Trademark Appeal Case
役務の質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−9765(T2017−9765/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「頭蓋骨小顔矯正」の文字を標準文字で表してなり、第44類「美容,理容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,骨格矯正」を指定役務として、平成28年3月29日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『頭蓋骨小顔矯正』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『頭蓋骨』の文字は『頭蓋および顔面を形成する骨格の総称。』、『小顔』の文字は『顔が小さいこと。』、『矯正』の文字は『欠点をなおし、正しくすること。』の意味を表す語として、一般に広く使用されているものである。そして、インターネット情報によれば、本願指定役務に係る業界において、頭蓋骨の歪みを整えることにより小顔効果を得るための施術方法が『頭蓋骨小顔矯正』と称されている実情が認められる。そうすると、『頭蓋骨小顔矯正』の文字からなる本願商標全体からは、『頭蓋骨を正しい状態になおし小顔効果を得るための施術』程の意味合いが容易に理解されるというのが相当である。してみれば、本願商標をその指定役務中、例えば『頭蓋骨を正しい状態になおし小顔効果を得るためのマッサージ,頭蓋骨を正しい状態になおし小顔効果を得るための骨格矯正』のように、『頭蓋骨を正しい状態になおし小顔効果を得るための施術』に係る役務に使用しても、これに接する需要者は、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものとして認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識しないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成30年1月31日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
4 証拠調べの結果に対する請求人の意見(要点)
請求人は、上記3の証拠調べ通知に対して、以下のように述べている。
(1)「頭蓋骨を正しい状態になおす」ことによって、その結果として「小顔になる」ことが、科学的、医学的に証明されておらず、景品表示法に違反する行為は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の適用についての証拠とすべきではない。
(2)本願商標は、「頭蓋骨」、「小顔」、「矯正」の語を結合したものであるから、これらの語の結合から直ちに特定の観念が生じることはなく、特定の意味を有しない造語である。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「頭蓋骨小顔矯正」の文字からなるところ、その構成中の「頭蓋骨」の文字は、「頭蓋および顔面を形成する骨格の総称」の意味を、「小顔」の文字は、「顔が小さいこと」の意味を、「矯正」の文字は、「欠点をなおし、正しくすること」の意味をそれぞれ有する語(いずれも、株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)として一般によく知られているものである。
そして、別掲のとおり、本願の指定役務を取り扱う分野において、顔を小さく見えるようにするために頭蓋骨などを矯正することを「頭蓋骨小顔矯正」、「頭蓋骨矯正」又は「小顔矯正」などと称している実情がある。
そうすると、本願商標である「頭蓋骨小顔矯正」の構成文字全体からは、「顔を小さく見えるようにするための頭蓋骨の矯正」程の意味合いを容易に理解させるものである。
してみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「顔を小さく見えるようにするための頭蓋骨の矯正」を内容とする役務であることを表示したものと理解するにとどまり、自他役務の識別標識として認識し得ないものであるから、本願商標は、その役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、当審において行った平成30年1月31日付け証拠調べ通知に対する同30年3月16日受付の意見書において、「『頭蓋骨を正しい状態になおす』ことによって、その結果として『小顔になる』ことが、科学的、医学的に証明されていない。拒絶査定の『頭蓋骨を正しい状態になおし小顔効果を得るための施術』の役務を認める認定は、誤った認定であり、商標法において『保護する役務』と考えることはできないことは明白である。このような景品表示法に違反する行為は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の適用についての証拠とすべきでないことは明白であり、本願商標は、『頭蓋骨』、『小顔』、『矯正』の語を結合したものであるが、これらの語の結合から直ちに特定の観念が生じることはなく、『頭蓋骨小顔矯正』は、特定の意味を有しない造語であると考えるのが相当である。」旨主張している。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定役務の質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、本願商標においては、前記認定のとおり、「顔を小さく見えるようにするための頭蓋骨の矯正」という役務の質(内容)が一般に認識されることをもって足りるというべきであり、「頭蓋骨小顔矯正」、「頭蓋骨矯正」及び「小顔矯正」と称して提供されている役務が、景品表示法に違反しているか否かということは、商標法第3条第1項第3号該当性の判断を左右するものではない。
また、上記(1)のとおり、本願商標は、その構成文字全体から「顔を小さく見えるようにするための頭蓋骨の矯正」程の意味合いを理解させるものとみるのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。