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Trademark Appeal Case

「サポーター」の識別力と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2017−900352(T2017−900352/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5976921号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5976921号商標(以下「本件商標」という。)は,「もちかたサポーター」の文字を標準文字で表してなり,平成29年3月7日に登録出願,同年7月20日に登録査定,第16類「文房具類」を指定商品として,同年9月1日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由として引用する登録第4375407号商標(以下「引用商標」という。)は,「もちかた」の平仮名を標準文字で表してなり,平成9年10月16日に登録出願,第16類「紙類,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。),事務用又は家庭用ののり及び接着剤」を指定商品として,同12年4月14日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)本件商標と引用商標の指定商品について

本件商標と引用商標の指定商品は,上記1及び2のとおり,「文房具類」について同一である。

(2)本件商標について

本件商標は,平仮名の「もちかた」と片仮名の「サポーター」とを単に結合した態様になるものである。本件商標中,前半部分の「もちかた」より「持つ方法」との観念が生じる。

これに対し,「サポーター」の語は,英語の「supporter」に由来する外来語であって,「ゴムを織り込んだ布製の包帯」や「支持者,後援者」との意味を有することは良く知られたところである。転じて,近年では幅広い産業界において,補助したり,支援したりする機能を有する商品・役務に幅広く採択され使用されている語であり,単に商品の品質や機能を表わす語にすぎず,自他商品識別力に乏しいことから,本件商標の要部が「もちかた」部分にあることは明らかである。よって,本件商標からはこの要部「もちかた」に対応した「持つ方法」という観念が生じる。

次に称呼についてみると,本件商標の要部は「もちかた」であるから,本件商標からは「モチカタサポーター」なる称呼のみならず,「モチカタ」なる称呼をも生じる。

(3)審決例について

本件商標中,「サポーター」の語が識別力に欠けるため,本件商標の要部は「もちかた」にあるとの主張を裏付ける審決例がある。すなわち,本件商標中の「サポーター」の関連語である「support」や「サポート」の語は商品の品質や機能等を表示するにすぎないとして顕著性なしと判断された。

(4)本件商標と引用商標との対比について

引用商標は,「もちかた」の平仮名を横書きしてなるところ,その構成に相応して「モチカタ」の称呼を生じ,「持つ方法」との観念が生じる。

本件商標は,上記(1)のとおり,強く支配的な部分である,前半部分の「もちかた」のみを分離,抽出して,本件商標の要部と見ることは極めて自然であるから,この部分と引用商標「もちかた」とは称呼,外観,観念上同一であるので,両商標は類似する。

(5)本件商標権者の使用例について

本件商標権者のホームページにおいて,本件商標「もちかたサポーター」は,「鉛筆の補助具」に使用されていた(甲3)。「鉛筆の補助具」とは,初めて鉛筆を持つ子供が,指を揃えるだけで正しく鉛筆が握れるように補助する商品であるが,当該ホームページでは,「『くもんこどもえんぴつ』シリーズに,専用えんぴつ補助具が加わりました。」との説明がされていた。

つまり,本件商標権者は,「サポーター」の語を「補助具」の意味合いで使用しており,こうした使用例からも「サポーター」の語は「鉛筆の補助具」について識別力に欠ける語である。

(6)他社の使用例について

他社が,支持具又は補助具の用途をもつ商品に「○○サポーター」を使用している以下の実例がある。

・「お箸のサポーター」お箸の自助具(甲4の1)

・「腹筋サポーター」筋トレ補助具(甲4の2)

・「アジャスター サポーター」自動車の子供用シートベルト(甲4の3)

・「ジュニアクライドサポーター」子供用スキー滑走補助具(甲4の4)

これらはいずれもインターネットで検索した結果発見された資料のごく一部であるが,上記の使用例も,本件商標中,「サポーター」の語は自他商品識別力に乏しいとの異議申立人の主張を裏付けるものである。

(7)結び

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標

本件商標は,「もちかたサポーター」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は,同書,同大,等間隔で,外観上,まとまりよく一体に表されているものである。

そして,本件商標の構成中,「もちかた」の語は,「持つ方法」の意味を有する「持ち方」の語の平仮名表記と看取させるもので,「サポーター」の語は,「支持者。後援者。関節部分などをきつく締めて保護する布製のバンド」等の意味を有するが,当審において職権をもって調査するも,本件商標の指定商品を取り扱う業界において,「もちかた」又は「サポーター」の語が,特定の商品に係る品質等を直接的又は具体的に表示するものとして,取引上普通に使用されていると認めるに足りる事実は発見できず,本件指定商品の取引者・需要者が当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できない。

そうすると,本件商標は,その構成全体をもって特定の意味を有しない一種の造語を表したものとみるのが相当で,その構成中のいずれかの文字部分が,出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合にも,それ以外の部分から出所識別標識として称呼,観念が生じないと認められる場合にも該当しないから,引用商標との類否の判断にあたっては,いずれかの文字部分を要部として抽出するのではなく,その構成全体をもって比較すべきである。

したがって,本件商標は,その構成文字に相応して,「モチカタサポーター」の称呼を生じ,特定の観念を生じない。

イ 引用商標

引用商標は,「もちかた」の平仮名を標準文字で表してなるものであるから,その構成文字に相応して「モチカタ」の称呼を生じ,「持つ方法」の観念を生じるものである。

ウ 本件商標と引用商標との類否

本件商標と引用商標とは,それぞれ上記ア及びイのとおりの構成であって,両商標は,いずれも構成中に「もちかた」の文字を有する点において共通するが,「サポーター」の文字の有無といった顕著な差異を有することからすれば,外観上,容易に区別し得るものといえる。

次に,本件商標から生じる「モチカタサポーター」の称呼と引用商標から生じる「モチカタ」の称呼とを対比すると,両者は,「モチカタ」の音を共通にするが,語尾において「サポーター」の音の有無という顕著な差異を有するから,両称呼は明確に聴別し得るものである。

観念においては,本件商標は,特定の観念を有しないものであるから,本件商標と引用商標とを比較することはできない。

そうすると,本件商標と引用商標とは,観念においては比較することができないとしても,外観及び称呼の点において相紛れるおそれのない,非類似の商標というべきである。

エ 小括

以上のとおり,本件商標と引用商標とは,非類似の商標というべきであるから,その指定商品について比較するまでもなく,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)申立人の主張

申立人は,「support」又は「サポート」の語について商品の品質や機能等を表示するにすぎないと判断した審決例及び他社による「サポーター」の語の使用例を挙げるとともに,「サポーター」の語は,近年では幅広い産業界において,補助したり,支援したりする機能を有する商品・役務に幅広く採択され使用されており,単に商品の品質や機能を表わす語にすぎず,自他商品の識別力に乏しい旨を,本件商標権者による使用例も挙げつつ主張する。

しかしながら,申立人の挙げる審決例や他社の使用例は,本件商標の指定商品との直接的な関連が不明であって,本件商標権者による使用例も一般的な取引の実情を直ちに示すものではなく,本件商標は,上記(1)アのとおり,構成全体をもって引用商標との類否を判断すべきもので,「サポーター」の語から自他商品の識別標識としての称呼及び観念が生じないとまではいえないから,申立人の主張は採用できない。

(3)むすび

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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