sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標要部と類似判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2016−890086(T2016−890086/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。
審判費用は,請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5762774号商標(以下「本件商標」という。)は,「UNITED TOKYO」の欧文字を横書きしてなり,平成26年12月24日に登録出願,同27年4月15日に登録査定され,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第35類「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おむつの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,二輪自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自転車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」並びに第3類,第14類,第16類,第18類,第20類,第21類,第24類,第26類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年5月1日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人が本件審判請求において引用する登録商標は,以下のとおりである(以下の(1)及び(2)に掲げる商標をまとめて「引用商標」という場合がある。)。

(1)登録第2053119号商標(以下「引用商標1」という。)は,「UNITED」の欧文字及び「ユナイテッド」の片仮名を上下二段に横書きしてなり,昭和57年1月5日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同63年6月24日に設定登録され,その後,平成20年7月9日に,その指定商品を第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものである。

(2)登録第4028688号商標(以下「引用商標2」という。)は,「UNITED」の欧文字を横書きしてなり,平成7年12月26日に登録出願,第25類「靴類」を指定商品として,同9年7月18日に設定登録されたものである。

3 請求人の主張

請求人は,本件商標の指定商品及び指定役務中,第25類「被服,履物」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての登録を無効とする,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第28号証を提出した。

(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性

ア 本件商標の要部と引用商標の比較

本件商標と引用商標は,全体として観察した場合,本件商標は「UNITED」の欧文字及び「TOKYO」の欧文字により構成されるのに対し,引用商標は「UNITED」の欧文字,又はその欧文字に加えてその下段に「ユナイテッド」の片仮名を表してなるため,本件商標と引用商標は相違する。

しかし,本件商標の構成中,「TOKYO」の欧文字は,我が国の首都「東京」の英語表記であり,地名を示す形容詞的文字に該当する。すなわち,著名な地名は,商品の産地や販売地,役務の提供場所等を表示する文字として形容詞的に用いられることが多く,特に,東京は,我が国の経済,文化の中心地であり,本件の指定商品及び指定役務との関係では,ファッションの発信地として知られている。実際にファッション分野においては,ブランド名等として一定の語に「TOKYO」等の文字が付される頻度は高い(甲4)。したがって,ファッション関連商品との関係では,「TOKYO」の文字は,当該ブランドの発信地である旨を示す形容詞的な意味において需要者に認識されるものであり,これと同様の判断をする審決例及び判定例もある(甲5〜18)。

したがって,本件商標は,自他商品役務の識別標識としての機能を有する「UNITED」の文字部分を要部として,引用商標との比較,類否の判断をすべきで,以下のとおり,引用商標とは類似する。

イ 本件商標と引用商標の類否

(ア)本件商標は,その構成中「UNITED」及び「TOKYO」の欧文字の間に1文字程度の間隔があるため,両者は視覚上分離して看取されるものであり,引用商標とは「UNITED」の文字部分を共通にするため,外観上近似する。

(イ)本件商標は,構成文字全体より「ユナイテッドトーキョー」の称呼が生じるところ,その構成中「TOKYO」の文字部分は産地や販売地等を表示するにとどまるため,「UNITED」の文字部分が自他商品の識別標識として捉えられ,「ユナイテッド」の称呼をも生じる。他方,引用商標からはいずれも「ユナイテッド」の称呼が生じるため,両商標は称呼を共通にする。

(ウ)本件商標の構成中「UNITED」の文字部分は,「結合した,共同でなされた,一致した」等の意味を有する形容詞であるが,本件商標全体として生じ得る「結合した東京」の語は日本語として明確な意味をなさないため,全体を一体不可分のものと捉える事情はない。そのため,本件商標は,その要部から「UNITED」の観念を生じるもので,これは引用商標「UNITED」から生じる観念と共通する。

(エ)以上のとおり,本件商標は,その要部における比較において,引用商標とは類似する。

ウ 商品及び役務の類否

本件商標の指定商品中,第25類「被服」は引用商標1の指定商品と同一であり,第25類「履物」は引用商標2の指定商品と類似である。

また,本件商標の指定役務中,第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は,引用商標の指定商品とは,商品の製造,販売と役務の提供が同一事業者により行われるのが一般的であり,商品の販売場所と役務の提供場所や需要者の範囲が一致することから,互いに類似する。

