結論テキスト
審判費用は,被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2017−300366(T2017−300366/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第5667483号商標(以下「本件商標」という。)は,「ポンタ」の片仮名を標準文字で表してなり,平成25年8月21日に登録出願,第21類「食器類(貴金属製のものを除く。),胡椒入れ,砂糖入れ,塩ふりだし容器,たまご立て,盆,ようじ入れ,すり鉢,板製札,金魚鉢,水槽,ろうそく立て,ろうそく消し,茶道用茶碗,茶道用茶入れ,茶道用棗,茶道用水差し,茶道用蓋置,茶道用建水,香合」を指定商品として,同26年5月9日に設定登録されたものである。
本件審判の請求の登録(予告登録)は,平成29年6月12日になされている。
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を以下のように述べ,証拠方法として甲1〜3を提出した。
本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法50条1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)乙4,5に記載された「ポンタ」は,いずれも著作者名(本件商標権者の陶芸家としての名称)を表示するにすぎないから,商標の使用を証明するものではない。
(2)乙4には,実際の購入希望者とのやり取りが記載されているものの,「ご注文品を探したのですが,既に手元には無いようです。同じ織部で別なものでしたらお送りできるのですが」と記載されているように,「ポンタ織部グイ呑み」は既に手元にない状態であり,また,乙5に関しても,現在の「ポンタ織部グイ呑み」に係るインターネット販売サイト「minne」を見てみると,確かに,価格が880円で販売されているものの,その送料は「10,000円」と極めて高価であり,また,配送エリアも通常の記載ではない「地球」となっている(甲3)ことから,実際には販売する気がないことは明らかである。
したがって,本件商標権者は,事業として「ポンタ織部グイ呑み」を販売しているとは到底いえず,そうである以上,「ポンタ織部グイ呑み」は商品ともいえないから,商標法2条1項1号に規定する「業として商品を生産し,証明し,又は譲渡する者がその商品について使用するもの」には該当しない。のみならず,「ポンタ織部グイ呑み」が商品ではない以上,そもそも,その商品の広告,価格表及び取引書類といった概念を観念することはできないから,これらの使用(乙4,5)は,商標法2条3項8号に規定する「商品若しくは役務に関する広告,価格表若しくは取引書類・・・又はこれらを内容とする情報」には該当しない。
(3)結論
以上のとおりであるから,本件商標は,3年以上使用されておらず,取り消されるべきである。
請求人は,平成29年12月25日付けの上申書により,被請求人が希望する書面審理に同意する旨述べた。
被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求めると答弁し,その理由を以下のように述べ,証拠方法として乙1〜5を提出した。
(1)本件商標の使用について
ア 本件商標権者は,本件審判の請求の登録前3年以内(以下「本件要証期間内」という。)である平成28年1月13日頃に,インターネット販売サイト「iichi」において,商品「ぐい呑み」(茶碗)に関する販売広告を内容とする情報に標章「ポンタ」を付して電磁的方法により提供した(乙4)。
イ 乙5は,インターネット販売サイト「minne」の記事である。当該記事には,「ポンタさんの作品がお気に入りに登録されました!」ほか,2017年(平成29年)5月6日に「ソラマメさんがあなたの作品をお気に入りに登録しました。」と表示があり,購入の検討が推測される。
ウ 商品「ぐい呑み」は,本件審判の請求に係る指定商品中の「食器類,茶道用茶碗」に相当する。
(2)結論
上記(1)によれば,本件商標は,取り消されるべきものではないことは明白である。
被請求人は,平成29年12月9日付けの上申書により,答弁書において主張立証を尽くしたため,書面審理を希望する旨述べた。
(1)乙1〜3について
ア 乙1は「Yahoo!ブログ記事」とのことであるが,当該掲載内容は,いずれも本件要証期間内のものではないこと,また,その内容も「この日はポンタ器の窯出しなのでした・。・。」(2017/7/6付け記事),「ポンタの新たな車で行くことに。,。,」(2017/7/2付け記事),「なかむらさんの頭の右側辺りの/白いの/ポンタが本焼きをお願いしたものなのでした・,。/どう上がるのか??/制作過程がテキトウなので/ポンタ自身想像がつかないところも?!/....../約1年半あまり手元に/素焼きの器がじっとしたままだったのですが・・。/諸事情も許し/やっと手を付けてみる気になったのです。。」(2017/6/27付け記事)及び「ponta器 2017’梅雨〜」のタイトルと器の写真(2017/7/10付け記事)などであって,ブログ記事の投稿者名として「ポンタ」の語が理解されるにすぎないものや,ポンタ器なるものも販売を目的とした商品なのか,単に個人の製作物を見せるためだけに掲載したものなのか定かではない。
