Trademark Appeal Case
称呼・観念の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−9145(T2017−9145/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第5類「衛生マスク」を指定商品として、平成27年12月22日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5139113号商標(以下「引用商標」という。)は、「プラスケア」の片仮名を標準文字で表してなり、平成19年7月26日に登録出願、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,失禁用おしめ,防虫紙,乳糖,乳幼児用粉乳」を指定商品として、同20年6月13日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、左上段に、十字と楕円形とを組み合わせた図形の内部から外部にはみ出るように「Plus」及び「Care」の欧文字を上下二段に配し、中段に「New!」の欧文字と記号を右肩上がりに配し、下段に「スーパーガード」及び「マスク」(黒地の楕円形の内部に白抜きで表されている。)の片仮名を配した構成からなるものである。
そして、その構成中、「New」の文字は「新しい」の意味を、「スーパーガード」の片仮名は、外来語の「スーパー」及び「ガード」の語を結合したものであって、「とびぬけて保護する」程の意味を、「マスク」の片仮名は、本願商標の指定商品である「衛生マスク」の意味を認識させるものであり、全体として「新しい、とびぬけて保護する衛生マスク」程の意味合いを認識させるものであるから、「衛生マスク」を取り扱う分野において、その取引者、需要者は、自他商品の識別力がないか、又は、極めて弱いものと判断するのが相当であり、本願商標の構成中の左上段に、十字と楕円形とを組み合わせた図形の内部から外部にはみ出るように「Plus」及び「Care」の欧文字を上下二段に配してなる部分が商品の出所識別標識として認識されるものというのが相当である。
さらに、当該十字と楕円形とを組み合わせた図形の内部から外部にはみ出るように「Plus」及び「Care」の欧文字を上下二段に配してなる部分について、その文字部分が比較的平易な英語「Plus」及び「Care」の語であり、看者の注意を引くものといえるから、十字と楕円形とを組み合わせた図形の配置や大きさなどを考慮しても、「Plus」及び「Care」の文字部分が商品の出所識別標識として、最も強く支配的な印象を与えるものといえる。
そうすると、「Plus」及び「Care」の文字部分は、まとまりよく一体的に表されており、これより一連に「プラスケア」の称呼をも生じるものである。
また、「Plus」の文字は「加える」の意味を、「Care」の文字は「世話」の意味を有する我が国において一般に親しまれた平易な英語であり、「世話を加える」程の観念を生じるものである。
イ 引用商標
引用商標は、「プラスケア」の片仮名を標準文字で表してなるから、「プラスケア」の称呼を生じ、「プラスケア」の語は辞書類に掲載された既成の語ではないものの、これに接する取引者・需要者は、我が国において一般に親しまれた平易な英語「Plus」及び「Care」の語の表音を結合したものと認識し、「世話を加える」程の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標と引用商標とは、外観については、その全体の構成において相違するものの、称呼については、本願商標から生じる「プラスケア」の称呼と引用商標から生じる「プラスケア」の称呼は同一であり、観念については、「世話を加える」程の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観における差異が、称呼、観念の同一性からくる紛らわしさを凌駕して、これらを明らかに識別することができるものともいい難く、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
そして、本願商標の指定商品「衛生マスク」と引用商標の指定商品中の「医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」とは、同一又は類似の商品である。
してみれば、本願商標は、引用商標と類似の商標であって、かつ、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「PlusCare」は造語であるとともに、「P」と「C」が大文字で記載されて、別々の単語と認識され、これを一連に称呼する論理的な理由、必然性、必要性がない旨主張する。
しかしながら、上記(1)アのとおり、本願商標の「Plus」及び「Care」の文字部分は、まとまりよく一体的に表されており、これより一連に「プラスケア」の称呼をも生じるというのが自然である。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
イ 請求人は、商標の称呼が同一であっても、類似商標ではないと判断された判決例や審決例を示して、 本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる判決例及び審決例は、本件とは商標の構成文字が異なり、事案を異にするものであって、本願商標については上記(1)のとおり判断するのが相当であるから、請求人の挙げた判決例及び審決例によってその判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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