Trademark Appeal Case
論点抽出失敗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−9265(T2017−9265/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類「マシュマロ,洋菓子,その他の菓子」を指定商品とし、平成27年6月26日に位置商標として登録出願、その後、本願の指定商品については、原審における同28年9月28日付け手続補正書により、第30類「マシュマロ(和風マシュマロを含む)」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願の指定商品の分野においては、美感を発揮させるため、商品の魅力の向上のため、又は需要者の注意を惹く目的等で、出所を表示するための識別標識以外の、装飾的な図形、色彩を用いた図柄が使用されている実情があり、動物の顔を模した図柄についても、複数の業者が、商品について使用をしている実情が見受けられる。そして、本願商標を構成する図形は、格別に特異なものとはいえず、前記実情を踏まえると、本願商標に接する需要者は、単に美感を発揮する等のために使用され得る図柄の一種として理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない。また、出願人は、本願商標が付された商品は、継続的に、メディアで多数紹介されており、登録されるべきである旨述べるが、その使用数量及び使用地域は不明であり、使用期間については、提出された最も古い新聞記事等を勘案すれば、わずか2年程度である。そうすると、テレビで紹介されるなどの宣伝広告の状況を踏まえても、本願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているということができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
ア 本願商標は、別掲1のとおり、「商標登録を受けようとする商標」の記載及びそれを特定する「商標の詳細な説明」の記載からなる位置商標であり、第30類「マシュマロ(和風マシュマロを含む)」を指定商品とするものである。
ところで、本願の指定商品を含む菓子を取り扱う業界においては、商品の魅力向上や需要者の関心を引くなどといった目的のため、商品の表面に様々な図形や色彩を装飾的に付すことが一般に広く行われているところ、円状又はその一部に突起を有する形状の菓子の一面に、目、鼻、ひげ等を表した図形を付すことにより、全体として、動物の顔を認識させる形態からなるものが、一般に製造、販売されている実情が認められる(原審において示した例及び別掲2に示す例参照)。そして、そのような製造、販売に係る商品においては、目をつり目で表す、ひげを目の下に表すなどといった手法が用いられる一方、動物の顔を模する際に、例えば、目を円で表す、ひげを目の下からややずらして表すなど、その構成要素をデフォルメする場合も少なくない。
そうすると、ほぼ円状の外形に左右上側の2か所が外形よりも小さな円弧状に出っ張った形状の菓子の上面に動物の目、鼻及びひげの図形が付されたものであって、中央に黒目のあるつり目がやや上方に、ピンク色に彩色された逆三角形様の鼻が目の下の中央部に、3本ずつの直線で表されたひげが左右の目の下に配されている本願商標は、その構成要素である各図形の形状及び位置について子細にみれば、上記動物の顔を認識させる形態からなり、一般に製造、販売されている菓子とは異なる点があるとはいえるものの、需要者をして、その菓子の一類型として認識されるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、その指定商品との関係においては、ほぼ円状の外形に左右上側の2か所が外形よりも小さな円弧状に出っ張った形状のマシュマロ(和風マシュマロを含む)の上面に、上記のとおりの構成態様からなる動物の目、鼻及びひげの図形を配してなるものであり、これに接する需要者をして、商品の魅力向上等のために使用され得る装飾的な図形などとして認識されるにとどまるというべきである。
したがって、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識されることのないものである。
イ 請求人は、本願商標について、請求人が「ニャシュマロ」の商品名をもって販売する商品「マシュマロ」の図形として、さらに、請求人が行っている各種の猫グッズを企画、販売する事業として周知の「猫部」のキャラクターとして、特定の需要者層において認知されているものであるから、これをその指定商品について使用した場合、これに接する者は、その構成中、強く支配的な印象を受ける大きなつり目を強調しつつ、3本のひげとピンクの鼻という特徴のみを表してなる中心部のキャラクターの顔について着目し、商品の出所識別標識として認識する旨主張し、当審において資料0ないし資料34(枝番号を含む。)を提出している(なお、本審決においては、以下、当該資料のうちの資料1ないし資料34については、順次、甲第1号証ないし甲第34号証と読み替えることとし、当該資料のうちの資料0については、甲第35号証と読み替えることとする。)。