イ 乙2は「Twitter」とのことであるが,その掲載内容は,本件商標の指定商品とは何ら関係のないものである。
ウ 乙3は本件商標権者が「配布している名刺」とのことであるが,当該名刺は,本件商標権者が「ポンタ」との雅号にて製陶(陶磁器を作ること)を行っていることを表した名刺であるとは理解できるものの,自ら製陶を業としているのか,単に個人の趣味範囲でそれを行っているにすぎないのか定かではなく,また,当該名刺の記載内容からだけでは製陶に係る具体的な製作物(例えば,本件商標の指定商品中のいずれの商品であるか)も把握できない。したがって,仮に,本件商標権者が本件要証期間内に日本国内において,当該名刺を不特定多数の者に配布したとしても,それをもって本件商標の使用行為があったと認めることはできない。
エ したがって,乙1〜3をもっては,日本国内において,本件商標権者(ないしは専用使用権者又は通常使用権者)が,本件商標をその指定商品中のいずれかの商品について,商標法2条3項各号所定の使用行為を行ったものとは認めることができない。
(2)乙4について
ア 本件商標権者は,遅くとも,本件要証期間内である平成28年1月13日には,インターネット販売サイト「iichi」において,自己が製作した作品である「ぐい呑み」の写真を掲載するとともに,その作品名を「ポンタ織部グイ呑み」,数量を「1」及び価格を「¥1,280」と記載していたことから,当該商品「ぐい呑み」(茶碗)(以下「本件商品1」という。)に関する販売広告を内容とする情報に標章「ポンタ」を付して電磁的方法により提供していたこと,また,本件商品1の注文を1件受けていたことが認められる(乙4)。
イ しかしながら,証拠(乙4)によれば,本件商標権者は,本件商品1の注文者(買い手)に対し,本件商品1が既に手元にはなかったことから,注文当日(平成28年1月13日)に,同じ織部焼で別の作品(商品)を写真付きで代替提案しており,また,その翌日に,当該注文者から,写真とは別の変形していない形状のものや,新たに作成できないかとの注文(希望)を受けていたにもかかわらず,それに対する回答を何らしておらず,本件商標権者は,そもそも本件商品1の製作販売を「業として」行っていたのか疑義があるから,そうである以上,本件商品1は商標法上の商品とは認めることができない。
ウ したがって,たとえ,本件商品1に関する販売広告を内容とする情報に標章「ポンタ」を付して電磁的方法により提供していたとしても,当該行為は商標法2条3項8号所定の「商品......に関する広告,価格表若しくは取引書類......又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」には該当しない。
(3)乙5について
ア 本件商標権者は,遅くとも,本件要証期間内である平成29年3月11日には,インターネット販売サイト「minne」において,自己が製作した作品である「ぐい呑み」の写真を掲載するとともに,その作品名を「ポンタ織部グイ呑み」,在庫を「1」及び価格を「880円」と記載していたものと推認でき,当該商品「ぐい呑み」(茶碗)(以下「本件商品2」という。)に関する販売広告を内容とする情報に標章「ポンタ」を付して電磁的方法により提供していたものと認めることができる(乙3,5,甲3)。
イ しかしながら,甲3によれば,同サイトでは,本件商品2の販売価格が「880円」であるのに対し,その送料が「10,000円」となっていること,また,配送エリアも「地球」としか記載されておらず,この販売サイトが基本的に日本語で記載されており,日本国内の一般消費者等を対象としていることからすると,常識的にみて,本件商標権者が本件商品2を実際に販売するつもりで掲載していたものとは到底解されない。
そうすると,本件商標権者は,本件商品2についても「業として」製作販売していたものとは認め難く,そうである以上,本件商品2は商標法上の商品とは認めることができない。
ウ したがって,たとえ,本件商品2に関する販売広告を内容とする情報に標章「ポンタ」を付して電磁的方法により提供していたとしても,当該行為は商標法2条3項8号所定の「商品......に関する広告,価格表若しくは取引書類......又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」には該当しない。
以上のとおりであるから,被請求人は,本件要証期間内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。
また,被請求人は,本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標の登録は,商標法50条の規定により,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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