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Trademark Appeal Case

形状表示と略語の結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−8597(T2017−8597/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「ゲルファンデ」の文字を標準文字で表してなり,第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として,平成26年11月26日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

本願商標の指定商品中「化粧品」を取り扱う業界においては,「ゲル」の語は,商品の形状を表すものとして,また,「ファンデ」の語は,化粧品の一種である「ファンデーション」の略語として,それぞれ一般に使用,認識されている。

また,同業界においては,当該「ファンデ」の語が,「パウダーファンデ」や「リキッドファンデ」等のように,商品の形状を表す他の語と結合し「○○+ファンデ」の形で,商品の品質(「○○状のファンデーション」)を表すものとして一般に使用されているのが実情であるところ,ゲル状のファンデーションも一般に取引されている。

以上の事実を総合的に考慮すると,商品の形状を表す「ゲル」の語及び商品の種類を表す「ファンデ」の語を一連に書した本願商標は,その指定商品中「化粧品」との関係においては,その構成全体としても「ゲル状のファンデーション」を認識させるにすぎないというべきある。

したがって,本願商標は,これをその指定商品である「化粧品」のうち,「ゲル状のファンデーション」に使用するときは,単に商品の品質,形状を普通に用いられる方法で表示するにすぎず,また,「ゲル状のファンデーション」以外の「化粧品」に使用するときには,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審における証拠調べ通知

本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べを実施した結果,別掲に示すとおりの事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対し,意見を申し立てる機会を与えるべく,相当の期間を指定して,平成30年3月2日付けで証拠調べの結果を通知したところ,請求人からは,何ら応答がなかった。

4 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について

ア 本願商標は,上記1のとおり,「ゲルファンデ」の文字を標準文字で表してなり,その指定商品中には「化粧品」を含むものである。

イ 本願商標の構成中,「ゲル」の文字は,「コロイド溶液が流動性を失い,多少の弾性と固さをもってゼリー状に固化したもの」の意味を有する語であり,また,「ファンデ」の文字は,「化粧の下地をつくる化粧品」の意味を有する「ファンデーション」の略語であって,それぞれ,化粧品を取り扱う分野においては一般に使用されている語である(別掲1〜3)。

そして,化粧品の一であるファンデーションについては,その特徴,カバー力及び仕上がりの違いなどから,クリーム状,パウダー状,リキッド状及びスティック状等の様々な種類(タイプ)のものが製造,販売されているところ,取引の実際においては,それらを「クリームファンデ」(クリーム状のファンデーションの意),「パウダーファンデ」(パウダー状のファンデーションの意),「リキッドファンデ」(リキッド状のファンデーションの意)」及び「スティックファンデ」(スティック状のファンデーションの意)といったように,商品の種類(タイプ)を表す語(クリーム,パウダー,リキッド及びスティック等)と「ファンデーション」の略語である「ファンデ」の語とを一連に表記したものが,その商品の品質(性状)を表す略称として一般に使用されていることが認められ,ゲル状のファンデーションについても多数の事業者によって製造,販売されており,上記と同様に「ゲルファンデ」とも略称されている(別掲4〜6)。

ウ 本願商標は,「ゲルファンデ」の文字を標準文字で表してなるものであるから,普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。

エ そうすると,本願商標は,これをその指定商品中の「化粧品」に使用するときは,取引者,需要者をして,「ゲル状のファンデーション」であることを容易に認識,理解させるというのが相当であるから,単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当し,また,これを「ゲル状のファンデーション」以外の「化粧品」に使用するときは,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張に対して

ア 請求人は,「ファンデ」の文字は,辞書類に掲載されておらず,本来の意味は不明な用語であるため,化粧品の一である「ファンデーション」を示すものとして一般に使用され認識されているとはいえない旨,また,原査定で示された「リキッドファンデ」や「パウダーファンデ」の使用事例は,インターネット上の広告手法の一つであるリスティング広告で行われている検索用キーワードとしての使用であり,「○○状のファンデーション」の意味合いで使用されたものではない旨,及び,化粧品を指定商品とした「ファンデ」,「ボディファンデ」,「ライトファンデ」などの各文字よりなる商標登録の存在からみても,「ファンデ」の文字は自他商品の識別力を有しないとする理由はない旨主張し,本願商標は,特定の意味や観念を有しない一体不可分の造語であると主張する。

しかしながら,上記(1)イのとおり,「ファンデ」の文字は,「化粧の下地をつくる化粧品」の意味を有する「ファンデーション」の略語であって,化粧品を取り扱う分野においては一般に使用されている語であると認められること,また,「クリームファンデ」,「パウダーファンデ」,「リキッドファンデ」,「スティックファンデ」及び「ゲルファンデ」が,それぞれ,「クリーム状のファンデーション」,「パウダー状のファンデーション」,「リキッド状のファンデーション」,「スティック状のファンデーション」及び「ゲル状のファンデーション」の意を表す略称として一般に使用されていることからすれば,本願商標「ゲルファンデ」からは「ゲル状のファンデーション」を容易に認識させるというべきである。

なお,登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は,当該商標登録出願の査定時又は審決時において,当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて,個別具体的に判断されるべきものであるから,他の登録例の存在によって,上記判断が左右されるものではない。

イ また,請求人は,原査定は,化粧品を取り扱う分野において「ゲル状のファンデーション」が一般に取引されている実情にあると認定しているが,「ゲル状のファンデーション」は,本件出願人が新たに開発したオールインワンタイプのオリジナル化粧品であり,現在業界では本件出願人だけが販売しているものである旨主張する。

しかしながら,上記(1)イのとおり,化粧品を取り扱う分野においては,ゲル状のファンデーションが多数の事業者によって製造,販売されており,「ゲルファンデ」とも略称されていることが認められるから,請求人の主張は採用できない。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから,これを登録することはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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