Trademark Appeal Case
Beo SoyとBONSOYの称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2017−685034(T2017−685034/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件国際登録第1316255号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「Beo Soy」の文字を書してなり、2016年5月9日にSingaporeにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2016年(平成28年)6月23日に国際商標登録出願、第29類「Soya bean milk;soya bean milk in liquid and solid form;soya bean curd;preserved soya beans;soya milk;prepared soya;preserved soya;preparations made from soya;edible oils and fats;soya oil for food;soya based edible oils;foodstuffs containing soya[as the main constituent],namely,prepared meals being meat substitutes consisting of plant products,in particular soya beans;food preparations having a base of soya and milk;protein derived from soya beans for use as substitutes for dairy products;preserved,dried and cooked fruits and vegetables.」(参考訳:豆乳,液体及び固体の豆乳,豆腐,加工済み大豆,豆乳,加工済みの大豆,保存加工をした大豆,大豆からなる調整品,食用油脂,食用大豆油,大豆を主原料とする食用油,大豆入り食品(主原料としてのもの)、すなわち、惣菜(植物性製品、特に大豆からなる代用肉であるもの),大豆及び牛乳をベースとする食品調製品,代用乳製品として使用する大豆派生タンパク質,保存処理,乾燥処理及び調理をした果実及び野菜)及び第32類「Soya bean based beverages and drinks;soya bean based non−carbonated non−alcoholic beverages;preparations for making non−alcoholic drinks.」(参考訳:大豆ベースの飲料,大豆ベースの炭酸ではないアルコール分を含まない飲料,アルコール分を含まない飲料の製造用の調製品)を指定商品として、平成29年7月31日に登録査定、同年9月15日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号、同項第19号及び同項第7号に該当し、また、同法第3条第1項柱書の要件を具備しないものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第90号証を提出した。
1 申立人が引用する商標
(1)申立人が、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号、同項第19号及び同項第7号に該当し、また、同法第3条第1項柱書の要件を具備しないとして、本件登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、次の商標であり、現に有効に存続しているものである。
国際登録第972984号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおり、「BONSOY」の文字を書してなり、2016年(平成28年)5月2日に国際商標登録出願(事後指定)、第29類「Products made from or including soybeans in this class,namely,soy milk,soy yoghurt,soy cream,prepared food made mainly from soybeans,soy milk−based beverages for use as a milk substitute,tofu,processed soybeans and fermented soybeans(natto).」(参考訳:大豆からなる又は大豆入りの製品(本類に属するもの)、すなわち豆乳,大豆ヨーグルト,大豆クリーム,主に大豆からなる加工食品,代用乳として使用する豆乳ベースの飲料,豆腐,加工済みの大豆及び納豆)及び第32類「Beverages made from or including soybeans in this class.」(参考訳:大豆から作った又は大豆を含む飲料(本類に属するもの))を指定商品として、平成29年9月25日に登録査定、同年12月1日に設定登録されたものである。
(2)申立人が、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同項第15号、同項第19号及び同項第7号に該当し、また、同法第3条第1項柱書の要件を具備しないとして、本件登録異議の申立ての理由として引用する商標は、次の商標である。
なお、この国際登録商標は、日本を事後指定していないものである。
国際登録第1241355号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおり、「Bonsoy」の文字を書してなり、第29類「soya based dairy substitutes;soya bean milk;soya milk;soya milk(milk substitute);」のほか、第21類及び第29類ないし第33類に属する商品を指定商品として、2014年8月7日に国際登録されたものである。
以下、上記2件の商標をまとめていうときは「引用商標」という。
2 具体的理由
(1)申立人及び引用商標等の使用権者について
申立人は、引用商標の現商標権者である(甲2、甲3)。
また、Spiral Foods Pty.Ltd.(以下「申立人使用権者」という。)は、1984年6月21日に設立されたオーストラリア法人で(甲4)、主としてオーガニック食品を販売しており(甲5)、申立人から許諾を受け、引用商標を使用する者である(甲6)。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、本件商標出願時及び現在において申立人使用権者の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている(甲5、甲6、甲11〜甲86)引用商標と、全体として極めて類似する商標であって、その商品又はこれに類似する商品について使用するものに該当する。
