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Trademark Appeal Case

紋章図形の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2017−900318(T2017−900318/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5966695号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5966695号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの図形からなり,平成29年2月7日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」並びに第12類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年7月7日に登録査定され,同年7月28日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,国際登録第1296488号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,2015年8月21日にEUIPOにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2016年(平成28年)1月14日に国際商標登録出願され,第25類「Clothing; footwear; headgear; replica shirts; neckwear; ties; shirts; socks; shorts; trousers; jackets; coats; leisure suits; T-shirts; jogging suits; underwear; outerwear; scarves; hats; gloves; shoes; football boots; swimming trunks; rugby shirts; fleece; polo shirts; visors; head bands; wristbands; bibs; dresses; robes; pyjamas; dressing gowns; slippers; flip flops; thongs; shoes for sports; sneakers; slippers; gloves; aprons; parts, fittings and accessories for the all the aforesaid goods.」及び第28類「Toys, games and playthings; gymnastic and sporting articles and equipment; decorations for Christmas trees; dart boards; dart flights; dart board cabinets; snooker cues; playing cards; sport balls; footballs; goalkeeping gloves; football gloves; gloves for sports; shin guards; bags adapted for sports equipment; parts, fittings and accessories for the all the aforesaid goods.」を指定商品として,平成29年7月21日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は,その指定商品中,第25類「全指定商品」について,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は,前記のとおり,黒塗りの獅子の欧紋章的図形よりなるものである。

これに対し,引用商標は,盾型輪郭内の上部に「AVFC」の欧文字を横書きし,その下に黒塗りの獅子の欧紋章的図形を描いてなるものである。(「A」の文字の下に小さな黒塗りの星図形を配してなる。)

そこで,両商標の類否についてみると,引用商標は前記のとおりの構成からなるところ,黒塗りの獅子の欧紋章的図形部分も独立して商標としての機能を果たす部分といえるものである。

そうすると,本件商標の黒塗りの獅子の欧紋章的図形と引用商標の黒塗りの獅子の欧紋章的図形とは,共に獅子が左を向いていること,前足の2本を前方に突き出し,後ろ足2本で立っていること,当該後ろ足部分に若干の毛を有している点について何れも共通にするから,これを時と所を異にして観察したときは,互いに相紛れるおそれのある,外観上類似する商標といわざるを得ない。

加えて,引用商標はイギリスのプレミアリーグに所属する名門サッカーチーム「アストン・ヴィラフットボールクラブ」の著名商標であるから,これを本件商標の指定商品中,サッカー競技で使用するウェアやサッカー靴と関連性の高い被服,靴下,運動用特殊衣服,運動用特殊靴等に使用した場合,より類似性が高くなるものといえる。

また,本件商標の指定商品中「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」については,引用商標の指定商品とは,同一・類似するものであることは明らかである。

以上のことから,本件商標と引用商標とは外観上類似する商標であり,かつ,本件商標の指定商品中「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」については,引用商標の指定商品と同一又は類似するから,上記商品については商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり,よって,その登録は取り消されるべきものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標は,前記のとおり「アストン・ヴィラフットボールクラブ」の著名商標であるから,スポーツウェア,サッカー靴等と関連性のある「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服」について本件商標を使用した場合,申立人の業務に係る商品と出所について混同を生じさせるおそれがある。

よって,上記商品については,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから,その登録は取り消されるべきものである。

4 当審の判断

(1)引用商標の著名性について

申立人は,「引用商標はイギリスのプレミアリーグに所属する名門サッカーチーム『アストン・ヴィラフットボールクラブ』の著名商標である」旨を主張しているが,提出された甲第3号証は,ウィキペディアによる「アストン・ヴィラFC」についてのインターネット情報であり,また,甲第4号証もYahoo!検索による「アストンビラエンブレム」の検索画像結果のインターネット情報であって,かつ,その他の証拠においても,引用商標が申立人の業務に係る商品について使用された結果,著名性を有することになったことを窺わせる事実は見いだせないものである。

そうすると,引用商標は,申立人の業務に係る商標として,本件商標の指定商品の分野の需要者にまで,広く知られているとは認め難いものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用商標との商標の類否について判断する。

本件商標は,別掲1のとおり,黒塗りされた左向きで直立し舌を出した耳のある獅子風仮想動物の図形を描いたものであり,四つの足が長く,かつ尾の形状は真上に垂直に伸びた途中から2ヶ所枝分かれしたかのように描かれた構図のものである。

これに対して,引用商標は,別掲2のとおり,盾型輪郭内の上部に「AVFC」の欧文字を横書きし,その下に,「A」の文字の下に小さな黒塗りの星図形を配し,また,黒塗りされた左向きで直立したてがみを大きく象った獅子風仮想動物の図形を描いたものであり,四つの足と尾を有し,その尾の形状は先端が大きな房となっているように描かれた構図のものを有する欧紋章的図形を描いてなるものである。

しかして,本件商標と引用商標の獅子風仮想動物の図形部分には,獅子風図形の形状において,左向きで直立し,四つの足と尾を有するという共通する点が認められるとしても,その獅子の頭の形状や,特徴的な舌や耳の有無,四つ足の長さや尾の形状等に顕著な差異を有するものである。

しかも,当該仮想動物の図形は,西洋風の紋章等の一部に頻繁に採用されている図柄の一といい得るものでもあり,さほど特異な図柄ともいえないから,その共通点が前記差異を凌駕して獅子風仮想動物の部分のみが殊更に強く印象されるというよりも,引用商標は,「AVFC」の欧文字と獅子風仮想動物の図形を有する盾型紋章として印象され記憶されるものであり,一方,本件商標は,舌を出した耳のある,四つの足が長く,かつ尾の形状に特徴を有する構図の獅子風仮想動物の図形として印象され記憶されるものというのが相当である。

してみると,時と処を異にして両商標を比較した場合においても,それぞれの全体から受ける前記印象の違いによって,両者は相紛れることなく区別し得るものとみるのが相当である。

よって,本件商標は,外観において,引用商標と類似する商標とはいい難く,また,称呼や観念において,本件商標が引用商標に類似する商標であるとみるべき理由は見いだせない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

前記(1)のとおり,申立人が提出した証拠によれば,申立人が,引用商標を商品及び役務について使用している事実や,その他,引用商標の周知,著名性を立証するための資料は,いずれも提出されていない。

そうすると,引用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。

そして,上記(2)のとおり,本件商標は,引用商標と類似する商標とは認められない別異の商標であって,他に両者を更に関連付けてみるべき格別の事情もない。

してみれば,本件商標をその指定商品に使用したときに,これに接する需要者が引用商標を想起し,連想して,申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品と誤信し,商品の出所について混同するおそれがあるものとは認められない。

したがって,本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)まとめ

以上のとおり,本件商標は,その指定商品中,第25類「全指定商品」について,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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