Trademark Appeal Case
商標の類似性と混同のおそれ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2017−900294(T2017−900294/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5966064号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成28年12月28日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,洗顔料,歯磨き,香料,化粧用コットン」を指定商品として、同29年6月13日に登録査定、同年7月21日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議申立の理由として引用する国際登録第1187327号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2013年2月20日にItalyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2013年(平成25年)8月5日に国際商標登録出願、第3類「Soaps, shaving soaps, after-shave lotions, cosmetic preparations for baths, shampoos, perfumery, eau de toilette, essential oils, aromatics [essential oil], hair lotions, balms other than for medical purposes, dentifrices, cosmetics.」並びに、第8類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第25類、第34類及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成27年11月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第49号証(枝番号を含む。以下、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号違反について
本件商標は、その登録出願日前の出願に係る、申立人の引用商標と類似する商標であり、また本件商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務中、第3類「Soaps, shaving soaps, after-shave lotions, cosmetic preparations for baths, shampoos, perfumery, eau de toilette, essential oils, aromatics [essential oil], hair lotions, balms other than for medical purposes, dentifrices, cosmetics.」とは、互いに類似する商品である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第15号違反について
本件商標は、引用商標と類似する商標である。
また、申立人の略称である「STEFANO RICCI」は、申立人の商品に永年使用された結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知著名であり、引用商標は、その著名な「STEFANO RICCI」を表すシンボルマークであるところ、引用商標が付された申立人の商品に接する需要者は、その商品が申立人のブランドに係る商品であると認識する。
そして、指定商品の需要者の範囲も一致するから、需要者の通常の注意力に鑑みると、本件商標をその指定商品に使用した場合には、申立人の使用する商標を想起、連想し、申立人又はその関連会社が取り扱う商品であると誤認して、商品の出所について混同を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
第4 当審の判断
1 引用商標の周知著名性について
申立人は、申立人の略称である「STEFANO RICCI」は申立人の業務に係る商品(宝飾品、かばん、革製品、香水、洋食器、室内装飾品等)を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において需要者の間で周知著名であり、そして、引用商標は「STEFANO RICCI」の頭文字「S」と「R」を図形化し、「STEFANO RICCI」のシンボルマークを意味する商標であるところ、「STEFANO RICCI」の周知著名性によって、引用商標に接した需要者は「STEFANO RICCI」を当然に想起するから、引用商標についても、わが国の取引者及び需要者の間に広く認識されていると主張し、引用商標の使用に係る証拠として、甲第3号証を提出している。
そして、甲第3号証は、申立人の主張によれば、引用商標の使用写真であるところ、当該写真によれば、引用商標が、紳士服、子供服、食器、スカーフリング、スキーウエア、スキー用ヘルメット等に使用されていることが確認できる。
しかしながら、甲第3号証からは、上記商品に引用商標が付されていることが確認できるとしても、当該商品の販売場所、販売時期、販売数等は具体的に示されていない。
また、その他の提出された証拠は、「STEFANO RICCI」に関するもののみであり、引用商標が使用された商品について、我が国における販売時期(期間)、売上高や市場シェアなどの事業規模、宣伝広告の程度などを具体的に把握し得るものは見い出せず、本件商標の登録出願時及び登録査定時における引用商標の周知性の程度を推測するための証拠は確認できない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものということはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、欧文字の「S」と「R」が部分的に結合した構成からなるモノグラムであり、全体としてまとまりのある一つの図形として認識し、把握されるとみるのが相当であるから、特定の称呼及び観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、欧文字の「S」と「R」が重なり合った構成からなるモノグラムであり、全体としてまとまりのある一つの図形として認識し、把握されるとみるのが相当であるから、特定の称呼及び観念は生じない。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標は、いずれも欧文字の「S」と「R」によるモノグラムであるものの、両商標を構成する欧文字の書体は異なるものであり、本件商標は、欧文字の「S」の下半分の曲線部に欧文字の「R」の上半分の縦線部が重なり合うよう部分的に結合した構成からなるものであるのに対し、引用商標は、欧文字の「S」及び「R」の文字全体が複雑に重なり合った構成からなるものであることから、それぞれの図形から受ける外観上の印象は著しく相違し、相紛れるおそれはない。
また、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の称呼及び観念を生じないものであるから、称呼及び観念において比較できない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において比較できないものであるとしても、外観において著しく相違するものであるから、これらが需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両商標は、非類似の商標というのが相当である。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本件商標の指定商品中の第3類「化粧品,せっけん類,洗顔料,歯磨き,香料」と引用商標の指定商品及び指定役務中の第3類「Soaps, shaving soaps, after-shave lotions, cosmetic preparations for baths, shampoos, perfumery, eau de toilette, essential oils, aromatics [essential oil], hair lotions, balms other than for medical purposes, dentifrices, cosmetics.」とは、同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く認識されていたものとはいえないものであり、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標である。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、需要者をして、引用商標を連想、想起させることはなく、その商品が申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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