Trademark Appeal Case
標語の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−9948(T2017−9948/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「すべてはお客様の「ありがとう!」のために」の文字を標準文字で表してなり,願書に記載のとおりの区分及び役務を指定役務として,平成28年4月1日に登録出願され,その後,指定役務については,原審における同年12月15日受付,当審における同29年7月5日受付及び同年12月25日受付の手続補正書により,第44類に属する別掲1の役務に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『すべてはお客様の「ありがとう!」のために』の文字を標準文字で表してなるところ,これは,『すべてはお客様のありがとうのためにするという主義』ほどの意味合いを理解させるものであり,また,当該文字が,宣伝,広告に広く使用されている実情にあることからすれば,これに接する取引者,需要者は,当該文字が強く印象されて,その指定役務との関係において,『すべてはお客様のありがとうのためにするという主義のもとで提供されるもの(役務)』ほどの意味合いを表したものと理解し,把握するというのが相当である。そうすると,本願商標をその指定役務に使用しても,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨を認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ
本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べを実施した結果,別掲2の事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対し,平成29年11月6日付けで証拠調べの結果を通知し,相当の期間を指定して,意見を述べる機会を与えた。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は,前記1のとおり,「すべてはお客様の「ありがとう!」のために」の文字を標準文字で表してなるものであり,いずれも平易でありふれた文字で構成されているから,文字どおり,「すべてはお客様のありがとうのために」ほどの意味合いを理解させるものである。
そして,別掲2で摘示した事実によれば,本願商標とほぼ同一の構成からなる文字が,様々な業界において,企業の経営理念や目標等を表す標語(キャッチフレーズ,スローガン)として使用されている実情が認められる。 してみれば,本願商標をその指定役務について使用すると,これに接した需要者は,当該役務の提供者の経営理念等をうたった標語の一種として認識,理解するにとどまるものである。また,本願商標は標準文字で表してなるから,その態様上顕著な特徴は認められない。そうすると,本願商標は,役務の出所識別標識としては機能しないというのが相当である。
したがって,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるから,商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張(審判請求書及び証拠調べ通知に対する意見書)について
請求人は,本願商標は,その後に「何をしているのか」という文章が省略された不完全な文章であり,構成各文字の意味合いも具体的ではないことからすると,本願商標が直ちに特定の役務の具体的内容や特徴等を宣伝するためのキャッチフレーズ,あるいは,企業の理念等を表現するためのスローガンとして常に理解,認識されるとは認め難く,また,本願商標がその指定役務の質等を表したキャッチフレーズ,企業の理念等の標語に類するものとして普通に使用されている事実を見いだし得ないことから,本願商標は,自他役務の識別標識としての機能を果たし得る旨主張する。
しかしながら,上記(1)で述べたとおり,本願商標から看取される意味合い,並びに,別掲2で摘示したとおり,本願商標とほぼ同一の構成からなる文字が,様々な業界において,企業の経営理念や目標等を表す標語(キャッチフレーズ,スローガン)として使用されている実情が認められることからすれば,本願商標をその指定役務に使用した場合,これに接する需要者は,これを当該役務の提供者の経営理念等をうたった標語の一種として認識,理解するものであるというのが相当である。
さらに,キャッチフレーズやスローガンは,看者に伝えたい内容を短時間で強い印象として残すべく,より少ない単語で簡潔に表現するよう趣向を凝らす場合が少なくないのであって,文法的に整っている,いないが問題となるものではない。また,企業の経営理念や目標等を表す標語(キャッチフレーズ,スローガン)中に具体的な役務の内容や質を示す単語が存在しなくとも,具体的,抽象的は問わず企業のイメージを向上させることが,結果的にはその取扱いに係る役務に対する信頼感の向上にもつながるということが,もとより企業の経営理念や目標等を表す標語(キャッチフレーズ,スローガン)の意図するところというのが相当である。
したがって,請求人の主張は,採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当するから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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