そこで、請求人の提出に係る上記甲各号証をみるに、SNS情報において、請求人に係る「フェリシモ猫部」が販売する「ニャシュマロ」と称するマシュマロであって、その一面に目、鼻、ひげのほか、口を描き、様々な色彩で彩色するなどして猫の顔をかたどったもの(2015年1月22日発売)が採り上げられている(甲1〜甲4、甲6、甲8、甲9−2、甲10、甲16〜甲19)ものの、その数はさほど多くはなく、また、その内容として表されているマシュマロも、上記態様をもって猫の顔をかたどったものと認識されるといえ、そのうちの目、鼻、ひげのみが看者に強く印象付けられるとはいい難いものである。
また、請求人に係る「フェリシモ猫部」については、独自のウェブサイトを設けて情報発信をし、テレビ番組や雑誌で紹介されていることはうかがえる(甲23〜甲26、甲29、甲30)ものの、その内容は、主に「フェリシモ猫部」の活動状況や、「ニャシュマロ」とは異なる様々な猫の絵図をモチーフとした各種商品の紹介であり、その情報発信や紹介において、本願商標を構成する標章が出所識別標識として認識され得る態様をもって使用されている事実は見当たらない。
さらに、全国各地で開催したとする一時的な店舗も、その多くは東京であり、かつ、期間も極めて短いものにすぎない上、その店頭とされる場においても、上記「ニャシュマロ」やそれ以外の猫の絵図をモチーフとした商品が置かれている様子はうかがえるものの、本願商標を構成する標章が出所識別標識として認識され得る態様をもって使用されている事実は見当たらない(甲27、甲28、甲31)。
加えて、請求人は、上記「ニャシュマロ」の売上額等に基づき、「ニャシュマロ」が、動物の形をしたマシュマロとして、高シェアの商品であるとしつつ、それがオリジナルの1ブランド・キャラクター図柄で展開していることから、本願商標は、当該商品に付されているキャラクターとして、需要者に認知される割合が高い旨主張するが、「ニャシュマロ」と称するマシュマロは、上記のとおり、その一面に目、鼻、ひげのほか、口を描き、様々な色彩で彩色するなどして猫の顔をかたどったものであって、そのうちの目、鼻、ひげのみが看者に強く印象付けられるとはいい難いものであるから、仮に、当該マシュマロのシェアが、請求人が主張するように高いものであるとしても、本願商標を構成する標章が、需要者をして、当該マシュマロに係る出所識別標識として認識されることはないとみるのが相当である。
なお、請求人は、2017年6月6日に検索エンジンを用いて「ニャシュマロ」の語を検索した結果(甲20〜甲22)を示して、本願商標が付された商品は周知であった旨主張するが、提出された証拠によっては、その検索結果の詳細を把握することができないことから、これをもって、本願商標を付した商品が周知であったか否かを推し量ることはできない。
してみれば、本願商標は、請求人提出の甲各号証を総合してみても、需要者において、請求人の業務に係る商品を表示する商標として認識されているとはいえないというべきである。
ウ 上記ア及びイによれば、本願商標は、その指定商品との関係において、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであり、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、菓子の表面に動物の顔を表記するという意匠的手法が一般的に行われているという実情があるとしても、そのことをもって、一律に識別力がないと結論付けることは誤りであり、本件においては、実際の使用態様に照らせば、その使用に係る標章は、仮に意匠的な機能を果たしているとしても、自他商品の識別標識としての機能をも果たしている旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記(1)アのとおり、本願の指定商品を含む菓子に係る取引の実情を鑑みれば、その指定商品との関係においては、需要者をして、商品の魅力向上等のために使用され得る装飾的な図形などとして認識されるにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識されることはないと判断すべきものであり、また、請求人が本願商標を使用しているとする「ニャシュマロ」と称する商品によっては、本願商標が、請求人の業務に係る商品を表示する商標として需要者に認識されているとはいえないこと、上記(1)イのとおりである。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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