エ 小括

以上のとおり,本件商標は,引用商標とは類似の商標であり,その指定商品及び指定役務は,引用商標の指定商品とは同一又は類似であるため,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)被請求人の主張に対する反論

ア 本件商標を使用した被請求人のブランドは,平成27年3月の立ち上げからわずか2年程度しか経過しておらず,未だ当該ブランド名は一般需要者に周知されていない。

また,被請求人の商品タグや広告には,「UNITED」と「TOKYO」の文字を上下二段に表してなるものもあり(甲19〜26),被請求人が一貫して本件商標と同一の構成の商標を一体的に使用しているとはいえない。

したがって,本件商標「UNITED TOKYO」の一体的な表記による使用が定着しているとはいえず,その表記自体が,一般需要者の間で周知され,一体的な観念及び一気一連での称呼が定着しているとはいえない。

イ 本件商標の構成中,「TOKYO」の文字部分は,商品の産地,販売地,役務の提供場所としてだけでなく,商品のデザイン場所の意味も含めて商品の品質を表示するものである。「TOKYO」(東京)はファッションの発信地として広く知られているため,東京でデザインされた商品であること,東京発のブランドの商品であることを示す部分と認識させ,商品の品質を表示する語として形容詞的に用いられている。

被請求人も,本件商標が東京のリアルなモードスタイルを発信していくブランドがあることを強調している点からして(乙1〜3,9,10),「TOKYO」の文字部分を識別性のない文字部分として用いているものといえる。

したがって,本件商標の構成中「TOKYO」の文字部分には識別力がない。

4 被請求人の答弁

被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第40号証を提出した。

(1)本件商標について

ア 本件商標の採択理由

被請求人は,「日本発ファッションスタイルを世界へ」を理念とし,セレクトショップ「STUDIOUS」の運営及びコンテンポラリーブランド「UNITED TOKYO」の運営を事業内容とする,東京証券取引所市場第1部の上場企業である(乙1)。「STUDIOUS」は,「日本発を世界へ」をコンセプトに国内のTOKYOブランドにこだわり,TOKYOのリアルなモードスタイルを世界へ発信していくセレクトショップという位置づけであり,「UNITED TOKYO」は,ベーシックでありながら上質で洗練された「MODE」に,高い技術と品質の「MADE IN JAPAN」をMIXさせたコンテンポラリーブランドという位置づけであって,伝統的なもの,最先端のもの,異文化のものが絶妙なバランス感覚で調和できる東京の創造性(クリエーション)と,日本各地で培われた伝統的な技術,高い品質とを融合させるための土台,環境(プラットフォーム)になって,創造を日本から世界に発信することを目指したブランドである(乙1,2)。具体的には,ファッションデザイナー,アーティスト,スタイリスト,フォトグラファー等のTOKYO代表するクリエーターと日本の高い技術と品質を結合させた,ALL MADE IN JAPANのTOKYOのクリエーションを世界に発信するものである(乙3,4)。

このように,被請求人は,TOKYOのクリエーション,モードスタイルを世界に発信することを理念とした会社であって,その社名も「TOKYO」の文字を用いた「TOKYO BASE」とし,TOKYOのクリエーションと日本の高い技術,品質を結合させたものを世界に発信する意図から,本件商標「UNITED TOKYO」を採択したものである。「UNITED」の語自体は,「結合(連合,合体)した」,「強力した」,「一丸となって」等の意味を有するものであり,「UNITED TOKYO」は,ファッションデザイナー,アーティスト,スタイリスト,フォトグラファー等のTOKYOを代表するクリエーター間の結合,強力や,これらのクリエーターと日本の高い技術,品質との結合の意味合いを持ったブランドである。

イ 本件商標の使用状況

被請求人は,2015年3月に「UNITED TOKYO」を立ち上げ,同年4月には「UNITED TOKYO OSAKA」を開店し,現在では「UNITED TOKYO MENS SHINJUKU」,「UNITED TOKYO WOMENS SHINJUKU」,「UNITED TOKYO NAGOYA」,「UNITED TOKYO EXPOCITY」,「UNITED TOKYO FUKUOKA」,「UNITED TOKYO MENS IKEBUKURO」,「UNITED TOKYO WOMENS IKEBUKURO」及び「UNITED TOKYO YOKOHAMA」の計9店舗を運営しているほか,「UNITED TOKYO」の店名のオンラインストアを立ち上げ,被服,靴等を通信販売している(乙5〜8)。

