Trademark Appeal Case
時短商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−19407(T2017−19407/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「時短」の文字を標準文字で表してなり,第16類及び第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成28年1月26日に登録出願されたものである。
その後,原審における同年10月14日付けの手続補正書及び当審における同29年12月27日付けの手続補正書により,その指定商品は,最終的に,第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。),化粧用パフ」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由
本願商標は,「時短」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は「時間短縮の略」等を意味する語で,特に化粧品を取り扱う業界において,他の商品と比較して時間短縮につながる商品を表す際に,使用されている実情が確認できる。また,本願の指定商品には,化粧品と密接に関連する「化粧用具」等が含まれる。
そうすると,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者は,単に「時間短縮につながる商品」であることを表したものと認識するにとどまり,商品の品質又は効能を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審における証拠調べ通知
当審において,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,職権により証拠調べをした結果,別掲1ないし3の事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,その結果を請求人に通知し(平成30年6月1日付け証拠調べ通知書),意見を求めた。
4 証拠調べ通知に対する請求人の回答
請求人は,上記3の証拠調べ通知に対して,所定の期間内に何ら応答するところがない。
5 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性
本願商標は,「時短」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は一般の辞書等によると「時間短縮。労働時間の短縮。」の意味を有する語であるところ(別掲1),新聞の掲載記事等によれば,「時短」の語は,時間の短縮の意味に限らず,家事や化粧の時間を短縮することを示す略語として,白物家電,食品,化粧品などを含む幅広い分野において一般に使用されているものである(別掲2)。
そして,化粧や作業の「時短」(時間短縮)を特徴とする化粧品や化粧用具について,例えば,髪をとかしながら早く乾かせる時短ブラシ(ヘアブラシ),メイクの時短につながるメイクアップブラシ,おでかけ前の時間を短縮するのに最適な時短メイクセット,時短ケアしたい朝のお手入れに使えるスキンケアマスク,パフのワンストロークで瞬間カバーする時短ファンデーション,時短メイクに最適なBBクリームバーなどが販売されており,「時短」,「時短!」,「超時短!」などの語を表示した化粧に係る時間を短縮できる化粧品や化粧用具が広く流通している実情がうかがえる(別掲3)。
そうすると,本願商標は,その語義及び上記のような取引の実情も踏まえると,全体として,単に「時間短縮」の略語を表記したものと容易に認識させるものであり,これに接する需要者,取引者は,その指定商品との関係においては,商品の品質を表したものと容易に理解するというべきである。
したがって,本願商標は,その指定商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであり,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は,本願商標「時短」は,本願指定商品との関係において,極めて抽象的な意味合いしか生じ得ないものであると理解,認識するのが自然であり,単なる商品の品質等を表示したものとして理解されることは無く,十分に自他商品識別機能を果たし得る旨主張するが,上記(1)で記載したとおり,一般的に「時短」の文字は,「時間短縮。労働時間の短縮。」の意味を有する語であると理解され,また,本願指定商品との関係において,「時短」の文字を用いて時間短縮を特徴とする商品が流通している実情が認められることよりすれば,その主張を採用することはできない。
また,請求人は,過去の登録例を挙げ,本願商標も登録されるべき旨主張するが,商標が識別力を有するか否かの判断は,査定時又は審決時において,取引の実情を勘案し,その指定商品の需要者の認識を基準として,商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ,請求人が挙げた登録例は,いずれも本願商標とはその構成や指定商品等を異にし,かつ,本件の審決時における我が国における取引の実情は上記(1)のとおりであるから,その主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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