本件商標」という。)は,「マルタック」の片仮名を標準文字で表してなり,平成28年8月24日に登録出願,同29年6月9日に登録査定され,第16類「紙製包装用容器の封かん用具,プラスチック製包装用袋の封かん用具,封筒の封かん用具」及び第20類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同年6月23日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,その指定商品中第16類「全指定商品」について,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
(2)本件商標は,「マルタック」の片仮名を標準文字で書してなるところ,「タック」の語は,封かん用具を備えた封筒等の包装容器を製造販売する業界においては,封かん用の「留め具」,「固定手段」,「固定具」,「蓋閉鎖用紐掛け具」の普通名称として認識及び使用され,普通名称として用いられている(甲4〜13)。
そうすると,本件商標は,その指定商品中,第16類「紙製包装用容器の封かん用具,プラスチック製包装用袋の封かん用具,封筒の封かん用具」に使用しても,これに接する取引者,需要者は,単に円形であるという商品の品質を表示するものと認識するにとどまり,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないもので,かつ,上記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審における取消理由
当審において,平成29年12月12日付けで,本件商標権者に対し通知をした取消理由は,要旨以下のとおりである。
本件商標は,「マルタック」の片仮名を標準文字で表してなるところ,当該語は「円形の封かん用留め具」を指称する専門用語として,封かん用具や封筒などを取り扱う業界においては,取引上普通に使用されていた事実を認めることができるから(別掲1,2),これをその指定商品中,第16類「紙製包装用容器の封かん用具,プラスチック製包装用袋の封かん用具,封筒の封かん用具」に使用するときは,単に商品の品質(構造,機能)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認められる。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 本件商標権者の意見
本件商標権者は,上記3の取消理由に対して,何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は,「マルタック」の片仮名を標準文字で表してなるものである。
(2)「マルタック」の語の文具業界における認識及び使用状況について
ア 「マルタック」の語は,別掲1のとおり,封筒や封かん用具を取り扱う業界において,「玉ひもとも呼ばれるもので,丸い玉部分に紐が付いています」,「封筒や紙袋の段ボールなどに使用する開閉パーツです」,「保存袋の玉紐です」などのように紹介され,円形の封かん用留め具の写真とともに掲載されていることよりすれば,当該語は「円形の封かん用留め具」を指称する専門用語であると理解できる。
イ 別掲1及び2のとおり,上記留め具に相当する商品が「マルタック」又は「紐付マルタック(丸タック)」として販売され,上記留め具付きの封筒が「玉(マルタック)付」,「白マルタック紐付」,「紙製マルタック付き」,「マルタック付保存袋」等のように,「マルタック」付きの商品として販売されている実情もある。加えて,前記留め具を封筒などに付ける加工を「マルタック付け加工」,「マルタック加工」などのように称している事例もある(別掲2(6),(7))。
ウ 別掲1及び2に掲げるインターネット上の記事情報について,別掲1(2)ないし(4),及び別掲2(1)の記事情報は,印刷日,掲載日,レビュー投稿日,取り扱い開始日などから本件商標の登録査定日前から掲載されていることが確認でき,それ以外の記事情報は,遅くとも,本件商標の登録査定日から6月程度しか経過していない当審における取消理由の通知の時点での掲載が確認できるため,本件商標の登録査定時における取引実態を示す証拠と推認又は評価することができる。
エ 以上を踏まえると,「マルタック」の語は,本件商標の登録査定時において,封筒や封かん用具などを取り扱う業界においては,「円形の封かん用留め具」の意味を有する専門用語として親しまれ,取引上普通に用いられていたものといえる。
(3)本件商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は,「マルタック」の片仮名を標準文字で表してなるところ,上記(2)のとおり,本件商標の登録査定時には,当該語は「円形の封かん用留め具」を指称する専門用語として,封かん用具や封筒などを取り扱う業界においては,取引上普通に使用されていた事実を認めることができるから,これをその指定商品中,第16類「紙製包装用容器の封かん用具,プラスチック製包装用袋の封かん用具,封筒の封かん用具」に使用するときは,需要者,取引者をして,その商品が単に円形の封かん用留め具であることを認識させるにすぎず,単に商品の品質(構造,機能)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認められる。
したがって,本件商標は,上記指定商品について,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(4)まとめ
以上のとおり,本件商標の指定商品中,第16類「全指定商品」についての登録は,商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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