(3)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標1とは、共に「B」から始まる6文字の欧文字からなり、その6文字中、5文字「B」「O」「S」「O」「Y」を共通とするもので外観上非常に紛らわしく類似する。また、引用商標1は、申立人使用権者の商標として、広く一般に知られているため、観念上申立人使用権者の著名ブランド「BONSOY」と何らかの関連性があるものと認識されることが推認されるため、観念上も紛らわしく類似し、商標全体として極めて類似する。
また、本件商標と引用商標1とは、その指定商品も同一又は類似である。
(4)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人使用権者の商標として、広く一般に知られている(甲5、甲6、甲11〜甲86)から、これと類似する本件商標がその指定商品に指定された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(5)商標法第4条第1項第19号について
本件商標権者は、本件商標の出願時に引用商標が需要者の間に広く認識されていることを当然知って、申立人又は申立人使用権者に対し、他社と独占的販売契約を締結しないよう圧力をかける目的、又は、本件商標権者との販売代理店契約を今後完全に打ち切ることがないよう有利に交渉をする目的、さらには、周知著名な引用商標の出所表示機能を希釈化させる目的等の不正の目的をもって本件商標を出願したものと推認される。
(6)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、その登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり、その商標登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するもので、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標というべきである。
(7)商標法第3条第1項柱書について
本件商標権者は、本件商標を純粋に使用する意思がないことが明らかであり、本件商標は、自己の業務に係る商品について使用をする商標又は、将来使用する意思を有する商標ということはできない。
第3 当審の判断
1 引用商標の周知性について
申立人は、「引用商標は、申立人使用権者の業務に係る商品『豆乳,豆腐』を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び現在において、少なくともオーストラリア、シンガポール、欧州、日本の一般需要者、取引者の間では広く知られていた。」と主張するので、以下、検討し、判断する。
(1)「豆腐」について
申立人は、「引用商標が付された豆腐は、オーストラリアにおいて2015年11月に販売が開始され(甲6)、継続して広告宣伝活動が行われた(甲26)。」と述べる。
しかしながら、当該商品のオーストラリアにおけるシェアなどを示す証拠は見いだせず、また、シンガポール、欧州及び我が国において、引用商標が当該商品に使用されていることを示す証拠も見いだせない。
そうすると、引用商標は、申立人使用権者の業務に係る商品「豆腐」を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、オーストラリア、シンガポール、欧州及び我が国の需要者の間に広く認識されているものとは認められない。
(2)「豆乳」について
申立人は、「引用商標が付された豆乳は、オーストラリアで1983年に初めて販売されてから、その後世界各国で販売されており(甲6、甲12、甲15、甲16)、オーストラリアでは、市場シェア第1位から第3位の大手食料品店で広く販売され(甲6、甲12、甲20、甲24)、また、雑誌、ウェブサイト、SNS、スポンサー活動、展示会等を通じて大々的に広告宣伝された結果(甲25、甲27〜甲58等)、熱狂的なファンが生まれ、タトゥーに彫られたり、Youtube動画に使用されたり、ブログに使われたりするまでに広く知られている(甲59〜甲61)。また、シンガポール及び欧州においても、広く販売され、雑誌、ブログ等にて広告宣伝され、欧州では受賞歴もあり、一般に広く知られているといえる(甲62〜甲69等)。さらに、日本においても、2009年末のリコール問題で引用商標等を付した商品が話題となり、その後2012年から本格的に販売が行われてからブログ等でも広く紹介されている(甲70〜甲86)。また、日本人のオーストラリア訪問者数及び留学者数の多さに鑑みれば、オーストラリアでの周知性が広く一般に認識されていた蓋然性は高いと考えられる。」と述べる。
しかしながら、当該商品のシンガポール、欧州及び我が国におけるシェアなどを示す証拠は見いだせない。
そうすると、引用商標は、申立人使用権者の業務に係る商品「豆乳」を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、オーストラリアの需要者の間にある程度知られているものであるといえるものの、シンガポール、欧州及び我が国の需要者の間に広く認識されているものとは認められない。
2 本件商標と引用商標との類否について
(1)本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、「Beo Soy」の文字からなるところ、視覚上まとまりよく書された構成からなるものであるから、その構成全体を一体のものとして看取されるといえる。
また、本件商標の構成中頭部の「Beo」の文字は、親しまれた語とはいえないものであるから、それに続く「Soy」の文字が「大豆」の意味を有する語として親しまれたものであるとしても、本件商標は、全体として特定の意味を有しない造語と認識されるといえる。
そうすると、本件商標は、その構成全体から「ベオソイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲2及び3のとおり、「BONSOY」又は「Bonsoy」の文字からなるところ、視覚上まとまりよく書された構成からなるものであるから、その構成全体を一体のものとして看取されるといえる。
また、引用商標の構成中頭部の「BON」又は「Bon」の文字は、親しまれた語とはいえないものであるから、それに続く「Soy」の文字が「大豆」の意味を有する語として親しまれたものであるとしても、引用商標は、全体として特定の意味を有しない造語と認識されるといえる。
