Trademark Appeal Case
図形商標の外観類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2018−900114(T2018−900114/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第6018378号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成29年3月17日に登録出願、第9類、第35類、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年12月26日に登録査定され、同30年2月9日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5352694号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成21年8月25日に登録出願、第30類「アイスクリーム,フローズンヨーグルト,フローズンヨーグルトパイ及びケーキ,フローズンコンフェクション」及び第43類「レストランにおける飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同22年9月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第35類「全指定役務」(以下「本件申立役務」という。)について、商標法第4条第1項第11号又は同第15号に該当するから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第29号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と類似の商標であり、指定役務についても同一又は類似というべきであって、かつ、引用商標の出願日より後に出願されたものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
仮に、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当しないとしても、出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、アルファベットの「U」状の図形を、中央から左側を橙色で、右側を青色で、左右対称に太線で表し、それぞれの色彩と同じ色彩で塗りつぶした円図形を、「U」状の図形の線の太さと同じ長さの直径で、「U」状の図形の左右両端の真上に1つずつ、「U」状の図形から少し離して配した構成よりなるものである。
また、本件商標から、特定の称呼及び観念が生じるというような事情は見いだせない。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、アルファベットの「U」状の図形を、桃色で細めに縦長で表し、同じ色彩の2つの小さな円図形を「U」状の図形の左右両端の間の空間部分の中央上部に横に並べて、「U」状の図形から少し離して配した構成よりなるものである。
また、申立人は、引用商標の周知・著名性を主張しているが、周知・著名性について客観的に把握することができる証拠は見いだせず、その他に、引用商標から、特定の称呼及び観念が生じるというような事情も見いだせない。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標の類否について検討すると、外観において、本件商標は、橙色と青色の2色で表されているのに対し、引用商標は、桃色1色で表されているという差異、「U」状の図形を構成する線の太さの差異、2つの円図形と「U」状の図形との間の位置の差異、引用商標が縦長の印象を与える点等の顕著な差異を有することから、本件商標と引用商標とは、視覚的に与える印象が大きく異なり、判然と区別し得るというのが相当である。
さらに、両商標からは、共に特定の称呼及び観念は生じないものであるから、称呼及び観念について比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において比較することができないとしても、外観において、明らかに異なるものであり、これらを総合して判断すれば、両者は、非類似の商標というのが相当である。
エ 小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であり、他に、両商標が類似するというべき事情も見いだせない。
したがって、本件申立役務と引用商標の指定商品・指定役務との類否について言及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知・著名性について
申立人は、引用商標は、申立人の商標として、広く一般に知られている旨主張している。
しかしながら、申立人の提出した店舗写真(甲5〜甲12)は、撮影時期や撮影場所(撮影店舗)も不明であり、また、全世界の売上高や店舗数に関する主張についてもこれを客観的に裏付ける証拠も提出されておらず、その他に引用商標の周知・著名性を客観的に把握することができる証拠も見いだせない。
してみれば、引用商標が、申立人の取扱いに係る商品・役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認めることはできない。
イ 本件商標と引用商標との類似性の程度について
本件商標と引用商標は、前記(1)において検討したと同様に、称呼及び観念において比較することができないとしても、外観において、明らかに異なるものであり、これらを総合して判断すれば、両者は、非類似の商標というのが相当であって、類似性の程度が高いものとはいえない。
ウ 本件申立役務と申立人の取扱いに係る商品・役務の関連性、需要者の共通性について
本件申立役務中の「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と申立人の取扱いに係る「アイスクリーム,フローズンヨーグルト」等の商品間においては、小売等の役務とその取扱い商品という関係にあり、役務の提供の場所と商品の販売場所が共通し、共に一般的な需要者を対象とするものであることから、当該役務と申立人の取扱いに係る「アイスクリーム,フローズンヨーグルト」等の商品との関連性は高く、需要者が共通するというのが相当である。
エ 出所の混同のおそれについて
上記アないしウのとおり、引用商標については、申立人の取扱いに係る商品・役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとは認められないものであって、かつ、本件商標は、引用商標と類似性の程度が高いとはいえないものであることからすれば、本件申立役務の一部と申立人の取扱いに係る商品の関連性が高く、その需要者の範囲を共通にするものであったとしても、本件商標に接する取引者、需要者が、申立人に係る引用商標を連想又は想起するものということはできない。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれを本件申立役務について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
オ 小括
したがって、本件商標は、商標権者がこれを本件申立役務について使用しても、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものであるから、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の指定商品・指定役務中、登録異議の申立てに係る指定役務についての登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲1
本件商標(色彩については原本参照。)
別掲2
引用商標(色彩については原本参照。)
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