Trademark Appeal Case
inside結合商標の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2018−900060(T2018−900060/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第6002344号商標(以下「本件商標」という。)は、「CAAC/CAC inside」の文字を書してなり、平成29年4月3日に登録出願、後掲1のとおりの第9類の指定商品ほか、第12類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年11月17日に登録査定、同年12月8日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第5042114号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様:別掲1のとおり
登録出願日:平成18年1月5日
設定登録日:平成19年4月20日
最新更新登録日:平成29年2月28日
指定商品:後掲2のとおり
(2)登録第5296055号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様:「INTEL INSIDE」(標準文字)
登録出願日:平成21年3月10日
設定登録日:平成22年1月22日
指定商品:後掲3とおり
(3)登録第5777817号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様:別掲2のとおり
登録出願日:平成26年10月7日
設定登録日:平成27年7月10日
指定商品:後掲4のとおりの第9類の指定商品ほか、第10類、第14類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
(4)登録第4222888号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様:「THE COMPUTER INSIDE」
登録出願日:平成8年10月17日
設定登録日:平成10年12月18日
抹消登録日:平成21年8月19日
指定商品:第16類「コンピュータに関する印刷物」
(5)登録第4233497号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様:「THE COMPUTER INSIDE」
登録出願日:平成8年10月17日
設定登録日:平成11年1月22日
抹消登録日:平成21年10月14日
指定商品:第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクその他の周辺機器を含む。),コンピュータ用メモリ素子,半導体記憶装置,集積回路,集積回路チップ,その他の電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く),FAXモデム」
(6)登録第4492276号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の態様:「THE JOURNEY INSIDE」(標準文字)
登録出願日:平成12年3月15日
設定登録日:平成13年7月19日
最新更新登録日:平成23年5月24日
指定役務:第41類に属する商標登録原簿に記載の役務
(7)登録第5651671号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の態様:「LOOK INSIDE」(標準文字)
登録出願日:平成25年3月13日
優先権主張:サンマリノ共和国 2013年1月31日
設定登録日:平成26年2月21日
指定商品及び指定役務:後掲5のとおりの第9類の指定商品ほか、第41類に属する商標登録原簿に記載の役務
(8)登録第5651672号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の態様:別掲3のとおり
登録出願日:平成25年3月13日
優先権主張:サンマリノ共和国 2013年2月1日
設定登録日:平成26年2月21日
指定商品及び指定役務:後掲6のとおり第9類の指定商品ほか、第41類に属する商標登録原簿に記載の役務
以上のとおり、引用商標1ないし引用商標3及び引用商標6ないし引用商標8は、いずれも現に有効に存続しており、以下、これらをまとめて「引用商標」という。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、本件商標登録出願の日前の商標登録出願に係る引用商標に類似する商標であって、本件商標の指定商品及び指定役務のうち、第9類の指定商品は、引用商標の指定商品又はこれに類似する商品について使用をするものである。
よって、商標登録を受けることはできない。
2 商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人の商標として、本件商標の出願前から広く一般に知られている商標に類似する商標であるから、これと類似する本件商標が引用商標の指定商品及び指定役務に使用された場合、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
よって、商標登録を受けることはできない。
3 商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている引用商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもって使用をするものである。
よって、商標登録を受けることはできない。
第4 当審の判断
1 「INTEL(intel)」及び引用商標等の著名性について
(1)申立人の提出した甲各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
