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Trademark Appeal Case

速攻ケアの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−16946(T2017−16946/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「速攻ケア」の文字を標準文字で表してなり,第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」を指定商品として,平成28年7月6日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,「本願商標は,『すぐさま。ただちに。』等を意味するものとして一般にも親しまれている『速攻』の文字と,『手入れ。手当て。』等を意味する日常語として普通に使用されている『ケア』の文字とを,一連に『速攻ケア』と書してなるものであり,その全体から『すぐにケア(する又はできる。)』といった意味合いを容易に認識させるものといえる。そして,本願の指定商品分野において『速攻ケア』の文字が上記意味合いを表す語として取引上普通に使用されていることも認めることができる。そうすると,本願商標をその指定商品に使用しても,単に商品の品質,用法等を表示するにすぎないものと認める。したがって,この商標登録出願に係る商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は,上記1のとおり「速攻ケア」の文字からなるところ,その構成中の「速攻」の文字は,「すぐさま,ただちに」(株式会社小学館発行 デジタル大辞泉)や「競技や戦で,相手をすばやくせめたてること。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の意味を,「ケア」の文字は,「世話.保護.手当て.介護.看護など,医療的・心理的援助を含むサービス」(株式会社三省堂 コンサイスカタカナ語辞典)の意味を有する平易な語である。

そして,本願商標の指定商品を取り扱う業界においては,「速攻ケア」の文字が「すばやくケア(手当て)する」程の意味合いで使用されている実情が,原審で示した使用例により確認できることに加え,「速攻」の文字を「薬などのききめが即時に表れること」及び「ききめがはやいこと。」を意味する「即効」及び「速効」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の語と同じ意味合いで普通に使用されている実情も,以下のインターネット情報からうかがえる。

「速攻」の文字の使用について(下線は合議体によるもの。以下同様。)

ア ライオン株式会社のウェブサイトにおいて,「ストッパ」の見出しの下,「下痢に

速攻

,水なし1錠で効く!ストッパ下痢止めEX」との記載がある。

http://stoppa.lion.co.jp/product/stoppa/index.htm

イ エスエス製薬株式会社のウェブサイトにおいて,「解熱鎮痛薬の『EVE』から,ついに登場」の見出しの下,「つらい頭痛に

速攻

,効く。日本初,新処方『イブクイック頭痛薬DX』新発売」との記載があり,さらに商品パッケージには「つらい頭痛に,速くよく効く」との記載がある。

https://www.ssp.co.jp/nr/2016/20160301.html

ウ ロート製薬株式会社のウェブサイトにおいて,「パンシロンキュアSP」の見出しの下,「(1)サッと溶けて,胃酸に

速攻

!(即効性制酸剤配合)」と記載され,商品パッケージにも同様の記載がある。

http://jp.rohto.com/pansiron/cure/

エ 第一三共ヘルスケア株式会社のウェブサイトにおいて,「ルルアタックNX独自の製剤テクノロジー」の見出しの下,「鼻のかぜに

速攻

アタック!服用後,鼻汁を抑制する成分が素早く溶け出します。」との記載がある。

https://www.daiichisankvo-hc.co.jp/site_lulu/product/lulu-attack-nx.html

オ 興和株式会社のウェブサイトにおいて,「キューピーコーワαドリンク」の見出しの下,「こんな症状はありませんか?からだ全体が疲れた,だるい・・・・今,その疲れに

速攻

1本!キューピーコーワαドリンク」との記載がある。

http://hc.kowa.co.jp/qpkowa/product/drink/

カ ライオン株式会社のウェブサイトにおいて,「『PAIR(ペア)』大人のニキビを直す薬」「大人のニキビは,医薬品で治す。」の見出しの下,「C Channel × ペアアクネクリームW

速効

!根っこケア処方」との記載がある。

http://pair.lion.co.jp/

そうすると,本願商標を構成する「速攻ケア」の文字は,その構成文字の全体より「すばやくケア(手当て)する」や「薬のききめが即時に表れケア(保護)する」ほどの意味合いを容易に想起,認識させるものである。

してみれば,「速攻ケア」の文字からなる本願商標を,その指定商品「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」に使用した場合には,これに接する取引者,需要者は,本願商標について「すばやくケア(手当て)する」又は「薬のききめが即時に表れケア(保護)する」ほどの意味合いにおいて,商品の効果,品質を表示したものと理解,認識させるにとどまるというのが相当である。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は,本願商標は一連一体の造語であるから,「すぐにケア(する又はできる。)」とした意味合いを暗示するものであったとしても,本願指定商品である薬剤の品質や用法等を直接的かつ具体的に表しているとまではいえない。また,本願商標が薬剤の品質や用途を表す目的で取引上自他商品の識別力がないといえるほどに普通に使用されている事例はない旨主張している。

しかしながら,上記(1)のとおり,本願商標の構成文字の有する語意及び本願商標の指定商品を取扱う業界における取引の実情から,本願商標は,「すばやくケア(手当て)する」の意味合いのもと,商品の品質を表示するものとして理解されるものというべきであり,さらに,商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断については,「商標法3条1項3号は,取引者,需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき,それ故に登録を受けることができないとしたものであって,該表示態様が商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか,現実に使用されている等の事実は,同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。」(東京高等裁判所平成12年(行ケ)第76号,平成12年9月4日判決)と判示されているものである。

してみれば,仮に「速攻ケア」の文字が,指定商品の分野において,取引上普通に使用されていないとしても,該文字は,上記のとおり,商品の品質を表示したものとして,取引者,需要者に認識され得る構成態様からなる商標であるから,これを登録することはできないものである。

したがって,請求人の上記主張は,採用することはできない。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標が,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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