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Trademark Appeal Case

称呼「エコー」の要部抽出と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2017−900296(T2017−900296/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5963655号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5963655号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの態様よりなり、平成28年12月2日に登録出願、第9類「増幅器,スピーカー用筐体,音響用振動板,ヘッドホーン,スピーカー用ホーン,スピーカー,マイクロホン,音声送信装置,メガホン(拡声器),携帯型メディアプレーヤー」を指定商品として、同29年6月15日に登録査定、同年7月14日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、以下のとおりの商標である。

1 商標登録出願2015−34221(以下「引用商標」という。)は、「ECHO」の欧文字を標準文字で表してなり、2014年10月31日にトリニダード・トバコにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、平成27年4月10日に登録出願され、第9類「電気の伝導用・開閉用・変圧用・蓄電用・調整用又は制御用の機械器具,音声及び映像の記録・送信・再生用の機械器具・装置,硬貨作動式機械用の始動装置,金銭登録機,計算機,消火器,電気通信機械器具,バーチュアルパーソナルアシスタントの機能を有するクラウドコンピューティングシステムに接続して制御を行う音声スピーカー並びにその部品及び付属品」を含む、第35類、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録願に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、商標登録出願中のものである。

2 申立人の親会社である「Amazon.com,Inc.(以下「アマゾン社」という。)」が、商品「スマートスピーカー」(以下「使用商品」という。)に使用している商標は、「ECHO」の文字(以下「引用使用商標」という。)からなるものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第8条第1項及び同第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第105号証(枝番を含む。)を提出した。

1 商標法第8条第1項について

本件商標は、別掲のとおり、「DUOECHO」の欧文字を横書きにしてなる商標であって、本件商標の登録出願日前の出願に係る申立人の引用商標に類似する商標であって、その指定商品と同一又は類似する商品について使用する商標である。

よって、本件商標は、商標法第8条第1項に該当するというべきであり、引用商標が登録されたときには、商標法第4条第1項第11号に該当することとなる。

2 商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、アマゾン社が使用商品について使用し、広く一般に知られている引用商標と類似し、又は、引用商標を構成する「ECHO」の文字及び同一の称呼「エコー」をその構成中に要部として含むので、申立人の著名商標を想起もしくは連想させるものである。

また、本件商標の指定商品と、引用商標の指定商品中、「電気の伝導用・開閉用・変圧用・蓄電用・調整用又は制御用の機械器具,音声及び映像の記録・送信・再生用の機械器具・装置,電気通信機械器具,バーチュアルパーソナルアシスタントの機能を有するクラウドコンピューティングシステムに接続して制御を行う音声スピーカー並びにその部品及び付属品」とは、互いに同一又は類似するものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接した取引者及び需要者が、あたかも申立人又はその関連会社が業務において取り扱っている商品であるかのごとく誤って認識する可能性が極めて高い。

よって、本件商標は、アマゾン社の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれが有る商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断

1 引用使用商標の著名性について

申立人の提出する証拠及び主張によれば、以下の事実が認められる。

アマゾン社は、アメリカ合衆国ワシントン州シアトルに本拠地を置く、世界最大級のインターネット通販サイトやインターネット事業者向けのデータセンター事業などを手掛ける大手インターネット企業である(甲79)。申立人は、アマゾン社の100%子会社として(甲80)、アマゾン社の知的財産を管理する法人である。

引用使用商標は、アマゾン社が開発した、使用商品(甲81、甲82)について使用されている。引用使用商標を使用した使用商品は、2014年頃よりアメリカにおいて招待制による販売を開始していたが、2015年6月頃より米国で一般販売が開始された(甲3〜甲78)。その後、使用商品は、2016年9月にイギリスにおいて、同年10月にドイツにおいて、2017年10月にはインドにおいて販売が開始され、我が国での販売開始は同年11月15日である(甲83、甲84、甲86、甲87、甲89)。

アマゾン社による使用商品は、アメリカにおいて2014年11月の招待制による販売開始から、2015年6月の一般販売を経て、2016年4月までの間に累計300万台の売り上げとなった(甲35、甲39、甲41)。その後、2017年5月時点におけるアメリカのスマートスピーカーの市場シェアは、アマゾン社の使用商品が70.6%を獲得している(甲85)。

しかしながら、申立人が、引用使用商標が著名である事を証明するために提出した証拠の内、本件商標の出願の日(平成28年12月2日)以前の証拠(甲2〜甲78)は、アメリカにおけるアマゾン社の使用商品の発売に関する記事、言語認識等の機能の紹介記事であって、我が国におけるアマゾン社の使用商品または引用使用商標の著名性に関する状況を推認できるような証拠はない。そして、アマゾン社の使用商品が、我が国で販売開始されたのは、本件商標の出願の日から、約11カ月以上後の2017年(平成29年)11月15日である。

以上より、申立人の提出した証拠からは、引用使用商標が、本件商標の登録出願日においてすでに、我が国において、アマゾン社の業務に係る使用商品を表すものとして著名となっていたとは認められない。

2 商標法第8条第1項の該当性について

(1)本件商標について

本件商標は、別掲のとおり、デザイン化された「DUOECHO」の欧文字を一連に表してなるところ、その構成文字は全体が統一したデザインが施されており、同じ大きさ、等間隔に視覚上まとまりよく一体に表されており、その構成文字全体から生ずる「デュオエコー」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、本件商標は、一連一体の一種の造語として認識されるものというのが相当である。

また、本件商標の構成文字は、辞書等に掲載が認められないことから、本件商標からは特定の観念を生じないというべきである。

(2)引用商標について

引用商標は、上記第2(1)のとおり、「ECHO」の欧文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応して、「エコー」の称呼を生じ、該文字は、「こだま、反響」等の意味を有するものとして、一般に知られている英語であることから、引用商標からは「こだま、反響」の観念が生じるものである。

(3)本件商標と引用商標との類否について

上記(1)及び(2)から、本件商標と引用商標とは、その構成文字数、デザイン化の有無の相違点を有し、これらの外観における相違点から、本件商標と引用商標とは外観において明確に区別し得るものである。

次に、称呼については、本件商標から生じる「デュオエコー」と、引用商標から生じる「エコー」の称呼とは、語頭における2音「デュオ」の音の有無の相違点を有することから、本件商標と引用商標とは称呼において明らかに聴別し得るものである。

さらに、観念については、本件商標は、共に特定の観念が生じないものであるのに対し、引用商標からは「こだま、反響」の観念が生じることから、両者は、観念において相紛れるおそれはない。

そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれがない非類似の商標というべきである。

(4)小括

してみれば、たとえ、引用商標が先に登録出願され、また、本件商標と引用商標の指定商品が同一又は類似のものであったとしても、両商標は、互いに、非類似の商標である。

したがって、本件商標は、商標法第8条第1項に該当しない。

3 商標法第4条第1項第15号の該当性について

本件商標と引用商標とは、上記2(3)のとおり、相紛れるおそれがない非類似の商標である。

そして、引用使用商標は、上記1のとおり、我が国において、本件商標の登録出願時にアマゾン社の業務に係る使用商品を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認めることができない。

さらに、引用使用商標は、引用商標とその構成文字を同じくするものであるから、上記2と同様に、本件商標と引用使用商標とは、相紛れるおそれがない非類似の商標であるといえる。

してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用使用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

4 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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