結論テキスト
審判費用は,被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2017−300470(T2017−300470/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
登録第5182253号商標(以下「本件商標」という。)は,「Condo Hotels」の欧文字及び「コンド・ホテルズ」の片仮名を上下2段に横書きしてなり,平成19年6月11日に登録出願,第36類「ガス料金又は電気料金の徴収の代行,商品代金の徴収の代行,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」,第37類「建設工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,火災報知機の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,電子応用機械器具の修理又は保守,照明用器具の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,自転車駐輪器具の修理又は保守,浄水装置の修理又は保守,家具の修理,金庫の修理又は保守,看板の修理又は保守,遊戯用器具の修理,浴槽類の修理又は保守,洗浄機能付き便座の修理,被服のプレス,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,道路の清掃,貯蔵槽類の清掃,電話機の消毒」,第42類「建築物の設計,測量,電子計算機の貸与」及び第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」を指定商品として,同20年11月21日に設定登録されたものである。
なお,本件審判の請求の登録日は,平成29年7月12日である。
請求人は,結論同旨の審決を求め,審判請求書及び弁駁書において,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
本件商標は,その指定役務中,第36類「全指定役務」,第43類「全指定役務」(以下,「取消請求役務」という。)について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により,その登録は取り消されるべきものである。
(1)被請求人が提出した乙第1号証ないし乙第3号証について
ア 本件商標が本件ホテルの広告に使用されていると被請求人が主張する乙第1号証に関し,当該乙第1号証に記載されている一連に表示され一つの商標と認識され得る「カフー リゾートフチャク コンド・ホテル」の「コンド・ホテル」は,本件商標の社会通念上同一の商標の使用とはいえない。
また,そこに記載されている「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」が,被請求人が本件商標の通常使用権者とする「大成建設株式会社」(東京都新宿区西新宿一丁目25番1号。以下「大成建設」という。)の商標使用に係るものであることが乙第1号証からは認識することができない。
イ 次に,被請求人が平成29年8月29日現在において本件商標が使用されていると主張する乙第2号証の登記情報・建物の名称「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル ホテル棟」は,登記であって,商標の使用ではない。
ウ また,乙第3号証の事業承継契約書はほとんどの条項がマスキングされており,第14条の「コンド・ホテルズ」使用許諾条項についての許諾期間,使用態様等の附帯条項の有無が不明で,現在でも大成建設が上記使用許諾を受けている状態なのか明確でない。
(2)乙第1号証や甲第3号証のウェブページ等の広告媒体等に記載されているホテル名「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」は,本件商標に係る使用ではなく,甲第4号証の登録第5247446号商標「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」(以下「甲4商標」という。)の使用に係るものである。
なお,ウェブページ等の広告媒体に記載されているホテル名「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」の全てが甲4商標の権利者又は使用権者の商標使用に係るものではないが,少なくとも,甲4商標の権利者又は使用権者の商標使用に係るホテル名「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」は本件商標に係る使用ではない。
ア すなわち,甲第5号証の平成21年2月25日付日本経済新聞九州・沖縄版に示されるとおり,当時,被請求人はコンドミニアムホテル(分譲型ホテル)「フチャクリゾート沖縄コンド・ホテルズ」の開発を進めていたが,経営破綻し,大成建設が当該開発事業を継承し,このホテルの運営をカトープレジャーグループ(KPG)の子会社である「株式会社KPG HOTEL&RESORT」(長崎県長崎市伊王島町一丁目甲3277番地7。以下「KPG HOTEL&RESORT」という。)に委託し,他方,当該ホテルの各部屋については,大成建設が売主となり販売代理店を通じて販売し,現在は完売している。
イ また,大成建設は,事業承継後,当該ホテルの名称を「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」と改名するとともに,商標「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」を,当該ホテルの開業迄に設定登録されるように,平成21年2月16日付で第36類「建物の売買」と第43類「宿泊施設の提供」を指定役務として出願するとともに,同年3月5日付で早期審査を申請し(甲6),当該ホテルの開業日である同年7月17日(甲7)以前の同月10日に設定登録を受け(甲8),以降,この登録商標「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」(甲4商標)を,当該ホテルに関するウェブページ等の広告媒体や取引書類等に使用している。
