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Trademark Appeal Case

要部抽出と軽微な差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2018−900003(T2018−900003/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5987334号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5987334号商標(以下「本件商標」という。)は、「香り de まじっく」の文字を標準文字で表してなり、平成29年3月10日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料,薫料,口臭用消臭剤,動物用防臭剤」及び第5類「薬剤,織物用消臭剤,織物用防臭剤,室内装飾品用防臭剤,カーペット用防臭剤,空気清浄剤,室内用防臭剤,室内用消臭剤,失禁用吸収パッド,失禁用吸収パッドを備えたショーツ及びパンツ,失禁用吸収パッドを備えた下着,失禁用吸収パッドを備えたおしめ」を指定商品として、同年10月13日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録第5793819号商標(以下「引用商標」という。)は、「香りマジック」の文字を標準文字で表してなり、平成27年4月7日に登録出願、第3類「せっけん類,香料,薫料,化粧品,歯磨き,つけづめ,つけまつ毛,口臭用消臭剤,動物用防臭剤」を指定商品として、同年9月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標について、その指定商品中の第3類「せっけん類,化粧品」については商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 本件商標について

本件商標は、前記第1のとおり、漢字及び平仮名の「香り」と平仮名の「まじっく」とでなり、これらの間にローマ字2字の「de」を介する横書きの商標である。

2 引用商標について

引用商標は、前記第2のとおり、漢字及び平仮名の「香り」と片仮名の「マジック」とを標準文字で横書きする商標である。

3 本件商標と引用商標との対比

(1)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とについて

本件商標と引用商標とは、いずれもその指定商品中に第3類「せっけん類,化粧品」を含むものである。

(2)本件商標と引用商標との構成態様について

ア 本件商標は、「香り」と「まじっく」とでなり、これらの間にローマ字2字の「de」を介する横書きの商標であり、引用商標は、「香り」と「マジック」とでなる横書きの商標であるから、両商標は、その構成中、「香り」の文字を同一とし、「まじっく」の文字と「マジック」の文字とについても、平仮名と片仮名という表記の差異はあるものの、称呼及び観念を共通にする実質的に同一とするものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、ローマ字2字の「de」の有無という点でのみ異なる。

イ 本件商標と引用商標とにおいて共通する「香り」及び「まじっく(マジック)」の各文字についてみると、広辞苑によれば、前者は、「よいにおい。香。つややかな美しさ。芸術品などの、何となく感じられるよい感じ。」等とされ(甲3)、後者は、「【magic】魔法。魔術。魔力。手品。奇術。魔力のあるさま。マジック−インキの略。マジック−ナンバーの略。」等とされる(甲4)ものであって、いずれもなじみ深く、容易にその意味合いを想起することができる言葉である。

他方、本件商標の構成中の「de」の文字は、特定の意味合いが想起されるものではない。

そうすると、本件商標と引用商標とにおいて共通する「香り」及び「まじっく(マジック)」の各文字は、需要者等にとって、両商標のイメージを記憶させる重要な部分であるのに対し、差異点である「de」の印象は薄く、商標全体に与える影響は小さい。

また、本件商標と引用商標とは、その構成中の「まじっく(マジック)」の文字をそのイメージの中心とし、「香り」の文字を「まじっく(マジック)」の文字の前に配することにより、「香り」を特徴とする「まじっく(マジック)」、すなわち、「香りのマジック」、「香りによるマジック」といった一連の独創的な観念を生じさせる商標である。

したがって、本件商標と引用商標とは、いずれも「香り」と「まじっく(マジック)」という独創的な言葉の組合せからなるという点が強く支配的な印象を与えるものであるから、実質的に同一の商標として認識される。

(3)本件商標と引用商標との類否について

ア 称呼における類似性

(ア)本件商標は、上述のとおり、「香り」と「まじっく」との間にローマ字2字の「de」を介する横書きの商標であるところ、人が文章を読む際には、意味合いを理解しやすい部分を優先的に認識するのが通常の反応であるから、本件商標に接する需要者等も、まず、意味合いを容易に理解できる「香り」と「まじっく」とを認識する。

したがって、本件商標は第1に「カオリマジック」の称呼を生じるところ、引用商標は「カオリマジック」の称呼を生じるから、両商標は、称呼を同一とするものである。

(イ)本件商標は第2に、その構成中の「de」を「デ」と発音した場合に、「カオリデマジック」という称呼が生じるところ、これを引用商標から生じる「カオリマジック」の称呼と比較すると、8音という全構成音中の約9割に当たる7音を共通にするものであり、中間における「デ」の音の有無という点で異なるものの、その差異は、聞き取りにくい中間の1音にすぎない。

したがって、上記「カオリデマジック」の称呼と「カオリマジック」の称呼とを一連に称呼した場合、両称呼が互いに聴き誤るほど紛らわしいことは明らかである。

(ウ)そもそも、本件商標と引用商標とは、その構成中の「まじっく(マジック)」の文字をそのイメージの中心とする商標であって、前半に「香り」の文字を配し、「まじっく(マジック)」の文字を修飾する(「香り」を特徴とする「まじっく(マジック)」であるとする)点では、「カオリマジック」と「カオリデマジック」とは同一である。

