Trademark Appeal Case
要部抽出と称呼・観念の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−16236(T2017−16236/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「緑の恵み」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年11月16日に登録出願され、その後、本願の指定商品については、原審における同29年5月8日受付の手続補正書により、第5類「サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5511815号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成24年2月8日登録出願、第5類「ビタミンCを主原料とする錠剤状・カプセル状・液状・粒状・顆粒状・粉末状・ゼリー状の加工食品,サプリメント」を指定商品として、同年8月3日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、上記1のとおり、「緑の恵み」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応して、「ミドリノメグミ」の称呼を生じ、「緑の恩恵」といった観念を生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲1のとおり、ほうれん草の写真(絵図)を配した薄緑色の正方形の中央部分に、白抜きであたかも当該ほうれん草の写真(絵図)に重ねて表したかのように看取される「まるごと素材」、「緑」及び「のめぐみ」の文字が三段に顕著に表され、さらに、当該正方形の左上方部分には、白抜きで「サプリ農場」等の文字と図形とを組み合わせた標章が小さく表されているところ、かかる構成においては、顕著に表された三段の文字部分と左上に小さく表された標章部分とは、視覚上、分離して観察され得るものといえる。
ところで、商品「サプリメント」等を取り扱う業界においては、原審において例示したように、素材(原材料)をまるごと用いた商品がしばしば製造、販売されており、そのような商品にあっては、その商品の品質(素材(原材料)をまるごと用いたものであること)を表すべく、例えば、その包装等に商品の素材(原材料)を写実的に描いた絵図を表示したり、「まるごと○○」(「○○」の部分は、具体的な素材(原材料)名)といった文字を当該絵図に近接して又は重ねて表示することが一般に行われている(別掲2)。
そうすると、引用商標をその指定商品である「サプリメント」等に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、引用商標の構成中、その中央に顕著に表された三段の文字部分に着目しつつ、当該三段の文字のうちの「まるごと素材」の文字や、当該三段の文字の背後にあるかのように表されたほうれん草の写真(絵図)については、商品の品質を表したものとして理解、認識する一方、三段書きの文字のうちの「緑」及び「のめぐみ」の文字については、「緑のめぐみ」という一連の文字を二段に表してなるものとして、理解、認識するとみるのが相当である。
また、上記「緑のめぐみ」の文字については、「緑の恩恵」といった意味合いを想起させるとはいえるものの、当該意味合いをもって、取引者、需要者が、引用商標の指定商品である「サプリメント」等の品質を具体的に表したものとして、認識するとまではいい難い。
してみれば、引用商標は、その構成中、「緑のめぐみ」の文字部分が独立して商品の出所識別標識として機能し得るものといえ、引用商標から当該文字部分を要部として抽出し、これと本願商標とを比較して、商標そのものの類否を判断することも許されるものというべきである。
したがって、引用商標は、その構成中の要部である「緑のめぐみ」の構成文字に相応して、「ミドリノメグミ」の称呼を生じ、「緑の恩恵」といった観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標の要部である「緑のめぐみ」の文字部分とを比較すると、いずれも「ミドリノメグミ」の称呼及び「緑の恩恵」といった観念を生じるものであり、また、両者の構成中の「恵み」と「めぐみ」の相違についても、単に漢字による表記か、平仮名による表記かの差異にすぎないから、これらを総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否
本願の指定商品中の「サプリメント」と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品である。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり、審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。