そうすると、引用商標は、その構成全体から「ボンソイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、両商標は、記憶に残りやすい頭部の「Beo」と「BON」又は「Bon」の文字構成が明らかに相違するものであるから、相紛れるおそれのないものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「ベオソイ」の称呼と引用商標から生じる「ボンソイ」の称呼とを比較すると、称呼上重要な頭部における「ベオ」と「ボン」の音が明らかに相違するものであるから、相紛れるおそれのないものである。
さらに、観念においては、本件商標と引用商標は共に特定の観念を生じないものであるから、比較できないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれのないことが明らかなものであるから、両商標が需要者に与える印象、記憶等を総合してみれば、両商標は、非類似の商標であって、別異のものというべきである。
3 本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品及び引用商標が使用される商品「豆乳,豆腐」との類否について
(1)本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品とは、同一又は類似する商品である。
(2)本件商標の指定商品と引用商標が使用される商品「豆乳,豆腐」とは、同一又は類似する商品である。
4 商標法第4条第1項第10号該当性について
上記1のとおり、引用商標は、申立人使用権者の業務に係る商品「豆乳,豆腐」を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているものとは認められず、また、上記3(2)のとおり、本件商標の指定商品と引用商標が使用される商品「豆乳,豆腐」とは、同一又は類似する商品であるとしても、本件商標と引用商標とは、非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
5 商標法第4条第1項第11号該当性について
上記3(1)のとおり、本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品とは、同一又は類似する商品であるとしても、本件商標と引用商標1とは、非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
6 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記1のとおり、引用商標は、申立人使用権者の業務に係る商品「豆乳,豆腐」を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているものとは認められず、また、上記3(2)のとおり、本件商標の指定商品と引用商標が使用される商品「豆乳,豆腐」とは、同一又は類似する商品であるとしても、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
加えて、本件商標と引用商標は、いずれも一般に採択され得る構成態様からなるものであるから、両商標の構成態様に係る独創性の程度において、特段の差があるとはいえず、本件商標に比して引用商標の構成態様が強く記憶に残ることはない。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、需要者が引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
7 商標法第4条第1項第19号該当性について
上記1のとおり、引用商標は、申立人使用権者の業務に係る商品「豆乳」を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、オーストラリアの需要者の間にある程度知られているものであるといえるものの、シンガポール、欧州及び我が国の需要者の間に広く認識されているものとは認められず、また、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似のものであって、別異の商標である。
また、申立人が提出した甲各号証を総合してみても、本件商標権者が、申立人の引用商標の信用にただ乗りし、引用商標の出所表示機能を希釈化し又は名声を毀損させるものというべき事実は見いだせないし、他に不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的を持って本件商標を出願し、登録を受けたと認めるに足りる具体的事実も見いだせない。
さらに、申立人が主張するような、本件商標権者が申立人又は申立人使用権者に対し、他社と独占的販売契約を締結しないよう圧力をかける目的や本件商標権者との販売代理店契約を今後完全に打ち切ることがないよう有利に交渉をする目的を持って本件商標を出願し、登録を受けたと認めるに足りる具体的事実も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
8 商標法第4条第1項第7号該当性について
別掲1のとおりの構成からなる本件商標は、上記2(1)のとおり、特定の観念を生じないものであって、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではなく、その構成自体がそのようなものではなくとも、それを本件商標の指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものともいえない。
また、本件商標は、他の法律によって、その商標の使用等が禁止されているものではないし、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでもない。
さらに、本件商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当すると認めるに足る具体的事実も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
9 商標法第3条第1項柱書の要件を具備するか否かについて
申立人は、「本件商標権者は、本件商標を純粋に使用する意思がないことが明らかである。」と述べるが、それを認めるに足る具体的事実も見いだせないから、本件商標は、「本件商標権者の業務に係る商品について使用をする商標」に該当しないものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備するものである。
10 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号、同項第19号及び同項第7号のいずれにも違反してされたものではなく、さらに、本件商標は、同法第3条第1項柱書の要件を具備するものであるから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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