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Trademark Appeal Case

称呼の類否と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−14725(T2017−14725/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第28類「卓球ラケット用ラバー,その他の卓球用具」を指定商品として,平成28年7月1日に登録出願されたものである。

そして,願書記載の指定商品については,当審における平成29年11月30日差出の手続補正書により,第28類「卓球ラケット用ラバー」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第4154763号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成8年3月27日登録出願,第9類「業務用テレビゲーム機,同機用プログラムを記憶させた電子回路・光ディスク・磁気ディスク・磁気テープ,その他同機用の部品及び付属品,遊戯用電気式乗物,ピッチングマシン,その他の遊園地用機械器具,カラオケ装置,ビデオカラオケ装置,その他の電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,メダル貸機,券売機,その他の自動販売機,硬貨の計数用又は選別用の機械,ビリングマシン,両替機」を指定商品として,同10年6月12日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は,別掲1のとおり,右斜め上に傾いた黒塗りの横長の楕円に沿って,大きさの異なる3つの三日月状の図形を左右下部に不規則に配してなる図形と,その右側に,図形部分と同程度の高さで「HAYATE」の欧文字を配し,その欧文字の下部中央に「ハヤテ」の片仮名を配した構成からなるものである。

本願商標の図形部分と文字部分とは,外観上,明確に分離して配されているところ,その文字部分である「HAYATE」及び「ハヤテ」は,「急にはげしく吹き起こる風。しっぷう。」の意味を有する「はやて(疾風,早手)」(広辞苑第6版)の語を,欧文字と片仮名で表記したものと容易に想起し得るため,それぞれの構成文字に相応して,「ハヤテ」の称呼及び「急にはげしく吹き起こる風。しっぷう。」の観念を生じるものというべきである。

一方,本願商標の図形部分は,特定の意味合いを直ちに想起させない幾何図形と認められることから,これより特定の称呼及び観念は生じない。

そうすると,本願商標の図形部分と文字部分とは,外観上分離して看取し得るものであり,また,称呼上及び観念上のつながりもないことから,これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められず,それぞれが独立して商品の識別標識としての機能を果たし得るというのが相当である。さらに,文字部分についても,欧文字と片仮名のそれぞれが独立して商品の識別標識としての機能を果たし得るものといえる。

したがって,本願商標からは,「ハヤテ」の称呼及び「急にはげしく吹き起こる風,しっぷう」の観念が生じるものと認められる。

(2)引用商標について

引用商標は,別掲2のとおり,「NINJA」の欧文字と,当該欧文字に比較して2.5倍程度の大きさからなる籠字による「HAYATE」の欧文字とを,上下左右の先端に向かってより細くなる細身の十字状の図形を介して,互いにセンタリングして近接させて配した構成からなるものである。

引用商標の図形部分は,十字部分の上下左右の長さが,二段書きされた文字の高さ・長さにほぼ合わせられており,上段と下段の文字部分を結び付ける役割を果たすための背景的図形と解されるにすぎないから,これより特定の称呼及び観念は生じない。

一方,引用商標の欧文字部分である「NINJA」及び「HAYATE」は,それぞれの語単独では,「忍びの者。忍術使い。」の意味を有する「にんじゃ(忍者)」及び「急にはげしく吹き起こる風。しっぷう。」の意味を有する「はやて(疾風,早手)」の各語(前掲書)を欧文字で表記したものと容易に想起させるものであるが,これらの文字を互いにセンタリングして近接させて配し,しかも,下段の「HAYATE」の文字は,上段の「NINJA」の文字に比し,籠字で,より大きく,太く表されていることからすれば,当該「HAYATE」の欧文字については,上記辞書上の意味で理解されるというよりは,「NINJA」の欧文字とあいまって,「HAYATE(ハヤテ)」と称する忍者の固有名称を表したものと印象付けられるというのが相当である。そうすると,欧文字部分全体からは,「ニンジャハヤテ」の称呼及び「『HAYATE(ハヤテ)』と称する忍者」の観念を生じ得るというべきである。そして,欧文字部分全体から生じる「ニンジャハヤテ」の称呼は,6音であって冗長というほどのものではない。

したがって,引用商標は,「ニンジャハヤテ」の称呼及び「『HAYATE(ハヤテ)』と称する忍者」の観念が生じるものと認められる。

(3)本願商標と引用商標の類否について

本願商標と引用商標の類否について検討するに,両商標の外観全体では,異なる文字部分(「ハヤテ」の片仮名及び「NINJA」の欧文字)及び異なる図形部分を有しているなどの構成態様に照らし,明らかな差異を有するものであるから,外観上,明確に区別できる。また,本願商標の要部となり得る「HAYATE」,「ハヤテ」及び図形部分のそれぞれと引用商標とを比較した場合も,「NINJA」の欧文字の有無,文字種の相違及び図形の相違等により,明らかな差異を有するものであるから,外観上,明確に区別できる。

また,本願商標から生じる「ハヤテ」の称呼と,引用商標から生じる「ニンジャハヤテ」の称呼とは,語頭における「ニンジャ」の3音の有無という明確な差異を有するものであるから,称呼は相違する。

そして,本願商標からは,「急にはげしく吹き起こる風,しっぷう」の観念が生じるのに対し,引用商標からは,「『HAYATE(ハヤテ)』と称する忍者」の観念が生じるから,両者の観念も明らかに相違する。

以上を総合して考察すれば,本願商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(4)まとめ

以上のとおり,本願商標は,引用商標とは,同一又は類似する商標ではないため,その指定商品について比較するまでもなく,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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