Trademark Appeal Case
称呼の要部抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2017−900374(T2017−900374/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5990548号商標(以下「本件商標」という。)は、「エンチャント フォーエバー」の片仮名を横書きしてなり、平成29年2月27日に登録出願、第3類「せっけん類,洗剤,洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く。),香水類,化粧水,アフターシェーブローション,コロン,精油,身体用防臭剤,制汗用化粧品,頭皮及び頭髪の手入れ用剤,シャンプー,コンディショナー,毛髪用着色剤,ヘアースタイリング用化粧品,練り歯磨き,口内洗浄剤(医療用でないもの。),歯の手入れ用化粧品,医療用でない化粧品,バス・シャワー用化粧品,スキンケア化粧品,肌用オイル,肌用クリーム,肌用ローション,ひげそり用剤,髭剃前の化粧品,髭剃後の化粧品,脱毛剤,日焼け用及び日焼け止め用化粧品,化粧品,メイクアップ用化粧品,化粧落とし剤,化粧用ワセリン,唇の手入れ用化粧品,タルカムパウダー,化粧用の脱脂綿及び綿棒,パッド・ティッシュ又はワイプに浸み込ませた化粧品,パッド・ティッシュ又はワイプに浸み込ませたクレンジング用化粧品,美顔用マスク(化粧品),顔用のパック用化粧品」を指定商品として、同年9月26日に登録査定、同年10月20日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第4282534号商標(以下「引用商標」という。)は、「ENCHANTEUR」の欧文字を標準文字により表してなり、平成10年4月17日に登録出願、第3類「石けん類,香料類,化粧品」を指定商品として、同11年6月11日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1項により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
引用商標は、本件商標の先願先登録の商標であり、現在有効に存在していることは明らかである。
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一のものと考えられる。
そこで、本件商標と引用商標との類否を検討する。
本件商標の全体から生じる称呼は10音からなるがゆえに冗長なものであって、簡易迅速を尊ぶ取引においては前半部分の「エンチャント」のみをもって称呼されることもあると考えられる。
一方、引用商標は、その構成から「エンチャントール」と称呼し得るものである。
本件商標の称呼「エンチャント」と引用商標の称呼「エンチャントール」とは、後者における語尾の「ール」の有無で相違するにすぎない。しかるに、語尾の部分は聴者の注意を惹き難いものであり、かつ、「ール」が敢えて強く発音される理由を見いだし難い。それゆえ、引用商標における語尾の「ール」は全体称呼にほとんど影響を与えることができない。
したがって、本件商標と引用商標は、全体の語感、語調が相紛らわしい類似のものとなる。
仮に、引用商標が「アンシャントゥール」と称呼されたとしても、本件商標の称呼「エンチャント」とは語感、語調が相紛らわしい類似のものとなる。
以上述べたように、本件商標と引用商標とは、称呼上類似する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、上記1のとおり、「エンチャント フォーエバー」の文字からなるところ、「エンチャント」の文字と「フォーエバー」の文字との間に半角程度の間隔を有するとしても、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさでまとまりよく一体的に表されているものであり、その構成全体から生じる「エンチャントフォーエバー」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、無理なく一連に称呼し得るものである。
また、当審において職権をもって調査するも「エンチャント」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情も発見できなかった。
そうすると、本件商標に接する取引者、需要者が、その構成中の「エンチャント」の文字部分に着目し、当該文字から生じる称呼をもって取引に資するというよりも、その構成全体をもって一体不可分のものと認識し、把握するとみるのが相当である。
以上によれば、本件商標から「エンチャント」の文字部分を分離、抽出し、該文字部分から「エンチャント」の称呼を生じるとし、これを前提として、本件商標と引用商標とが称呼において類似の商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであって、採用することはできない。
その他、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由も見いだせない。
したがって、本件商標と引用商標とは、類似の商標ということができないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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