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Trademark Appeal Case

造語の称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2018−900039(T2018−900039/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5997154号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5997154号商標(以下「本件商標」という。)は、「ZOITEC」の欧文字を標準文字で表してなり、平成29年3月23日に登録出願、第9類「電子回路基板,回路基板,集積回路基板,半導体,電子応用機械器具,電子応用機械器具の部品又は付属品,電気通信機械器具,電気通信機械器具の部品又は付属品」、第40類「受託による電子回路基板・回路基板・集積回路基板・半導体の製造,電子回路基板・回路基板・集積回路基板・半導体の組立加工,金属の加工,ゴムの加工,プラスチックの加工,セラミックの加工」及び第42類「受託による電子回路基板・回路基板・集積回路基板・半導体の設計,電子応用機械器具の設計,デザインの考案(広告に関するものを除く。),コンピュータソフトウェアの開発及び試験,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供」を指定商品及び指定役務として、同年10月25日に登録査定、同年11月17日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立てに引用する国際登録第1095452号商標(以下「引用商標」という。)は、「SOITEC」の欧文字を横書きしてなり、2010年12月21日にFranceにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、2011年(平成23年)6月17日に国際商標登録出願、第9類、第11類、第37類、第39類、第40類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成25年2月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「全指定商品」、第40類「受託による電子回路基板・回路基板・集積回路基板・半導体の製造,電子回路基板・回路基板・集積回路基板・半導体の組立加工,金属の加工」及び第42類「受託による電子回路基板・回路基板・集積回路基板・半導体の設計,電子応用機械器具の設計,コンピュータソフトウェアの開発及び試験,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計」(以下「申立商品・役務」という。)についての登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。

本件商標と引用商標とは、称呼において相紛らわしく、外観において近似した印象を与え、観念においても区別することができないものである。

また、本件商標に係る申立商品・役務は、引用商標の指定商品及び指定役務の一部と同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によりその登録は取り消されるべきである。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号の該当性について

(1)本件商標

本件商標は、「ZOITEC」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は辞書等に掲載の無い語であって、また、本件商標の指定商品及び指定役務の分野において特定の意味合いを有する語として知られているという事情も見いだせないものであるから、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語を表したものとみるのが相当である。

そして、通常、我が国においては、特定の意味合いを有さない欧文字を称呼するときには、英語読み風又はローマ字読み風に称呼するのが一般的であることからすれば、本件商標からは「ゾイテック」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。

(2)引用商標

引用商標は、「SOITEC」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は辞書等に掲載の無い語であって、また、引用商標の指定商品及び指定役務の分野において特定の意味合いを有する語として知られているという事情も見いだせないものであるから、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語を表したものとみるのが相当である。

そして、通常、我が国においては、特定の意味合いを有さない欧文字を称呼するときには、英語読み風又はローマ字読み風に称呼するのが一般的であることからすれば、引用商標からは「ソイテック」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。

(3)本件商標と引用商標の類否について

本件商標と引用商標の類否について検討すると、両商標は、外観においては、語頭の「Z」及び「S」の文字において相違するところ、これらの文字は異なるアルファベット文字を表したものとして容易に理解できるものであり、かつ、文字商標における語頭部分の文字は、看者が着目しやすく、強く印象付けられるものであるから、その相違が両者の外観全体の印象に与える影響は大きいものというべきであり、両者は外観上、判然と区別できるものというのが相当である。

次に、称呼においては、本件商標から生じる「ゾイテック」の称呼と、引用商標から生じる「ソイテック」の称呼とは、語頭の「ゾ」の音と「ソ」の音に差異を有するところ、該差異音は母音「o」を共通とする「ソ」の濁音と清音という近い音の関係にはあるものの、比較的短い5音(促音含む)からなる称呼のうち、明瞭に発音され、聴覚しやすい語頭に位置する音であるから、この差異が称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず、これらを一連に称呼するときは、全体の語調、語感は異なるものというべきであるから、両者は、称呼上、聴別できるものというのが相当である。

そして、観念においては、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。

そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において異なるものであるから、これらを総合して考察すれば、本件商標と引用商標とは、商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれのない非類似の商標というのが相当であり、他に、両商標が類似するというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 申立人の主張について

申立人は、「本件商標と引用商標は、中間に位置する『テ』の音に促音を伴うことから、それぞれの称呼を全体として称呼するときは、『テッ』の音に力が入るといえるから、語頭の差異音が両称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものということはできない。そうすると、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が極めて近似したものとなり、称呼上互いに紛らわしい商標であるというべきである。」旨、主張している。

しかしながら、本件商標と引用商標の比較においては、それぞれの称呼を一連に称呼する場合に、その構成中に促音を伴うことをもって、いずれかの音に力を入れて発音するものとするべき事情を見いだすことはできず、むしろ、語頭にアクセントを置いて発音するのが自然であって、語頭の差異音が全体の称呼に及ぼす影響は決して少なくないというべきであるから、申立人のかかる主張は採用することができない。

また、申立人は、過去の審決例をあげて、「語頭音がともにサ行で母音を共通とし、濁音の有無のみの差異による商標について、類似と判断された例が存在するから、本件商標と引用商標も、同様に判断されるべきである。」旨、主張している。

しかしながら、本件商標と該審決例は、商標の構成等において相違し、事案を異にするものであるから、同一に論ずることは適切ではなく、また、そもそも商標の類否判断は、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品及び役務における取引の実情等を考慮し、本件の事案に即して本件商標と引用商標とを対比することにより、個別具体的に判断されるべきものであって、過去の審決例の判断に拘束されるものではない。

したがって、この点についての申立人の主張も、採用することができない。

3 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その指定商品及び指定役務中、登録異議の申立てに係る指定商品及び指定役務についての登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その商標登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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