なお,大成建設は,乙第3号証の平成20年12月25日付事業承継契約書の第14条で本件商標中の「コンド・ホテルズ」の使用許諾を被請求人から受けているが,これは上記商標「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」が商標登録されるまでの本件商標に係る商標権の行使を防止するためのいわば保険として使用許諾を受けたにすぎず,商標「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」が商標登録された以後は大成建設にとっては不要な使用許諾と考えられる。
(3)大成建設は,遅くとも,本件審判の予告登録日である平成29年7月12日(甲9)の約3年9ヵ月前の同25年10月18日以降,当該ホテルに関するウェブページ等の広告媒体や取引書類等に甲4商標を使用していないと推定される。
ア すなわち,上記のとおり,当該ホテルがコンドミニアムホテル(分譲型ホテル)であるため,不在区分所有者が多いところから,当該ホテルの管理については第三者管理方式が採用され,大成建設の子会社である「大成建設ビルマネジメント株式会社」(東京都新宿区西新宿一丁目25番1号。以下「大成建設ビルマネジメント」という。)が,当該ホテル開業日から平成29年3月31日まで,当該ホテルの区分所有者から構成される「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル管理組合」から管理者として管理業務委託され,同年4月1日以降,請求人が当該ホテルの管理者として管理委託されている。
イ 他方,平成25年に当該ホテルの分譲が完了し,大成建設は分譲に際して甲4商標を使用する必要がなくなったことから,「甲4商標の商標権をカフー リゾート フチャク コンド・ホテル管理組合が大成建設から譲り受け,当該管理組合が非法人で当該商標権の権利者になれないため,当該管理組合の指示により,当該ホテルの管理者である大成建設ビルマネジメントが当該商標権の権利者になること」について平成25年9月13日付で,大成建設と当該管理組合と大成建設ビルマネジメントとの間で商標権譲渡契約が締結された(甲10)。
ウ そして,上記商標権譲渡契約に基づき,甲4商標の商標権は,本件審判の予告登録日である平成29年7月12日よりも約3年9ヵ月前の同25年10月18日に大成建設から大成建設ビルマネジメントに移転され,さらに,同29年2月21日に大成建設ビルマネジメントから請求人に移転されている(甲8)。
なお,甲4商標については,大成建設及び大成建設ビルマネジメントが少なくとも東京急行電鉄株式会社及びKPG HOTEL&RESORTの2社に対して使用許諾を与えているが,大成建設ビルマネジメント及び請求人は,大成建設に対して,甲4商標の使用許諾を与えていない。
そうとすれば,大成建設は本件審判の予告登録日の約3年9ヵ月前に甲4商標の使用権限を失い,遅くとも,当該時点以降,甲4商標を,当該ホテルに関するウェブページ等の広告媒体や取引書類等に使用していないと十分推定されるものである。
(4)以上のとおり,乙第1号証のウェブページ等の広告媒体等に記載されているホテル名「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」は,甲4商標を使用したものであって,本件商標の使用に係るものではなく,また,大成建設は,遅くとも,平成25年10月18日以降,当該ホテルに関するウェブページ等の広告媒体等に甲4商標を使用していないものである。
さらに,答弁書の主張及び乙第1号証ないし乙第3号証については,前記(1)アないしウの項に記載したような不明点や誤った判断等を有するものであるから,乙第1号証及び乙第2号証に記載されている「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」の「コンド・ホテル」が,本件審判の予告登録日の3年以内における本件商標の通常使用権者による本件商標の使用ではないことは明白である。
したがって,本件商標は,本件審判の予告登録日前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれにも第36類及び第43類の全指定役務のいずれかについて使用された事実はない。
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,と答弁し,答弁書において,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
被請求人は,本件商標の使用を第三者に許諾し,当該第三者が,本件商標の指定役務たる宿泊施設(ホテル)を提供するにあたって,本件商標とほぼ同一の標章を使用しているから,商標法第50条第1項に基づく取消要件を満たさない。
本件商標は,沖縄県国頭郡恩納村字冨着246番地1に所在する「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」(以下「本件ホテル」という。)というホテルの名称の一部であるところ,平成29年8月29日現在においても本件商標は本件ホテルの広告に使用されている(乙1,乙2)。
したがって,本件商標は日本国内において3年以内に使用されている。
(1)本件商標は,本件ホテルを含む「フクチャリゾート沖縄コンド・ホテルズ」に関する事業(以下「本件事業」という。)を被請求人が行うに際し,平成19年6月11日に商標登録の出願をし,同20年11月21日に登録をしたものである(甲1)。
(2)平成20年12月25日,被請求人は,本件ホテルの建設会社である大成建設に対し,本件事業を譲渡するとともに,大成建設に対して本件商標の使用許諾をする旨の契約を締結した(以下「本件事業譲渡契約」という。事業承継契約書第14条:乙3)。
(3)この結果,大成建設は,平成21年以降,本件ホテルの名称の一部に,本件商標を使用することとなった(乙1,乙2)。
