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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「造語商標の称呼類似」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2018−7420(T2018−7420/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2018−7420(T2018−7420/J1)
審判種別
不服

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
造語商標の称呼類似
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2018−7420(T2018−7420/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「造語商標の称呼類似」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第9類,第16類,第35類,第38類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成29年3月23日に登録出願され,その後,指定商品及び指定役務については,原審における同年10月30日付け手続補正書及び審判請求と同時に提出された同30年5月30日付け手続補正書により,最終的に,第16類「紙」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第1283917号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:別掲2のとおり

指定商品:第7類,第9類,第11類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品

登録出願日:昭和49年8月23日

設定登録日:昭和52年7月11日

書換登録日:平成20年1月16日

最新更新登録日:平成29年7月4日

(2)登録第3231214号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:別掲3のとおり

指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品

登録出願日:平成6年1月18日

設定登録日:平成8年12月25日

最新更新登録日:平成28年10月11日

(3)登録第4959657号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:「メル」

指定商品:第1類「触媒剤,テクニカルセラミックス製造用合成物,塗料製造用化学添加剤,化学剤,その他の化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),陶磁器用釉薬,高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,写真材料,試験紙,人工甘味料,工業用粉類,原料プラスチック,パルプ」及び第2類「塗料」

登録出願日:平成17年6月21日

設定登録日:平成18年6月9日

更新登録日:平成28年4月19日

(4)登録第5022514号商標(以下「引用商標4」という。)

商標の構成:別掲4のとおり

指定役務:第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務

登録出願日:平成18年7月11日

設定登録日:平成19年2月2日

更新登録日:平成28年9月27日

(5)登録第5523633号商標(以下「引用商標5」という。)

商標の構成:「MEL」(標準文字)

指定商品:第7類,第9類及び第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品

登録出願日:平成23年11月9日

設定登録日:平成24年9月21日

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本願商標と引用商標1,2,4及び5について

本願商標の指定商品及び指定役務は,前記1のとおり補正された結果,引用商標1,2,4及び5の指定商品又は指定役務と類似する商品及び役務が全て削除され,引用商標1,2,4及び5の指定商品又は指定役務と類似しない商品になったと認められる。

イ 本願商標と引用商標3について

(ア)本願商標

本願商標は,別掲1のとおり,桃色でややデザイン化した「Mel」の文字を表し,その中央の「e」の文字の上部に,黒色で右肩上がりにやや小さく,「M」と「l」の文字の間に収まるように「TV」の文字を配した構成からなるものである。

そして,本願商標の構成中の「Mel」の文字部分と「TV」の文字部分とは,色彩及び書体において相違するものの,両者が著しく離れて記載されているとか,いずれかの文字部分が本願商標の指定商品との関係において識別力を有しないものであるといった事情は見当たらないことからすれば,本願商標は,その構成中のいずれかの文字部分のみが取引者・需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえず,その構成全体をもって一体不可分の商標として認識、把握されるとみるのが相当である。

また,その構成中,「Mel」の文字が,「男子の名:Melvinの別称,女子の名:Melanieの別称」等の意味を有する英語(小学館「ランダムハウス英和大辞典」第2版)として,「TV」の文字が,「テレビジョンの略」の意味を有する略語(岩波書店「広辞苑」第7版)として,それぞれ辞書に掲載されているとしても,本願商標は,その構成文字全体として辞書等に掲載のないものであるから,かかる構成においては,具体的な意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。

そうすると,本願商標は,その構成文字に相応して「メルティーブイ」又は「ティーブイメル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(イ)引用商標3

引用商標3は,「メル」の文字を横書きしてなるところ,当該文字は,辞書等に掲載のない語であり,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。

そうすると,引用商標3は,その構成文字に相応して「メル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

(ウ)本願商標と引用商標3との類否について

本願商標と引用商標3の類否について検討すると,外観については,両商標は,それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなるところ,文字の構成態様において明らかに相違するものであるから,外観上,判然と区別できるものである。

次に,称呼については,本願商標から生じる「メルティーブイ」又は「ティーブイメル」の称呼と,引用商標3から生じる「メル」の称呼とは,「ティーブイ」の音の有無,構成音数において明らかな差異を有することから,明瞭に聴別できるものである。

また,観念については,両商標は,ともに特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができない。

そうすると,本願商標と引用商標3とは,観念において比較できないとしても,外観及び称呼において明確に区別できるものであるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すると,両商標は,これを同一又は類似の商品に使用しても,商品の出所について混同を生じるおそれのない,非類似の商標というべきであり,他に,両商標が類似するというべき事情も見いだせない。

ウ 小括

上記アのとおり,本願商標の指定商品及び指定役務は,補正された結果,引用商標1,2,4及び5に係る指定商品又は指定役務と類似しない商品となったことから,商標の類否について言及するまでもなく,本願商標は,引用商標1,2,4及び5との関係において,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

また,上記イのとおり,本願商標と引用商標3とは非類似の商標であるから,両商標の指定商品が類似するものであるとしても,本願商標は,引用商標3との関係において,同法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)まとめ

以上のとおり,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は,取消しを免れない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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