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Trademark Appeal Case

著名商標の混同範囲

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−1285(T2018−1285/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「BEMBERG ESTATE WINES」の文字を標準文字で表してなり、第33類「ぶどう酒,発泡性ぶどう酒」を指定商品として、平成28年9月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標の構成中の『BEMBERG』の文字は、旭化成株式会社が、商品『繊維』等について、本願商標の登録出願日前から長年にわたり使用している商標『ベンベルグ』の欧文字表記と認められるものである。また、『ベンベルグ』と称する繊維は、肌着等に使用され、旭化成株式会社の商品を表するものとして広く知られているところ、その使用に係る商品は、本願の指定商品とは相違するものの、需要者を共通にすることが少なくないものである。そうすると、たとえ、本願商標の構成中の『BEMBERG』の文字が、出願人が所属するグループ会社の創始者の氏に由来するものであるとしても、我が国における上記『ベンベルグ』商標の著名性や、当該商標と本願商標に係る需要者の共通性等を考慮すると、本願商標をその指定商品に使用するときは、あたかも上記会社又は同社と組織的若しくは経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、前記1のとおり、「BEMBERG ESTATE WINES」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「ESTATE」及び「WINES」の各文字は、本願の指定商品との関係においては、前者は、「ぶどうの栽培からワインづくりまで一貫して行っている生産者」を意味し、「ワイナリー」などと同義といえるもの(「weblio辞書」における「お酒・飲料大辞典」、「winelink」のウェブサイトにおける「ワイン用語辞典」)であって、例えば、「Bimbadgen Estate」(ビンバジン・エステート)や「Hedges Family Estate」(ヘッジス・ファミリー・エステート)のように、(固有)名詞と組み合わせてワイナリー名を表すものとして用いられており、後者は、「ぶどう酒」を意味する英語の複数形であり、例えば、当該「estate」の文字と合わせて、「Lincoln Estate Wines」(リンカーン・エステイト・ワインズ)のように用いられることのあるものである。

そうすると、本願商標は、その構成全体をもって、「BEMBERG(ベンベルグ)というワイナリーのぶどう酒」といった意味合いを表したものと認識されるといえる。

(2)原査定が引用した商標について

原査定は、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとする理由として、旭化成株式会社(以下「旭化成」という。)が商品「繊維」等について使用する「ベンベルグ」(以下「引用標章」という。)を引用しているところ、引用標章は、旭化成が、1928年(昭和3年)にドイツのJ.P.ベンベルグ社から技術導入し、1931年(同6年)に操業を開始した銅アンモニウム法による新たな繊維について、現在まで継続して使用しているものであり(甲4)、旭化成のウェブサイトにおいては、「Bemberg」及び「ベンベルグ」が旭化成の登録商標であり、一般繊維名がキュプラ(Cupra)である旨及びキュプラ繊維を生産している企業が現在では旭化成のみである旨記載されている(甲4、甲20)。また、辞書類においては、例えば、「ベンベルグ[独 Bemberg]」の見出し語の下、「人造絹糸の1.ドイツのベンベルグ社の特許製法によって作られた人絹およびその織地. → キュプラ」と記載され、また、「キュプラ[cuprammonium rayon]」の見出し語の下、「銅アンモニア溶液に溶かしたセルロースを水中に押し出して糸状にした再生繊維.銅アンモニアレーヨン.ベンベルグの日本工業規格名.」と記載されている(「コンサイスカタカナ語辞典 第4版」、株式会社三省堂発行)。

そうすると、旭化成の「ベンベルグ」と称される商品は、上記のとおり、人絹ないしその織地の一種といえるものであって、一般にキュプラと呼ばれるものであり、引用標章が、繊維や糸を製造する繊維素材に係る業界やその繊維素材を用いて被服等を製造する業界においては、旭化成の製造するキュプラ繊維に使用される商標として広く知られているとはいい得るものの、肌着等の素材としての使用に際し、引用標章が具体的にどのように用いられているかは明らかでない。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について

本願商標は、上記(1)のとおり、その構成中に「BEMBERG」の文字を含んでなるものの、本願の指定商品との関係においては、当該文字に続く「ESTATE WINES」の文字との組合せをもって、「BEMBERG(ベンベルグ)というワイナリーのぶどう酒」といった意味合いを想起させるものであるから、当該「BEMBERG」の文字のみが看者に強く印象付けられることはないとみるのが相当であり、また、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなる本願商標と引用標章とは、その構成文字全体において大きく異なるものであるから、両者の類似性の程度は極めて低いというべきである。

さらに、引用標章は、上記(2)のとおり、旭化成が製造するキュプラ繊維に使用する商標として、繊維素材に係る業界やそれを用いて被服等を製造する業界において広く知られているとはいい得るものの、その使用に係るキュプラ繊維は、本願の指定商品である第33類「ぶどう酒,発泡性ぶどう酒」とは、その生産部門、販売部門、原材料、用途等が明確に異なるものであり、その需要者についても、共通性があるとはいい難い。

上記を総合勘案すれば、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者及び需要者をして、引用標章を連想又は想起することはなく、その商品が旭化成又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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