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Trademark Appeal Case

記号と脳図形による外観類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2017−900392(T2017−900392/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5985721号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5985721号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成29年3月23日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同年9月15日に登録査定、同年10月6日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録第5987738号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成29年3月1日に登録出願、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として、同年10月13日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第8条第1項に該当するため、その登録は、同法第43条の2第1号に基づき、取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第15号証(枝番号を含む。)を提出した。

2 申立ての理由

(1)本件商標と引用商標は、両商標の基本的構成態様における人の横顔を含む頭部を太線でシルエット化した図形を有する点、その頭部内方に脳の外形図柄を有する点及び脳の図柄内部に記号を有する点において、その構成の軌を一にするものであり、両者はいずれも、「人の横顔を含む頭部のシルエット図形、頭部内に脳の図柄及び脳の図柄内部に記号を配置した構図」として需要者(特に中高年者層)の記憶に強く印象づけられるものといえるため、外観上類似する。また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、互いに同一又は類似するものである。

(2)さらに、本件商標の登録査定時において、引用商標が申立人の業務に係る商品「薬剤」を表示する商標として我が国の取引者・需要者の間で広く知られていた事実、オンジ製剤のパッケージにおいて、「人の横顔を含む頭部のシルエット図形及び頭部内に脳の図柄を配置し、さらに脳図形の内部に記号(符号)を有する構図」からなる図形を有するのは、申立人の商品と本件商標権者の商品のみである事実を踏まえて、これらの事情を総合的に勘案すれば、本件商標と引用商標を同一又は類似の商品に使用した場合、需要者が商品の出所において混同を生ずるおそれがあるというべきである。

(3)したがって、本件商標は、引用商標に類似する商標であり、商標法第8条第1項に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断

1 商標法第8条第1項該当性について

(1)本件商標について

本件商標は、別掲1のとおり、左向きの頭部の輪郭を黒色の太線で描き、その内側に、外側の頭部の輪郭に比べてやや細い線で脳を表す輪郭図形を配し、さらに、当該脳の輪郭図形に重ねるように大きく太く表した疑問符「?」を配した構成からなるものであり、全体として、一般に親しまれた事物を表したものということはできないから、これより、特定の称呼及び観念は生じないものである。

(2)引用商標について

引用商標は、別掲2のとおり、青色の長方形を背景にして、左向きの頭部の輪郭を黒色の太線で描き、その内側を白抜きにして、背景と同じ色の脳を表すシルエット図形を配し、さらに、当該脳のシルエット図形の中心部に、白抜きで感嘆符「!」を配した構成からなるものであり、全体として、一般に親しまれた事物を表したものということはできないから、これより、特定の称呼及び観念は生じないものである。

(3)本件商標と引用商標の類否

本件商標と引用商標とを比較してみるに、黒色の太線で描いた左向きの頭部の輪郭の内側に脳を表す図形を有する構成からなる点を共通にするものの、本件商標は、疑問符「?」を顕著に表してなるものであるのに対して、引用商標は、感嘆符「!」を顕著に表してなるものである点で相違し、これら疑問符「?」及び感嘆符「!」が、前者が疑問を、後者が感嘆を表す異なる意味を有する符号として、いずれも親しまれ使用されているものであることからすれば、本件商標と引用商標に接する看者がそれぞれから受ける印象は異なるものといわざるを得ない。

また、本件商標は、脳を表す図形の輪郭が線で描かれているのに対し、引用商標は、脳を表す図形が青色のシルエットからなる点及び当該シルエット図形と同色の背景を有する点において顕著な差異を有するものである。

してみると、本件商標と引用商標とは、全体から受ける印象が著しく異なり、両商標を対比観察した場合はもとより、時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上、相紛れることなく別異のものとして認識し、把握されるというべきである。

よって、本件商標と引用商標とは、いずれも称呼及び観念が生じないものであるから、称呼及び観念においては比較することができないものの、外観においては、明確に区別できるものであるから、これらを総合的に考察すれば、両者は、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。

(4)小括

以上のとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標であるから、商標法第8条第1項に該当しないものである。

2 申立人の主張

申立人は、「本件商標の登録査定時おいて、引用商標が申立人の業務に係る商品『薬剤』を表示する商標として我が国の取引者・需要者の間で広く知られていた事実、オンジ製剤のパッケージにおいて、『人の横顔を含む頭部のシルエット図形及び頭部内に脳の図柄を配置し、さらに脳図形の内部に記号(符号)を有する構図』からなる図形を有するのは申立人の商品と本件商標権者の商品のみである事実を踏まえて、これらの事情を総合的に勘案すれば、本件商標と引用商標を同一又は類似の商品に使用した場合、需要者が商品の出所において混同を生ずるおそれがあるというべきである。」と主張し、証拠(甲2〜甲14)を提出している。

しかしながら、請求人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標と引用商標とが出所の混同を生じるおそれがあるものとみるべき取引の実情は見いだせない。

したがって、上記請求人の主張は、採用することができない。

3 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第8条第1項の規定に違反してされたものではないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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