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Trademark Appeal Case

「三層うどん」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2017−900388(T2017−900388/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5986599号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5986599号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり「三層うどん」の文字を書してなり、平成29年1月27日に登録出願、第30類「うどんのめん」を指定商品として、同年9月25日に登録査定、同年10月6日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標について、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第25号証を提出した。

本件商標は、一般的な書体で「三層うどん」と横書きしてなる商標であり、指定商品中、「三層からなるうどんのめん」との関係においては、商品の品質等を表示するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。

また、本件商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に違反して登録されたものである。

さらに、本件商標を「三層からなるうどんのめん」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

第3 取消理由通知

当審において、商標権者に対し、「本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。」旨の取消理由を平成30年4月26日付けで通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。

第4 商標権者の意見

上記第3の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。

第5 当審の判断

1 申立人の提出に係る証拠によれば、商品「麺類」における「三層」、「三層麺」、「三層構造」及び「三層うどん」の文字の使用について以下のとおりである。

(1)特許公報及び公開特許公報における使用

特許公報及び公開特許公報(甲2ないし甲8)には、「発明の名称」の項に「三層生麺類の製造方法」、「三層麺の乾麺の製造方法」、「三層麺類の製造方法」、「多層半生麺の製造法」、「三層麺の製造方法」、「三層麺およびその製造方法」、「多層調理麺およびその製造方法」の記載があり、その説明中には、「麺を三層構造として・・・」(甲2)、「麺帯を厚み比(内層:外層)=2:1になるよう圧延し、外層/内層/外層の三層麺帯とし」、「三層のうどんの乾麺を製造した。」(甲3)、「三層生うどんを製造した。」(甲4)、「三層麺類の製造方法も知られている。」(甲5)、「内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んで複合圧延して三層麺帯を製造し、・・・外層用麺帯の比重が、・・・内層用麺帯の比重よりも高いことを特徴とする三層麺」(甲6)、「外層と内層の厚比が外層/内層/外層=1.5/1/1.5の三層麺帯とした後、・・・麺線とし、三層うどんを・・・得た。」(甲7)、「二層構造の二層調理麺・・・三層構造の三層調理麺・・・」、「上記A層用シート状生地2枚の間に上記B層用シート状生地を配置して積層し、圧延して、A層の厚み/B層の厚み/A層の厚みの比がA層/B層/A層=1/2/1の三層麺帯とした後・・・三層うどんをそれぞれ得た。」(甲8)等の記載がある。

(2)ウェブサイトにおける使用

ア 「日清食品グループ」のウェブサイト(2010.10.06:甲10)には、「リニューアル発売のご案内/『日清のどん兵衛』ブランド6品(10月18日発売)」の見出しの下、「『3層太ストレート製法』で、さらなる太さと、つるみとねばりを持つめんに進化・・・3層にすることで、つゆがよく絡むつるみのある表面と、ねばりのあるコシを中芯に持つ、2mmを超える厚さの、ストレートめんを実現しました。」の記載がある。

イ 「株式会社ヤマヲ」のウェブサイト(新商品情報(2011/10/10):甲14)には、「【かつおだし香るソース焼うどん】」の項に「三層構造による外はモチッと、内はコシのある食感を実現した焼うどんを展開します。」の記載がある。

ウ 「滋賀県製麺工業協同組合」のウェブサイト(甲19)には、「2015−02−07/麺職人のこだわり・・・『近江うどん三層麺』/滋賀県産小麦『ふくさやか』を100%使った近江うどん。パスタに使われる『セモリナ粉』のコシの強いもっちり麺。このセモリナ粉の麺を近江うどんでサンドしました。コシの強い世界初の三層麺です。」の記載がある。

エ 「全国年明けうどん大会 2014 in さぬき」のウェブサイト(甲22)には、「平成26年12/13(土)14(日)」、「うどん提供ブース/近江牛うどん」の「紹介・PR」の項に「滋賀県産小麦ふくさやか使用の近江うどん(三層麺)に、近江が誇るブランド近江牛をトッピング!!」の記載がある。

