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Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−10603(T2017−10603/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「Premiumコットン」の文字を標準文字で表してなり,第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成27年5月13日に登録出願されたものである。

その後,原審における平成28年5月23日付けの手続補正書により,その指定商品は第21類「コットン製パフ,化粧用コットン製パフ,化粧用綿製パフ,顔用の化粧用綿製パフ,綿製の使い捨て化粧用パフ」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由

本願商標は,「Premiumコットン」の文字を表してなるところ,その構成中「Premium」の欧文字が「(同種の他のものより)上等な,上質な,(他より)高価な,高級な」等の意味を有する語であり,一般に普及している。また,「Premium」(プレミアム)の語は,飲食業界,ファッション業界及び化粧品業界において,高級,上質な商品であることを示す示すために使用されている事例が見受けられる。

そして,「コットン」の文字は,「木綿(もめん)。綿布。綿糸。」の意味を有する。

そうすると,本願商標は,全体として「(同種の他のものより)上等(質)なコットン(木綿(もめん))」程度の意味合いを容易に認識し得るものであり,これをその指定商品に使用するときは,取引者,需要者をして,その商品を「(同種の他のものより)上等(質)なコットンを使用した商品」であると認識させるにすぎず,その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審における証拠調べ通知

当審において,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,職権により証拠調べをした結果,別掲1及び2に掲げる事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,その結果を請求人に通知し(平成30年2月8日付け証拠調べ通知書),意見を求めた。

4 職権証拠調べ通知に対する請求人の意見

請求人は,上記3の通知に対して,要旨以下のとおり意見を述べた。

(1)「プレミアムコットン」は,上質,希少なコットンの総称や俗称として定着しておらず,いくつかの企業が恣意的に使用しているにすぎないもので,その使用例も衣類関係や繊維関係の業界における限定的なもので,化粧品業界では使用例は発見できないのだから,商品の品質を直接的に認識することはない。

(2)別掲2(1)の化粧用コットンについて「プレミアムコットン」と商品説明を行う記事は,10年前の古い一例で,「プレミアムコットン」が原材料として採用されていないことを示すものである。別掲2(2)の「コーセー デイリー プレミアム コットン」の事例は,「プレミアム」の語がどの語を修飾するのか不明で,その他の事例も食品や衣類,衣服の繊維といった,本願の指定商品とは関連のない商品の使用例であり,いずれも本願商標の識別力の欠如を示す証拠とはなり得ない。

(3)世界の生産量の3%しかない貴重な綿が,安価で使い捨てられる化粧用パフに用いられることは,経験則上考えられない。

5 当審の判断

(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性

本願商標は,「Premiumコットン」の文字を標準文字で表してなるところ,「Premium」の文字は「〈価格が〉(とても)高い,〈商品が〉(とても)品質のよい」の意味を有する英語の形容詞,「コットン」の語は「木綿」の意味を有する語であり,いずれも我が国で比較的親しまれて用いられている語である(参照:「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店発行;「広辞苑 第6版」岩波書店発行)。

そして,別掲1のとおり,綿製品を取り扱う業界において,例えば「超長綿」(ふつうの綿より1.5倍〜2倍くらい毛足の長い綿),「希少性の高いスーピマ綿,ペルー綿,ギザ綿」,「大事に育てられ摘み取られたペルヴィアンピマ」,「新疆綿(しんきょうめん)」など,上質とされる綿や,生産量の少ない希少な綿が,「プレミアムコットン」と一般に総称されている。

また,別掲2のとおり,上質なコットンである「プレミアムコットン」を原材料として紹介する化粧用コットンやパンツ,シャツなどの綿製品が多数あり,それらの商品紹介記事の中では,例えば「スキンケアの効果を最大限にサポート」,「やわらかな天然綿」,「柔らかいプレミアムコットン」,「最高品質」,「上質な肌ざわり」,「極上のプレミアム綿」などのように,品質の高さを伴う特徴や効能が紹介されている。

そうすると,本願商標は,それぞれの構成文字の語義及び上記のような取引の実情を踏まえると,全体として「上質なコットン(木綿)」程度の意味合いを容易に認識させるものであり,これに接する需要者,取引者は,その指定商品との関係においては,商品の原材料を表したものと容易に理解するというべきである。

そうすると,本願商標は,その指定商品の原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであり,商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は,本願商標の構成中「Premium」の語は,「高級な,優れた」以外にも様々な意味を有することから(甲1),商標全体として一種の造語であると認識されるにすぎないもので,「プレミアムコットン」の使用例も,衣類関係や繊維関係の企業により恣意的に使用されているにすぎないから,本願商標から商品の品質を直接的に認識することはできない旨主張する。

しかしながら,本願商標の構成中「Premium」及び「コットン」の語は,いずれも意味合いの理解が容易な比較的親しまれた語であり,「Premium」の語が多義的な意味を包含するとしても,上記(1)のとおり,「プレミアムコットン」の語が,化粧用コットンを含む綿製品を取り扱う業界において,商品の原材料として,上質なコットンの意味合いで,一般に使用されている取引の実情があることを踏まえると,本願商標は,全体として造語と理解されるのではなく,需要者,取引者をして,「上質なコットン」程度の意味合いが容易に認識,理解されるというべきである。

イ 請求人は,請求人による本願商標を付した化粧用パフは,2016年度に約2億1千万円,5千7百万パッケージの売上があったこともあり(請求人の主張),本願商標は独占適応性がある旨を主張する。

しかしながら,請求人の主張する本願商標の使用実績は具体的に把握し得ないものであり,上記(1)のとおり,現に「プレミアムコットン」の語が,化粧用コットンを含む綿製品を取り扱う業界において,商品の原材料として,取引上一般に使用されている実情もあることを考慮すると,本願商標は商品の原材料を表したものと認識,理解されるというべきである。

ウ 請求人は,世界の生産量の3%しかない貴重な綿が,安価で使い捨てられる化粧用パフに用いられることは,経験則上考えられない旨を主張する。

しかしながら,貴重な綿,例えば超長綿が本願指定商品の原材料として用いられるか否かに関わらず,上記(1)のとおり,本願商標からは「上質なコットン(木綿)」程度の意味合いを容易に認識させるものだから,その主張は採択採用の限りではない。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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