(4)以上のとおり,本件商標は,平成21年以降から現在まで,指定役務(ホテル事業)について,通常使用権者により使用されているから,商標法第50条第1項の要件を満たさない。
(1)乙第1号証について
乙第1号証は,「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」のウェブサイトである。
このウェブページの1頁目には,上半分において,「大人の沖縄は空にある/BE ACTIVE/TO BE SPECIAL」の文字が三段に表示され,その下には,「Kafuu Resort Fuchaku/CONDO HOTEL」の文字が二段で表示がされている。
また,その3頁目には,下半分において,「Kafuu Resort Fuchaku/CONDO HOTEL」の文字が二段で表示され,その下には,「【カフー リゾート フチャク コンド・ホテル】」,「〒904−0413 沖縄県国頭郡恩納村字冨着志利福地原246−1 TEL.098−964−7000 FAX.098−964−7700」,及び「Copyright(c)2017 カトープレジャーグループ All Rights Reserved」の文字が表示がされている。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は,「不動産登記簿」の「2017/08/29」の登記情報である。
これには,「専有部分の家屋番号」のほか,「所在」の項目に「国頭郡恩納村字冨着246番地1」の記載,「表題部(一棟の建物の表示)」においては,「建物の名称」の項目に「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル ホテル棟」及び「原因及びその日付(登記の日付)」の項目に「(平成21年7月2日)」の記載がある。
そして,「表題部(敷地権の表示)」においては,「敷地権の種類」の項目に「所有権」,「敷地権の割合」の項目に「1843919分の2094」,「原因及びその日付(登記の日付)」の項目に「平成21年6月22日敷地権(平成21年7月2日)」,及び「所有者」の項目に「東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成建設株式会社」の記載がある。
また,2頁目には,「権利部(甲区)(所有権に関する事項)」の欄があって,それには,「登記の目的」の項に「所有権保存」,「受付年月日・受付番号」の項に「平成27年10月27日/第11338号」,「権利者その他の事項」の項に「原因 平成27年10月27日売買/所有者 長崎県長崎市伊王島町一丁目甲3277番地7 株式会社KPG HOTEL&RESORT」の記載がある。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は,「株式会社ゼファー」を「甲」とし,「大成建設」を「乙」とする2008年(平成20年)12月25日付けの「事業承継契約書」である。
この契約書の第1条には,「本契約は,甲が開発許認可上【・・・】の事業者の地位を有している『フチャクリゾート沖縄コンド・ホテルズ』に関する事業(以下『本件事業』という。)の事業者の地位,および末尾1記載の譲渡財産(以下,単に『譲渡財産』という。)を,あわせて甲から乙に譲渡し,乙がこれを譲り受けること(以下,本件事業の事業主の地位,および譲渡財産の甲による譲渡・乙による譲受を『本件事業承継』という。)に関する事項(承継方法・対価等)を明記することを目的とする。」の記載がある。
第14条には,「甲は,乙がホテル運営にあたり,本件事業に限り無償にて甲が商標権を有する『コンド・ホテルズ』の名称を使用することを承認する。」の記載がある。
(4)甲第5号証について
甲第5号証は,平成21年2月25日付の日本経済新聞であるところ,「KPG,運営受託」の見出しの下,「レジャー施設運営のカトープレジャーグループ(KPG,・・・)は恩納村で建設中の大型リゾートホテルの運営を決めた。」及び「同ホテルは,新興デベロッパーのゼファーが『フチャクリゾート沖縄コンド・ホテルズ』の名称で開発を進めてきたが,同社の経営破綻で昨夏に工事が中断。今年に入り大成建設が事業を継承し,工事が再開。大成がKPGに運営を委託した。七月に一部開業し,来年三月から本格営業を開始する。運営は,KPG子会社のKPG HOTEL&RESORT(福岡市,・・・)が担当する。」の記載がある。
(5)甲第10号証について
甲第10号証は,「大成建設」を「甲」とし,「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル管理組合」を「乙」とし,「大成建設ビルマネジメント」を「丙」とする,2013年(平成25年)9月13日付けで締結された「商標権譲渡契約書」(写し)であるところ,「本権利の表示」には,「商標登録:第5247446号/登録日:平成21年7月10日/商標:カフー リゾート フチャク コンド・ホテル(標準文字)/役務の区分:第36類 建物の売買,第43類 宿泊施設の提供/商標権者:甲」の記載があり,「経緯」には,「甲の『カフー リゾート フチャク コンド・ホテル』(以下,『本ホテル』という。)に関する分譲の完了につき,乙へ本権利の譲渡を相談したところ,乙が法人格を有せず,乙名義による本権利の商標登録ができないため,甲,乙及び丙は,本契約を締結することにより,(1)本権利を乙が甲から譲り受けること,(2)乙の指示に基づき,乙との間で本ホテルの管理業務委託契約を締結している丙が,丙名義にて本権利の商標登録を行うこと,につき合意することとなった。」の記載がある。
乙第1号証は,「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」のウェブサイトであるところ,この1頁目には,「Kafuu Resort Fuchaku/CONDO HOTEL」の文字が表示されており,また,その3頁目にも,「Kafuu Resort Fuchaku/CONDO HOTEL」及び「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」の文字が表示がされている。そして,このウェブページは,「Copyright(c)2017 カトープレジャーグループ All Rights Reserved」の記載から,「カトープレジャーグループ」によって2017年に作成されたものと推認できる。
