結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第35363号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第3369384号商標(以下「本件商標」という。)は、後記のとおりの構成よりなり、平成5年4月26日登録出願、第9類「眼鏡、眼鏡の部品及び付属品」を指定商品として、平成10年4月3日登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第26号証を提出した。
(1)請求人が調査したところ、被請求人が本件商標の指定商品に係る業務を行っている事実は発見できなかった。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書きの要件を具備しないものである。
(2)本件商標は、請求人が商品「ゴーグル、スノーボード、スノーボード用手袋・被服、バッグ」に永年使用し、本件商標出願前より周知・著名になっていた「BURTON」「バートン」(以下「引用商標」という。)と商標において類似し、かつ、本件商標の指定商品「眼鏡」は「ゴーグル」を含むものであり、スノーボードは「ゴーグル」と共に販売・使用されるものであるから、本件商標の指定商品と引用商標の使用商品は抵触又は近似するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する。
(3)請求人の名称は、「THE BURTON CORPORATION」であり、新聞や雑誌でも「BURTON」と略称されて著名となっている。
よって、本件商標は、請求人の著名な略称を含む商標といえるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(4)本件商標は、請求人の使用する著名商標「BURTON」「バートン」のただ乗りに該当するから、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(5)請求人は、著名商標「BURTON」「バートン」の所有者であり、請求人の著名な略称は「BURTON」「バートン」であるから、本件審判請求につき訴えの利益があることは明らかである。
(6)叙上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項柱書きの要件を具備せず、同法第4条第1項第10号、同第15号、同第8号及び同第7号に該当する商標であるから、同法第46条の規定に基づきその登録は無効とされるべきである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)被請求人は、20年前より「海外ブランド」導入を専門に行っており、現在国内で300社以上の「サブライセンシー契約」を所有している。それらの企業は各業種にわたり商品化のための共同事業を行っているので、その中にも本件商標に関係する企業もあり、請求人の請求は的外れである。
被請求人は、請求人から本件商標と同種の理由での「異議申立」を「登録第4008669号」「商願平05−41222号」(本件商標)「商願平06−046226号」「商願平06−059401号」「商願平06−059402号」の5件で受けたが、それらの全ては請求人の主張が退けられている。
(2)「BURTON」商標は、被請求人が昭和57年から日本国内で展開していたブランドである。当時はアメリカのプレッピー・ファッションの全盛期であり、その流行の「バイブル」とも言われた「プレッピーハンドブック」で大きく扱われていたニューヨークの有名なブティック「BURTON Ltd.」社の代表者「BURTON HORN」氏と1982(昭和57)年1月25日に被請求人はライセンス契約を締結し、現在まで継続して商品展開を行っている。
(3)「BURTON」と言えば、請求人であると考えるのは全くの誤りである。もともと「BURTON」は、アメリカ人やアングロサクソン系のヨーロッパ人の一般的な名前であり、さしたる特徴もない名前である。「BURTON」で有名なのは、米国の上記ブティックのほか、ゴルフバッグの「バートン・マニファクチュアリング・カンパニー・インコーポレイテッド社」(フロリダ州)、英国のメンズ・ショップ「BURTON MENSWEAR」ストアー等があり、請求人のみに限定されない。
(4)被請求人が「BURTON」ブランドを展開した当初、「スノーボード」は日本に登場しておらず、請求人の存在は誰も知り得なかった。
仮に請求人の主張するとおり「BURTON」のスノーボードが現在日本で著名であるとしても、被請求人が展開している「BURTON」の商品は純粋なファッション商品であり、請求人の展開する「スポーツ関連商品」とは売場も全く異なる。販売店も一般の百貨店や小売店であり、スポーツ専門店を中心とする請求人の商品とは全く関連がない。
(5)被請求人は、「BURTON CLUB」関連の商標を旧第17類、旧第21類、旧第22類及び旧第23類に所有しており、これら商標を使用した商品展開を行っている。その結果、それらの商標は、日本では被請求人等の「アメリカン・シティー・カジュアル」ブランドとして有名であり、市場で既に認知されている。このため、「BURTON CLUB」商標が無効になると被請求人及び国内メーカーが混乱する。
(1)請求人提出の甲各号証によれば、請求人である「ザ・バートン・コーポレーション」は、米国で1977年に設立された「ゴーグル、スノーボード、スノーボード用手袋・被服、バッグ」等の製造販売を中心とした会社であり、会社設立以来、全商品にハウスマーク「BURTON」を約20年に亘り使用しており、現在、請求人の米国におけるスノーボードのシェアーは、30%を占めていて、年間売上高は、約225億円に達していることが認められる。
そして、これらの商品は、日本でも1981年より販売が開始され、現在では、埼玉県浦和市所在のバートン・スノーボード・ジャパン(請求人の日本支社)から、全国6市(札幌、仙台、茅ヶ崎、名古屋、大阪、岡山)の販売代理店を通じて全国600の小売店で販売され、請求人の商標が使用されたスノーボードの日本におけるシェアーは、第1位の20%以上となっていることが認められる。
そうとすれば、請求人の使用する商標「BURTON」は、請求人の業務に係る商品「スノーボード及びスノーボード関連商品」を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、取引者・需要者の間に広く知られていたものと判断するのが相当である。
(2)本件商標は、その構成後記のとおり、鳥が両翼を開き羽ばたく様をシルエットで描いた図形を中心に、左に「BURTON」右に「CLUB」の文字を配してなるものであり、これら図形と文字の両部分は、常に一体のものとして捉えなければならない格別の事情もなく、それぞれ独立して自他商品の識別標識たり得るものと認められるところ、文字については、その構成中「CLUB」が広く同好の士の集団を意味するごくありふれた日常用語にすぎないことから、これに接する取引者、需要者は「BURTON」の部分に注意を惹かれ強く印象づけられるとみるのが相当である。
(3)また、本件商標の指定商品である「眼鏡、眼鏡の部品及び付属品」は、引用商標の使用商品の一つである「ゴ−グル」と用途、用法、生産者、販売場所、需要者の範囲等において多くの共通点を有するものとみることができ、その余の使用商品(「スノーボード関連商品」)ともファッション(装身に関する流行)に関連する商品という点で若年層中心の需要者の範囲に共通性が認められるものである。
(4)そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合には、前記実情からして、これに接する取引者、需要者は、構成中の「BURTON」の文字に着目して、前記周知になっている請求人の使用に係る商標を連想、想起し、同人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
(5)被請求人は、他の登録例、審査例等を挙げて種々主張するところあるも、過去にされた審査例等は具体的、個別的な判断が示されているのであって、必ずしも確立された統一的な基準によっているものとはいえず、仮にその中に矛盾や誤りがあるとしても、過去の審査例の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、この点に関する同人の主張は採用することができない。
(6)したがって、請求人の主張するその余の無効事由について論及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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