このような「UNITED TOKYO」ブランドは,インターネット上でも紹介されており,その製品は,楽天市場,ZOZOTOWN等でも販売され,需要者のブログでも紹介されている(乙9〜14)。

さらに,被請求人は,常に,本件商標を同じ書体,大きさ及び色彩からなる文字で一体的に表記しており,請求人以外の小売業者の通販サイト及び需要者のブログにおいても同様である。このように,被請求人は,「UNITED TOKYO」を,全体で1つのブランドとして使用しており,市場においてもこのように定着している。

(2)本件商標と引用商標の類否

ア 本件商標について

本件商標は,上記のとおり,ファッションデザイナー,アーティスト,スタイリスト,フォトグラファー等のTOKYOを代表するクリエーター間の結合,協力や,これらのクリエーターと日本の高い技術,品質との結合といった被請求人の想いが込められており,「TOKYO」の語を単なる商品の産地,販売地又は役務の提供場所の表示として採択使用しておらず,本件商標全体で1つのブランドを表示するものとして使用している。

このような商標採択の由来を知らなくとも,「UNITED」及び「TOKYO」の語は誰でも知っている英単語であるため,本件商標からは「東京連合」の意味合いを直感する。

また,本件商標の構成文字は,同じ書体,大きさ,色彩からなり,一体的にまとまりよく構成したものであるから,外観上も一体性を有する。さらに,本件商標の構成文字全体から生じる「ユナイテッドトーキョー」の称呼は10音構成と,決して冗長ではなく,むしろ適度に促音や長音を含むため,なめらかなよどみのない一連の称呼を生ずる。

加えて,取引者,需要者の間においても,本件商標は一体不可分の商標として認識されている。

したがって,本件商標は,「ユナイテッドトーキョー」の一連の称呼のみを生じ,「東京連合」の観念を認識させる。

イ 引用商標について

引用商標1は,「UNITED」の欧文字と,その称呼を表した「ユナイテッド」の片仮名を上下二段に表してなるため,これより「ユナイテッド」の称呼を生じ,「結合した」,「協力した」の観念を生じる。

引用商標2は,「UNITED」の欧文字からなるため,これより生じる称呼及び観念は,引用商標1と同一である。

ウ 本件商標と引用商標の対比

以上によれば,本件商標は,一体不可分の構成からなるものであって,「ユナイテッドトーキョー」の称呼及び「東京連合」の観念を生じるものであるから,「ユナイテッド」の称呼及び「結合した」,「協力した」の観念を生じる引用商標とは,称呼及び観念において非類似である。

また,本件商標と引用商標は,その構成文字において「TOKYO」の文字の有無,また「ユナイテッド」の片仮名の有無という差異を有するため,外観上も非類似である。

したがって,本件商標と引用商標は,称呼,観念及び外観のいずれにおいても非類似である。

なお,これと同様の判断をした審査例もある(乙15〜40)。

(3)まとめ

以上のとおり,本件商標は,引用商標とは類似する商標ではないから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

5 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標について

本件商標は,「UNITED TOKYO」の欧文字を横書きしてなるところ,その構成中「UNITED」及び「TOKYO」の文字部分の間には1文字分程度の間隔があるものの,いずれの文字も同一の書体及び大きさで,横一列にまとまりよく表されており,全体として一連一体の語を表してなる印象を与えるものであって,その構成文字に相応して,よどみなく一連に称呼することができる「ユナイテッドトーキョー」の称呼が生じるものである。

また,本件商標の構成中「UNITED」の語は,「結合した,連合した」の意味を有する英語の形容詞で,例えば,「United Nations」(国際連合),「United Kingdom」(英国)及び「United States(of America)」(アメリカ合衆国),並びに,「Manchester United」(マンチェスターユナイテッド,Manchesterを本拠にするイングランドの代表的なサッカーチーム)などのような複合語を構成する語として,我が国においても親しまれている英語である(「ジーニアス英和大辞典」大修館書店参照)。そして,「TOKYO」の語は「日本国の首都」である「東京」をローマ字表記したものと容易に認識,理解されるところ,本件商標は,両構成語を結合して既成語を構成するものではないが,各語の意味から「東京連合」程度の意味合いを認識させるといえる。