オ 「Eクーポン」のウェブサイト(甲25)には、「【創業昭和23年の老舗の味】三層作りのこだわり麺のしっかりとした喉越し!老舗の本格料理をご家庭で簡単に 《讃岐カレーうどん10食入り ★さぬきうどんの老舗【宮武讃岐製麺所】》が【送料込み2,100円】!」の見出しの下、「クーポン内容」の項には「こだわりの『三層作りの麺』!/一層目と三層目は少し柔らかめで、真ん中の二層目が少し固め。この三層構造のこだわりによって、しっかりとした喉越しのあるうどんを生み出しているんです。」の記載がある。

(3)その他の使用

ア 「農総研だより」(平成27年10月発行/公益財団法人 東京都農林水産振興財団 東京都農林総合研究センター)(甲9)には、「『ゆでのび』しにくい三層構造うどんの開発」の項に「同じ水分量でも一般的な小麦粉より硬くなる低アミロース小麦粉から作ったうどん生地を,アミロース含量の高い小麦粉で作った従来のうどん生地で上下から挟み込んだ三層構造のうどんとすることで,これまでのうどんに比べて,『ゆでのび』するまでの時間を3倍以上延ばすことができました。」の記載がある。

イ 「2014.8 かけはし」(滋賀銀行発行)(甲17)には、「滋賀県製麺工業協同組合」の頁に「新食感の『三層麺』も発売してさらに全国ブランド化が加速・・・昨年11月に発売した『近江うどん(三層麺)』は、パスタに使われる小麦粉(セモリナ粉)で打ったコシの強い麺を、ふくさやかの麺で挟む三層構造になっている。」の記載がある。

2 職権による調査によれば、新聞及びインターネットの記事情報には、三層を有する「麺」について、以下のとおりである。

(1)「日清製粉と日清エンジニアリング、真空3層めん帯機を発売」(1997.09.26 日刊工業新聞)の見出しの下、「三層めん帯のサイズは内層が十七ミリメートル、外層が各十四ミリメートル。帯幅が二百十五ミリメートル。既存の機械の組み合わせで三層めんを製造すると機械台数が多くなり・・・」の記載がある。

(2)「伊藤忠食品、『鶏のゆずこしょう焼きそば』発売 宮崎の新グルメに」(2013.04.19 日本食糧新聞)の見出しの下、「コシと食感にこだわった3層麺と宮崎産の鶏肉(レトルトもも肉)をセットし・・・」の記載がある。

(3)「近江うどん 三層麺でコシ 県組合製作 パスタ生地挟む=滋賀」(2013.11.10 読売新聞 大阪朝刊)の見出しの下、「県内の製麺業者でつくる県製麺工業協同組合は、県産の小麦粉とパスタの生地を組み合わせた特製麺『近江うどん 三層麺』を発売した。・・・商品化にあたって、さらにコシを出すため、近江うどんの層の内側には、パスタに使われるセモリナ粉の層を挟み、3重の構造を採用。つや、粘り、コシと三拍子そろった麺に改良した。」の記載がある。

(4)「株式会社ファミリーマートのNEWS RELEASE」(http://www.family.co.jp/company/news_releases/2017/20170110_01.html)には、「2017年1月10日/昨年大好評のラーメンが満を持して復活!/“ファミマのラーメン”から『塩ラーメン』を発売/〜正月明けにもピッタリな、和風ダシがきいた、あっさりした味わい〜」の見出しの下、「麺は外はモチモチ、中はしっかりとした食感が特長の三層麺にするなど、さらに進化させたファミマの『塩ラーメン』・・・」の記載がある。

3 上記1及び2からすれば、本件商標の登録査定時には、麺を取り扱う業界において、コシや食感を向上させるために、麺の層を三層にした麺(三層構造の麺)が、製造、販売されていることが認められ、また、当該麺を「三層麺」と称している実情が認められる。

そして、「三層構造のうどんの麺」や当該麺からなる商品が製造、販売されていることが認められる。

4 商標法第3条第1項第3号該当性について

本件商標は、別掲のとおり、「三層うどん」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるものである。

そして、上記3のとおり、本件商標の登録査定時には、麺を取り扱う業界において、コシや食感を向上させるために麺の層を三層にした麺(三層構造の麺)が「三層麺」と称して製造、販売されており、「三層構造のうどんの麺」も製造、販売されていることが認められる。

してみれば、本件商標は、「三層構造のうどんの麺」を容易に認識、理解させるものといえ、本件商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品の品質を表示したものと理解するにとどまるとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 5 まとめ

上記のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから、他の申立ての理由について言及するまでもなく、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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