(エ)本件商標と引用商標とに接する需要者等は、称呼上、聞き取りにくい中間部における「デ」の音の有無という些末な差異のみで、「カオリデマジック」の称呼と「カオリマジック」の称呼とを聴別することはできず、また、両商標の共通部分である「香り」及び「まじっく(マジック)」の各文字は、需要者等にとって、両商標のイメージを記憶させる重要な部分であるのに対し、差異点である「de」の印象は薄く、商標全体に与える影響は小さい。

したがって、本件商標から生じる称呼は、引用商標から生じる称呼と相紛らわしく、互いに聴き誤るおそれがあるから、両商標は、称呼上、類似する。

イ 観念における類似性

(ア)本件商標の構成中、「香り」及び「まじっく」の各文字は、上述のとおり、容易に意味合いを想起することができるが、ローマ字2字の「de」は、特定の意味合いが観念されるものではないため、本件商標は、その構成中の「香り」及び「まじっく」の各文字から「香りのマジック」、「香りによるマジック」という独創的な観念を生じる一方、引用商標は、その構成中の「香り」及び「マジック」の各文字から「香りのマジック」、「香りによるマジック」の観念を生じることから、両商標から生じる観念は、同一である。

(イ)本件商標と引用商標とは、「まじっく(マジック)」の文字をそのイメージの中心とし、「香り」の文字を「まじっく(マジック)」の文字の前に配することにより、「香り」を特徴とする「まじっく(マジック)」、すなわち、「香りのマジック」、「香りによるマジック」といった一連の独創的な観念を生じるものである。

そして、本件商標と引用商標とにおいて共通する「香り」及び「まじっく(マジック)」の各文字は、需要者等にとって、両商標のイメージを記憶させる重要な部分であるのに対し、差異点である「de」の印象は薄く、商標全体に与える影響は小さい。

したがって、本件商標と引用商標とは、観念上、同一の商標である。

ウ まとめ

上記ア及びイのとおり、本件商標と引用商標とは、称呼において類似し、観念において同一であるから、類似する商標である。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は、前記第1のとおり、「香り de まじっく」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「香り」、「de」及び「まじっく」の各文字の間に1文字分の間隙が存するものの、同じ書体及び大きさをもって表されており、視覚上、その構成全体をもって、まとまりある一体的なものとして看取、把握されるといえ、そのうちのいずれかの文字のみが強く印象付けられることはないとみるのが相当である。

また、本件商標の構成全体から生じる「カオリデマジック」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。

さらに、本件商標は、その構成中、「香り」の文字が「よいにおい」等を意味する語であり、「まじっく」の文字が外来語の「マジック」に通ずるものとして理解される場合があるとしても、「de」の文字が特定の意味合いを想起させるとまではいい難いことから、その構成全体をもって特定の観念を生じるものとはいえない。

そうすると、本件商標は、その構成全体が一体不可分のものとして認識されるものであり、「カオリデマジック」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものというべきである。

なお、請求人は、本件商標について、その構成中の「香り」及び「まじっく」の各文字が特定の意味合いを想起させるものである一方、「de」の文字は特定の意味合いを想起させないものであることをもって、前者が需要者等に強く印象付けられるとし、本件商標からは第1に「カオリマジック」の称呼を生じ、「香りのマジック」、「香りによるマジック」といった一連の独創的な観念を生じる旨主張するが、本件商標は、上記のとおり、その構成全体が一体不可分のものとして認識されるものであり、その構成態様により、「カオリデマジック」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものであるから、その主張を採用することはできない。

(2)引用商標

引用商標は、前記第2のとおり、「香りマジック」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「よいにおい」等を意味する「香り」の語と「魔法」等を意味する「マジック」の語とを組み合わせてなるものと看取、把握されるものであり、その構成全体から「カオリマジック」の称呼を生じるものである。

また、引用商標は、上記のとおり、特定の意味を有する既成の語の組合せからなるものであるから、その組合せに相応して、「よいにおいの魔法」といった意味合いを想起させる場合があるといえる。

そうすると、引用商標は、「ニオイマジック」の称呼を生じ、「よいにおいの魔法」といった観念を生じるものである。

(3)本件商標と引用商標との比較

本件商標と引用商標とは、それぞれ、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであり、「de」の文字の有無という明らかな差異があるほか、「まじっく」と「マジック」との文字種の違いもあることから、外観上、相紛れるおそれはない。

また、本件商標から生じる「カオリデマジック」の称呼と引用商標から生じる「カオリマジック」の称呼とを比較すると、両称呼は、「カオリ」の音と「マジック」の音との間に「デ」の音が存するか否かの差異があるところ、当該「デ」の音は、有声の破裂音であって、響きの強い音であり、その位置するところが称呼全体の中間であるとしても、明瞭に聴取されるというのが相当であるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼しても、語感、語調が相違し、互いに聴き誤るおそれはなく、両商標は、称呼上、相紛れるおそれはない。

さらに、本件商標は特定の観念を生じないものである一方、引用商標は「よいにおいの魔法」といった観念を生じるものであるから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはない。

(4)小括

上記(1)ないし(3)によれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれによっても相紛れるおそれはないから、非類似の商標というべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 むすび

以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、本件登録異議の申立てに係る第3類「せっけん類,化粧品」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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