加えて,被請求人が運営に関与するファッション関連のブランド「UNITED TOKYO」は(乙1),当該ブランド名を名称中に含む店舗が日本国内に9店舗(例えば「UNITED TOKYO NAGOYA」,「UNITED TOKYO OSAKA」,「UNITED TOKYO FUKUOKA」及び「UNITED TOKYO YOKOHAMA」など)あるように(乙6),「UNITED TOKYO」の語を被請求人のブランド名を表示する複合語として,取引上使用している実情がある。

以上を踏まえると,本件商標は,その外観,称呼及び観念におけるまとまりのよさに加えて,被請求人による「UNITED TOKYO」のブランド名の使用と関連する取引の実情も鑑みると,本件商標の類否の判断にあたっては,本件商標全体より生じる外観,称呼及び観念より生じる印象,記憶,連想等をもとに,引用商標との類似を検討すべきものといえ,本件商標からは「ユナイテッドトーキョー」の称呼及び「東京連合」の観念のみが生じるものと認められる。

イ 引用商標について

引用商標1は,「UNITED」の欧文字及び「ユナイテッド」の片仮名を上下二段に横書きしてなるところ,それぞれの構成文字に相応して「ユナイテッド」の称呼及び「結合した,連合した」の観念を生じる。

そして,引用商標2は「UNITED」の欧文字を横書きしてなることから,その構成文字に相応して「ユナイテッド」の称呼及び「結合した,連合した」の観念を生じる。

ウ 本件商標と引用商標の比較

以上を踏まえて本件商標と引用商標の比較をすると,両商標の外観は,その構成文字において「TOKYO」の欧文字の有無に差異がある上,本件商標と引用商標1との比較においては「ユナイテッド」の片仮名の有無にも差異があるため,外観において相紛れるおそれはない。また,称呼においては,語頭の「ユナイテッド」の音を共通にするものの,語尾の「トーキョー」の音の有無に差異があるため,その構成音及び音数の著しい相違により,全体として聞き誤るおそれはない。そして,観念においても,それぞれ明らかに相違する。

そうすると,本件商標と引用商標は,外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない,非類似の商標というべきである。

エ 請求人の主張

請求人は,本件商標の構成中「TOKYO」の文字は,商品の産地,販売地,品質(デザイン場所)又は役務の提供場所を認識させる語であり,自他商品役務の識別標識としての機能を有さないため,本件商標はその構成中「UNITED」の文字部分をその要部として引用商標との類似を判断すべき旨を主張する。

しかし,本件商標は,その構成文字の大きさや書体,配置構成のまとまりがよいため,「UNITED」の文字部分のみが独立して見る者の注意を引くように構成されているものとはいえないばかりか,被請求人は,ブランド名として店舗名を含めて「UNITED TOKYO」の語を一連一体の語として用いているのであり,その他,本件商標について,その構成中の「UNITED」の文字部分を取り出して分離観察することを正当化するような事情は見いだすことはできないから,本件商標と引用商標の類否を判断するにあたっては,上記アのとおり,その構成全体を対比するのが相当である。

加えて,請求人は,被請求人の商品タグや広告には,「UNITED」と「TOKYO」の文字を上下二段に表してなるものもあり(甲19〜26),被請求人が一貫して本件商標と同一の構成の商標を一体的に使用しているとはいえず,その使用期間も2年程度であるから,本件商標「UNITED TOKYO」の一体的な表記による使用が定着しているとはいえず,その表記自体が,一般需要者の間で周知され,一体的な観念及び一気一連での称呼が定着しているとはいえない旨を主張する。

しかし,被請求人のブランドである「UNITED TOKYO」が周知,著名に至っているか否かに関わりなく,被請求人が当該ブランド名を店舗名などにも一連の複合語として用いていることは否定されるものではないし,商品タグに「UNITED」及び「TOKYO」の文字が上下二段に表されているとしても,その両文字の書体及び大きさは同一であり,構成上まとまりがよいため,「UNITED」の文字部分のみが看者の注意を引くような構成でもないから(甲19〜21,23〜26),上記ウのとおり判断することに特段の支障はない。

したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用できない。

オ 小括

以上のとおり,本件商標は,引用商標とは類似しないものであることから,その指定商品及び指定役務が同一又は類似であるかに関わらず,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,その指定商品及び指定役務中,第25類「被服,履物」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第46条第1項第1号の規定により,無効とすることはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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