乙第2号証,乙第3号証及び甲第5号証によれば,平成20年頃,被請求人は,大型リゾートホテルの「フチャクリゾート沖縄コンド・ホテルズ」の開発を進めていたが,経営破綻したため,大成建設がその開発事業を継承し,このホテルの運営をカトープレジャーグループ(KPG)の子会社である「KPG HOTEL&RESORT」に委託した。
そして,甲第10号証によれば,大成建設は,本件商標とは別の甲4商標「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」に係る商標権を「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル管理組合」に譲渡するに際し,当該管理組合が非法人でその商標権の権利者になれないため,当該管理組合と管理業務委託契約を締結している大成建設ビルマネジメントが当該商標権の権利者になることについて,平成25年9月13日付で,大成建設と当該管理組合と大成建設ビルマネジメントとの間で,商標権譲渡契約が締結された。
なお,被請求人から提出された証拠において,その他,本件商標の使用に係る事実は見あたらない。
被請求人は,「日本国内における3年以内の使用の事実」として,「本件商標は,『カフー リゾート フチャク コンド・ホテル』というホテルの名称の一部であるところ,平成29年8月29日現在においても本件商標は本件ホテルの広告に使用されている(乙1,乙2)。」及び「商標権者等による本件商標の使用」として,「そもそも,本件商標は,本件ホテルを含む『フクチャリゾート沖縄コンド・ホテルズ』に関する事業を被請求人が行うに際し,商標登録の出願をし,登録をしたものである(甲1)。平成20年12月25日,被請求人は,本件ホテルの建設会社である大成建設に対し,本件事業を譲渡するとともに,大成建設に対して本件商標の使用許諾をする旨の契約を締結した(乙3)。この結果,大成建設は,平成21年以降,本件ホテルの名称の一部に,本件商標を使用することとなった(乙1,乙2)。」旨を述べ,本件商標は,平成21年以降から現在まで,指定役務(ホテル事業)について,通常使用権者により使用されている,と主張しているものである。
しかしながら,上記主張については,以下のとおりである。
(1)商標の使用者について
乙第3号証の「事業承継契約書」において,第1条には,「フチャクリゾート沖縄コンド・ホテルズ」に関する本件事業の事業者の地位,及び「譲渡財産」を,あわせて甲から乙に譲渡し,乙がこれを譲り受けること(本件事業承継)に関する事項を明記することを目的とする,とされており,かつ,第14条には,「甲は,乙がホテル運営にあたり,本件事業に限り無償にて甲が商標権を有する『コンド・ホテルズ』の名称を使用することを承認する。」の記載があることから,大成建設は,被請求人から「コンド・ホテルズ」の名称の使用を認められたものといえる。
しかしながら,被請求人が本件商標を使用しているとするウェブサイト(乙1)の作成者は,「カトープレジャーグループ」であって,2017年(平成29年)に作成されたものと推認できる。
(2)使用商標が本件商標と社会通念上同一の商標であるかについて
乙第1号証のウェブページにおいて使用されている商標は,「Kafuu Resort Fuchaku/CONDO HOTEL」及び「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」の文字からなるもの(以下「使用商標」という。)であるところ,これが甲4商標の使用であるといい得るとしても,本件商標は,「Condo Hotels」の欧文字及び「コンド・ホテルズ」の片仮名を上下2段に横書きしてなる構成である。
そうすると,使用商標中に「CONDO HOTEL」及び「コンド・ホテル」の文字が含まれているとしても,本件商標とは語頭からの「Kafuu Resort Fuchaku」及び「カフー リゾート フチャク」の文字,及び語尾における「s」及び「ズ」の文字の有無において相違するものであるから,その構成文字が大きく相違するものであって,書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標ということはできないから,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標とはいえないものである。
(3)まとめ
上記(1)及び(2)によれば,使用商標の使用者は「カトープレジャーグループ」であって,大成建設ということはできないものであって,かつ,使用商標は,いずれも,本件商標とは相違するものであって,社会通念上同一の商標ということもできない。
その他,商標権者(被請求人)が,本件商標に係る取消請求役務について,本件商標を使用したことを認めるに足りる証拠の提出はない。
してみれば,商標の使用時期等に言及するまでもなく,商標権者及び使用権者が,本件商標に係る取消請求役務について,本件商標又はこれと社会通念上同一の商標を使用したものと認めることはできない。
以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,その請求に係る指定役務について,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,本件商標又はこれと社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。
また,被請求人は,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,その指定役務中「結論掲記の指定役務」についての登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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