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Trademark Appeal Case

飲食物提供役務の使用該当性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2017−300509(T2017−300509/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4341469号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4341469号商標(以下「本件商標」という。)は,「三日坊主」の文字を横書きしてなり,平成10年10月14日に登録出願,第42類「飲食物の提供」を指定役務として,同11年12月3日に設定登録されたものである。

そして,本件審判の請求の登録日は,平成29年7月25日である。

第2 請求人の主張

請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を審判請求書及び弁駁書において要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は,その指定役務について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 弁駁の理由

被請求人は,答弁書において,栃木県宇都宮市今泉町237に所在のFKD宇都宮店の「フードコート」において役務「飲食物の提供」を行っており,証拠として乙第1号証,乙第2号証を提出して本件商標を使用していると述べている。

しかしながら,これらは本件商標の使用には該当しないので,以下説明を行う。

最初に,FKD宇都宮店の1階のフロア図(甲2,甲3)と乙第2号証とを見比べてみると,乙第2号証の上側の写真では右手に並ぶ店の中央にKFC(ケンタッキーフライドチキン)があり,フードコートを挟んで左側にもお店があるので,この上側の写真は甲第2号証に示すCエリアの1地点(1は,丸数字。以下同じ。)から矢印方向に撮影したものであることがわかる。

また,乙第2号証の下側の写真では,奥側の左手に「五島手延べうどん」店があり,その右手にマクドナルドがあるので,この下側の写真は甲第2号証に示すCエリアの2地点(2は,丸数字。以下同じ。)から矢印方向に撮影したものであることがわかる。

そうすると,乙第2号証に示されているフードコートは甲第2号証に示すCエリアの上側の1地点,2地点を含む,複数の飲食物提供店舗に挟まれた領域であることがわかる。このことから,フードコートは,それに面した飲食物提供店舗のために設けられた食事を行う場所と考えられる。

被請求人は,被請求人のお総菜の提供がフードコートにおけるセルフサービス方式の「飲食物の提供」に該当すると主張している。

しかし,このフードコートはFKD宇都宮店が運営するものであって,その場所でFKD宇都宮店に来店したお客様が飲食を行うためにFKD宇都宮店が提供したものである。事実,フードコートの中央部分に設けられた柱に垂れ下かっている旗には,甲第4号証の右下に示すマーク「大きな文字でFKDと表記され,その下に小さな文字でFUKUDAYA,さらにその下にSHOPPING PLAZA」という表記が表示されている。

このように,このフードコートはFKD宇都宮店が提供する飲食を行う場所であるので,フードコートで来店者が飲食を行えるようにするというサービスは,FKD宇都宮店を経営する株式会社福田屋百貨店が提供する「飲食を行う場所の提供」という役務であって,被請求人の「飲食物の提供」という役務ではない。

このことは,取消2001−30806の審決において,役務「飲食物の提供」が次のように示されていることからも明らかである。

「『飲食物の提供』の役務には,食堂,レストラン,そば店,うどん店,すし店,喫茶店,料亭,バー,キャバレー,ナイトクラブ,酒場及びビヤホール等が,料理及び飲料を飲食させる役務が含まれるものと解される(特許庁商標課編「商品及び役務区分解説〔国際分類第8版対応〕参照)。(中略)役務『飲食物の提供』。すなわち料理及び飲料を飲食させる役務とは,専ら店内で飲食させることを本質的業務とする上記した食堂,レストラン等の事業所が料理及び飲料を提供するサービス(役務)であるというべきであって,持ち帰りいわゆるテイクアウトを目的とする料理及び飲料を店内で販売しているとしても,それはサービス(役務)の提供といえるものでなく,販売される当該飲食物は『商品』というべきである。」。

したがって,被請求人のFKD宇都宮店における店舗は,飲食物の提供というサービスを行っているのではなく,「商品」であるお総菜を販売している店舗である。

このことは,被請求人の店舗の位置からも明らかである。すなわち,乙第1号証に示された被請求人の店舗は,甲第3号証に示す1階のAエリアの左下に位置しており,フードコートからは相当離れている。それゆえ,被請求人の店舗で購入した商品をこのフードコートで食べることができるとしても,フードコートが被請求人の店舗内であって被請求人がフードコートにおいて飲食物の提供というサービスを行っているとは誰も考えない。

以上より,被請求人は本件商標を「飲食物の提供」には使用をしていないことは明らかである。

第3 被請求人の主張

被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求めると答弁し,その理由を答弁書において要旨以下のように述べ,証拠方法として,乙第1号証及び乙第2号証を提出した。

1 答弁の理由

(1)理由の要約

被請求人は,栃木県宇都宮市のショッピングセンター「福田屋ショッピングプラザ宇都宮店」,以下「FKD宇都宮店」という。)において本件商標を,その指定役務について,本件審判請求の予告登録前3年以内に使用しているので,本件商標の商標登録は取り消されるべきではない。

