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Trademark Appeal Case

POLO商標の周知性と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第19755号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示するとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,和服,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具を除く),げた,草履類,その他の履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成5年9年7日に商標登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、アメリカ合衆国ニューヨーク州在住の『ザ ポロ ローレン カンパニー』が商品『被服、ネクタイ』等に使用して本願出願時には既に著名となっている商標『ポロプレーヤーの図形』及び『POLO』の文字を有してなるものであるから、このような商標を本願の指定商品に使用するときには、これが恰も上記会社或いはこれと何等かの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

国内及び外国の辞書、事典を調査したところ、全て「POLO」は「スポーツ名」としか記載されていない。アメリカのデザイナー「ラルフ・ローレン」とは記載がない。「POLO」はペルシャで始まりイギリスで発達したスポーツ名に過ぎず、スポーツとして「POLO」を知らない日本人はいない。そのため、「POLO」は「テニス」「ゴルフ」と同様スポーツ名であり、「一般用語」である。

「POLO」又は[POLO RALPH LAUREN」が「ラルフ・ローレン」のものであるとしても、「POLO」との合成語の全ての商標が「ラルフ・ローレン」のものと決めつけるべきではない。

4 当審の判断

(1)「POLO」の周知性について検討する。

(株)講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッテング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。

ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。

そして、(株)洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。

他にこれを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても昭和55年までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需用者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2) 本願商標は、別紙に表示するとおり馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形を、「ASCOTPARK POLO CLUB」の欧文字で円形状に囲ってなるものであるところ、「ASCOT」、「PARK」、「POLO」、「CLUB」の文字がそれぞれ既成の意味を有する語であるから、これら4つの語を結合してなるものであることは明らかであって、「POLO」の文字部分が1つ語に吸収ざれて埋没しているものではなく、かつ、全体として不可分一体の既成の観念を示すものとして一般に広く認識されているものともいい難いものである。そして、「POLO」の文字部分については、ポロ競技(馬に乗ったプレーヤーによる2チームが互いにマレットで1個のボールを奪いあい、ゴールに打ちこむことを競う球技)を、また、中央部分の図形についてはポロ競技のプレーヤーを認識させるものであり、全体として「ポロ」(競技)の観念、「ポロ」の称呼が生ずるものと認められる。

他方、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして周知商標である引用商標は「ポロ」(競技)の観念、「ポロ」の称呼が生ずることは前記したとおりである。

そうすると、本願商標は、その指定商品、とりわけ洋服、コート、靴下、ネクタイ等被服に使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、前記した実情からラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして周知商標である引用商標を連想、想起し、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

請求人は、「POLO」は、国内及び外国の辞書、事典には「スポーツ名」としか記載はなく、アメリカのデザイナー「ラルフ・ローレン」とは記載がないから、本願商標は登録すべきである旨主張するが、かかる主張は、前記認定判断に照らし、失当であり、採用することはできない。

(3)以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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