1 本願商標
本願商標は、「蜜焼き芋」の文字を標準文字で表してなり、第29類「焼き芋,加工済みさつまいも」を指定商品として、平成28年8月25日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録第5162851号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成20年2月28日に登録出願、第29類「種子島産の安納芋を使用した焼芋」を指定商品として、同年8月29日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「蜜焼き芋」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応して、「ミツヤキイモ」の称呼、「蜜の入った焼き芋」ほどの意味合いを想起させるものである。
他方、引用商標は、別掲のとおり、右から順に、同じ書体、大きさ及び間隔で縦書きしてなる「種子島」、「安納釜」及び「蜜焼芋」の各文字を3行に配し、かつ、当該各文字の下方に図形を描き、さらに、その「安納釜」の文字と「蜜焼芋」の文字との間に、それらの文字に比して小さく縦書きしてなる「たねが島あんのう釜みつやき芋」の文字を配してなるものであるところ、その構成中、「種子島」、「安納釜」及び「蜜焼芋」の各文字は、上記のとおり、3行に配されているものの、いずれも同じ書体、大きさ及び間隔で表されていて、視覚上、まとまりよく一体的に看取、把握されるといえ、そのうちのいずれかの文字のみが看者の注意を強くひくとはいい難い。
また、引用商標の構成中、「蜜焼芋」の文字は、「蜜の入った焼き芋」ほどの意味合いを想起させるものであって、出所識別標識としての機能が強いものとはいえない。
さらに、引用商標の構成中、「種子島」の文字は、引用商標の指定商品との関係においては、商品の産地を表したものと認識されるものであって、出所識別標識としての称呼、観念を生じないとはいえるとしても、「安納釜」の文字は、かかる称呼、観念を生じないというべき事情は発見できない。
そうすると、引用商標は、その構成中の「蜜焼芋」の文字が、取引者、需要者に対し、強く支配的な印象を与えることはないとみるのが相当であり、当該文字部分を分離、抽出し、それを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されないものといわなければならない。
したがって、引用商標の構成中の「蜜焼芋」の文字を分離、抽出し、その上で、本願商標について、引用商標と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。