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Trademark Appeal Case

結合商標の要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−5021(T2018−5021/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第24類「布製身の回り品,バスタオル,タオルケット,まくらカバー,布団カバー」を指定商品として,平成29年3月28日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5294655号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成21年3月23日登録出願,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱,家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,揺りかご,幼児用歩行器,額縁」,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,シャワーカーテン,織物製トイレットシートカバー,織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳,布製ラベル」並びに第25類,第39類,第44類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同22年1月15日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は,別掲1のとおり,上段に白抜きで極太の「h」の欧文字を図案化した図形を配し,中段に「HOTEL’S」の欧文字を大きく書してなり,下段に「hiorie」の欧文字を小さく書した構成からなる結合商標であるところ,その外観上,図形部分と文字部分とは明瞭に区別して認識することができるものである。

そして,本願商標中の図形部分の白抜きで極太の「h」の欧文字を図案化した図形は,特定の事物・事柄を表したものとは直ちに理解し難い構成からなるものといえるから,この部分から特定の称呼及び観念は生じないものと認められる。

また,本願商標中の文字部分中「HOTEL」の欧文字は,我が国において,宿泊施設である「ホテル」を意味する英語として,「’S」の欧文字は,名詞の所有格を表す英語として,一般に広く知られているものであるから,「HOTEL’S」の構成全体から「ホテルの」の意味を認識させるものである。そして,「hiorie」の欧文字は,辞書等に載録された成語ではなく,特定の意味を有しない一種の造語と認められ,特定の観念は生じないものである。

以上のとおり,本願商標は,図形部分と文字部分とが,視覚上分離して看取し得るものであり,また,称呼上及び観念上の繋がりもなく,両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合されている事情は見いだせないものであるから,図形部分と文字部分のそれぞれを出所識別標識としての機能を有する要部として認識,理解するというのが相当であり,要部である文字部分をもって他人の商標と比較して商標としての類否を判断することが許されるというべきである。

さらに,本願商標の文字部分については,「HOTEL’S」の欧文字と「hiorie」の欧文字は,それぞれ異なる大きさ,太さで書されていることから,外観上,明瞭に区別して認識することができること,かつ,両者は観念的なつながりも認められないことからすると,両者は,これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められないものであるから,「HOTEL’S」及び「hiorie」のそれぞれも出所識別標識としての機能を有する要部として認識,理解するというのが相当であり,要部である「HOTEL’S」の欧文字をもって他人の商標と比較して商標としての類否を判断することも許されるというべきである。

してみれば,本願商標は,文字部分における構成全体から生じる「ホテルズヒオリエ」の称呼のほか,大きく表された「HOTEL’S」の欧文字に相応して「ホテルズ」の称呼及び「ホテルの」の観念が生じるものであり,「hiorie」の欧文字に相応して「ヒオリエ」の称呼が生じ,特定の観念は生じないものである。

(2)引用商標について

引用商標は,別掲2のとおり,上段に大きく書した「W」の欧文字と,その下段に「HOTELS」の欧文字とを二段に書してなるものである。そして,その構成中「HOTELS」の欧文字は,英語「HOTEL」の複数形で「ホテル」の意味を認識させるものであるところ,語尾に「HOTELS」の文字を付して,ホテルの名称を表すことが一般に行われていることからすると,かかる構成にあっては,その構成全体をもって一体不可分に表されたホテルの名称として認識,把握されるとみるのが自然である。

そうすると,引用商標は,「ダブリュウホテルズ」のみの称呼を生じるものであり,ホテルの名称としての「Wホテルズ」の観念が生じるものである。

(3)本願商標と引用商標との類否について

ア 外観

本願商標の要部である文字部分全体と引用商標の外観においては,両者は「HOTELS」の欧文字のつづりを共通するものの,「’」(アポストロフィ),「hiorie」及び「W」の欧文字の有無,並びに書体に明らかな差異を有するものであるから,見誤ることはなく,外観上,相紛れるおそれはないものである。

また,本願商標の要部である「HOTEL’S」の欧文字と引用商標の外観においては,両者は「HOTELS」の欧文字のつづりを共通するものの,「’」(アポストロフィ)及び「W」の欧文字の有無,並びに書体に明らかな差異を有するものであるから,見誤ることはなく,外観上相紛れるおそれはないものである。

イ 称呼

本願商標の要部である文字部分全体又は「HOTEL’S」の欧文字のみから生じる「ホテルズヒオリエ」又は「ホテルズ」の称呼と,引用商標から生じる「ダブリュウホテルズ」の称呼とは,その構成音の差異により,それぞれ明瞭に聴別できるものである。

ウ 観念

本願商標の要部である文字部分全体からは,特定の観念を生じないものであり,要部である「HOTEL’S」の欧文字のみからは,「ホテルの」の観念が生じる一方,引用商標からは,ホテルの名称としての「Wホテルズ」の観念を生じるものであるから,本願商標と引用商標は,観念において相紛れるおそれはないものである。

そうすると,本願商標の要部である文字部分全体又は「HOTEL’S」の欧文字と引用商標とは,外観において判然と区別し得るものであり,称呼においても明瞭に聴別できるものであって,観念において相紛れるおそれはないから,これらを総合的に勘案すると,相紛れるおそれのない,非類似の商標というのが相当である。

さらに,本願商標のその他の構成図形及び文字において明らかな差異を有するものであるから,その他の構成要素を勘案しても,両商標が類似の商標であると判断すべき特段の事情は見いだせない。

したがって,本願商標と引用商標とは,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に考察すると,両商標を同一又は類似の商品に使用したとしても,商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない非類似の商標というべきである。

(4)まとめ

以上のとおり,本願商標は,引用商標とは,類似する商標ではないため,その指定商品について比較するまでもなく,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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