Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−12309(T2017−12309/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第33類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成28年5月6日に登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品については、原審における同年8月1日付けの手続補正書により、第33類「清酒」と補正された。
第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5016871号商標は、「白砂青松」の文字を標準文字で表してなり、平成18年4月19日に登録出願、第30類「和菓子」及び第33類「日本酒,焼酎,果実酒」を指定商品として、同19年1月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、絵画と思しき絵柄(以下「図形部分」という。)とその上に毛筆体の文字(以下「文字部分」という。)を配してなるものである。
そこでまず、本願商標全体についてみると、視覚上、その文字部分と図形部分とは、分離して看取されるものであり、文字部分と図形部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているというべき事情は認められない。
次に、文字部分についてみると、中央の文字部分は、「白砂青松」の文字であると容易に判読できるものの、左端の文字部分は、読み仮名がなければ「大観」の文字であると判読できない程度の毛筆体で書されている。
また、図形部分の左端には、極めて小さく表示した落款と思しきものが表示されているが、これも読み仮名がなければ「大観」の文字であるとは判読できない。
そうすると、本願商標の構成中、容易に判読できる「白砂青松」の文字部分が需要者に対して強く支配的な印象を与えるものといえるから、本願商標から「白砂青松」の文字を抽出し、この部分を他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標からは、その構成中、「白砂青松」の文字部分より、「ハクサセイショウ」の称呼及び「白い砂と青い松」の観念が生じるというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、「白砂青松」の文字を標準文字で表してなるところ、これよりは、「ハクサセイショウ」の称呼及び「白い砂と青い松」の観念が生じるというのが相当である。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標の構成中の「白砂青松」の文字部分と引用商標とを比較すると、両者は、上記(1)及び(2)のとおり、生じる称呼及び観念に異なるところはなく、字体において毛筆体と標準文字との差異があるとしても、構成する文字が同一であるから、両者は、外観において相紛れるおそれがあるものというべきである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、構成全体の外観においては相違するものの、本願商標の「白砂青松」の文字部分と引用商標とは、構成する文字が同一であり、生じる称呼及び観念に異なるところはないものであるから、両者の外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛らわしい類似の商標というべきである。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品は、第33類「清酒」であるところ、引用商標の指定商品中には、第33類「日本酒,焼酎」を含むものであるから、本願の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似する商品である。
(5)小括
以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、少なくとも茨城県北部を中心に、本願商標の構成中の「大観」の文字と同一の構成文字からなる商標「大観」は、請求人の商品「清酒」に係る商標であると認識されるに至っているから、需要者、取引者が本願商標に接したとき、その清酒の出所が請求人であることは、本願商標の構成中の「大観」の文字部分をみれば当然に認識される旨主張している。
しかしながら、本願商標の構成中、「大観」の文字部分が、請求人の業務に係る商標として需要者の間に広く認識されていると認め得る証拠は見いだせないから、請求人のこの主張は採用することができない。
(2)請求人は、本願商標は(i)「絵画」の部分、(ii)その絵画の作者名と請求人の商標を認識させる「大観」の文字及び(iii)その絵画の題名である「白砂青松」の文字とが結合して、横山大観の美の世界が表現されるのであり、「白砂青松」の文字部分のみを抽出して、引用商標と比較すべきではない旨主張している。
しかしながら、請求人が本願商標を採択した意図は措くとして、本願商標に接する需要者が、(i)その図形部分が横山大観作の絵画であること及び(ii)その絵画の題名が「白砂青松」であることを理解し、認識すると認め得る証拠は見いだせず、上記1(1)のとおり、本願商標から、「白砂青松」の文字を抽出し、この部分を他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであるから、請求人のこの主張も採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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