(2)被請求人の店舗について

被請求人は,平成12年(2000年)11月29日に,和風のお惣菜を中心とした食品を提供する店舗(以下「被請求人店舗」という。)を,栃木県宇都宮市今泉町237に所在のFKD宇都宮店の1階にオープンし,同店舗は平成29年9月1日現在も営業している。

被請求人店舗には本件商標が大きく表示された看板が掲げられている(乙1)。

被請求人店舗と同じフロア(FKD宇都宮店の1階)には,「フードコート」と呼ばれる飲食スペースがあり(乙2),被請求人店舗でお惣菜を購入した顧客は,そのお惣菜をフードコートで食べることができる。

(3)役務「飲食物の提供」についての本件商標の使用について

「フードコート」とは,ショッピングセンター内の飲食店街であり,椅子やテーブルなどが配されており,顧客は各々購入した好きな料理をその配されたテーブルに運んで食べる(平成24年(2012年)11月7日株式会社小学館発行「大辞泉[第2版]」下巻3126頁「フードコート」の項)。

すなわち「フードコート」とはセルフサービス方式の飲食物の提供が行われる場所である。

そして,被請求人店舗で提供しているお惣菜を購入した顧客は,その購入したお惣菜を乙第2号証に見ることのできるFKD宇都宮店のフードコートに運んで食べる場合がある。

つまり,被請求人による被請求人店舗におけるお惣菜の提供は,フードコートにおけるセルフサービス方式の「飲食物の提供」に該当し,被請求人店舗に掲げられている看板に表示された「三日坊主」の文字(乙1)は,本件商標の指定役務「飲食物の提供」についての本件商標の使用に該当するものである。

(4)まとめ

以上のとおり,被請求人は,本件商標を,その指定役務「飲食物の提供」について平成12年(2000年)11月29日から現在に至るまで継続して使用している。すなわち本件商標はその指定役務について本件審判請求の予告登録前3年以内に使用されている。

したがって,本件審判請求によりその商標登録が取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断

1 被請求人及び請求人の提出した証拠及びその主張によれば,次のとおりである。

(1)乙第1号証は,FKD宇都宮店1階にある被請求人の販売場所(店舗)を撮った2枚の写真である。

上段の写真は,正面から撮ったものであり,この販売場所には,「三日坊主」の文字が表示された看板が掲げられており,商品のディスプレイには,お総菜などが写っている。

下段の写真は,斜め方向から撮ったものであり,同販売場所には,2カ所に同じ看板が掲げられているものである。

(2)乙第2号証は,FKD宇都宮店1階にあるフードコートとみられる場所を撮った2枚の写真である。

上段の写真には,並んだ店舗の中に「KFC」の看板やそれらの前に設置されたテーブルや椅子において,多くの客が飲食している風景が写っている。

下段の写真には,並んだ店舗に「五島手延うどん」と「McDonald’s」の看板やそれらの前に設置された丸テーブルや椅子において,多くの客が飲食している風景が写っている。

(3)甲第2号証及び甲第3号証は,FKD宇都宮店1階のフロアマップが表示されたインターネットのウェブページである。

甲第2号証のFKD宇都宮店1階のフロアマップには,「C 婦人服・化粧品,レストランコートエリア」と表示されている。

また,甲第3号証のFKD宇都宮店1階のフロアマップには,「A 食料品エリア」と表示されている。

そして,このエリアの左下の位置に「惣菜」,「漬物・豆腐・練物」等の販売場所があり,その中に,「三日坊主」の店舗表示がある。

2 上記1によれば,以下の事実を認めることができる。

FKD宇都宮店1階にある被請求人の販売場所(店舗)では,「三日坊主」の文字が表示された看板が掲げられており,また,商品のディスプレイには,お総菜などが並んでいることが認められる。

そして,その販売場所は,フロアマップ(甲3)によれば,「A 食料品エリア」に位置するものであるから,レストランコートエリアのある「C 婦人服・化粧品,レストランコートエリア」とは離れた場所にあって,被請求人の販売場所(店舗)は,レストランコートエリアには存在しないものであるから,その場において,飲食物の提供がなされているものではない。

してみれば,被請求人が提出した乙第1号証及び乙第2号証に係る写真の証拠のみによっては,本件商標が要証期間内に,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって,「飲食物の提供」の役務について使用されていた事実を認めることができないものである。

なお,被請求人に平成29年10月14日付け弁駁書副本を送付し,更なる答弁書の提出を求めたが,これについての応答はなかった。

3 まとめ

以上によれば,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定役務「飲食物の提供」について,本件商標を使用していたことを証明したということができない。

また,被請求人は,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

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