ア 申立人は、1968年(昭和43年)7月18日にアメリカ合衆国カリフォルニア州で創業された半導体製品メーカーであり、1969年(昭和44年)にインテル製品1号となるメモリー製品「ジョットキー・バイポーラーRAM3101」を発売し、また、1971年にマイクロプロセッサを開発し、以後現在に至るまで、マイクロプロセッサを開発、製品化しており(甲6)、申立人の年間売上げは、2014年(平成26年)が約559億ドル(約6兆3,167億円。1ドル=113円で計算。)、2013年(平成25年)が527億ドル、2012年(平成24年)は533億ドルであった(甲6)。
イ 申立人は、1982年(昭和57年)頃から商標「intel」をマイクロプロセッサについて使用し、1991年(平成3年)以降、消費者が申立人のマイクロプロセッサを搭載したパソコンを簡単に認識できるようにするため、「Intel Inside」の文字を含むロゴを採用し、2006年(平成18年)には「intel」の文字を含むロゴに刷新して、以後現在も継続して使用している(甲6)。
ウ 日本における本格的な営業活動は、1971年(昭和46年)開設の「インテル・ジャパン・コーポレーション日本支社」により開始され、同支社は1976年(昭和51年)4月に「インテルジャパン株式会社」として法人登記され、その後「インテル株式会社」と名称変更され、現在も継続して営業活動が行われている(甲6)。
(2)上記(1)からすると、次のように判断できる。
「INTEL(intel)」の文字は、本件商標の登録出願の日前から、申立人の製造に係るマイクロプロセッサ等の商品を表示するものとして、日本国内及び米国をはじめとする外国における需要者の間に広く認識されている商標であって、その状況は本件商標の登録査定日においても継続していたといえるものである。
しかしながら、申立人の提出した証拠によれば、引用商標が使用されている事実及び「INSIDE(inside)」の文字が単独で使用されている事実を示す証左は見いだせない。
また、申立人が「intel」以外の文字と「inside」の文字を結合した標章を使用した事実が見いだせないことはもとより、「inside」の文字が、「内側の、内部に」等の意味を有する平易な英単語であることからすると、必ずしも「INSIDE(inside)」の文字を申立人と関連付けて認識するものとはいえず、「intel」以外の文字と結合した「○○○INSIDE(inside)」の構成からなる商標及び「INSIDE(inside)」の文字は、申立人の製造に係る商品を表示するものとして、日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
なお、申立人は、外国において「○○○INSIDE(inside)」形式の構成からなる商標が、申立人の業務に係る商品又は役務と出所混同を生ずるおそれがあるなどと認定され、他人による「○○○INSIDE」形式の商標の登録及び使用が禁じられたとする事案を挙げているが、その事実を裏付ける証拠は提出されていないばかりか、外国における判断を直ちに本件の判断の基礎としなければならない理由はない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、「CAAC/CAC inside」の文字を書してなるところ、その構成において、「CAAC/CAC」の文字部分と「inside」の文字部分との間は一文字程度間隔が空いているものの、まとまりよく一体に構成され、これから生じる「シイエイエイシイシイエイシイインサイド」の称呼も、やや冗長ではあるが、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、その構成中のいずれかの文字部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとはいい難いものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体をもって、一体不可分のものとして認識し、把握されるとみるのが相当である。
また、本件商標の構成中、「CAAC/CAC」の文字部分は、辞書等に載録されていない語であるから、特定の意味合いを有しない一種の造語と見るのが相当であり、また、「insaide」の文字は、「内側の、内部の」等の意味を有する語として一般に知られているとしても、本件商標全体として具体的な意味合いを認識させるものとはいい難いことから、これに接する需要者は、本件商標の構成文字全体をもって、特定の意味合いを想起させなることのない一種の造語を表したものとして認識し、把握されるとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して「シイエイエイシイシイエイシイインサイド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標4及び引用商標5について
引用商標4及び引用商標5に係る商標権は、いずれも本件商標の登録出願の日前(査定日前)に存続期間満了により抹消登録されているので、本件商標は、これらとの関係において商標法第4条第1項第11号に該当しない。
イ 引用商標1ないし引用商標3について
引用商標1及び引用商標3は、別掲1及び別掲2のとおり、2つの円弧を楕円形状に組み合わせた図形の中に「intel」の文字を表示し、その下部に「inside」の文字を配した構成からなり、また、引用商標2は、「INTEL INSIDE」の文字を標準文字で表してなるところ、いずれもその構成文字に相応して「インテルインサイド」の称呼を生じるほか、その構成中の「intel」及び「INTEL」の文字部分は、上記1(2)のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標であって、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえる。
してみれば、引用商標1ないし引用商標3は、該文字部分に相応して「インテル」の称呼をも生じ、「(申立人のブランドとしての)インテル」の観念を生じるものである。
ウ 引用商標6について
引用商標6は、「THE JOURNEY INSIDE」の文字からなるところ、該文字は、全体として、我が国において親しまれた意味合いを想起するものとはいえず、一種の造語として理解されるものである。
してみれば、引用商標6は、該文字に相応して「ザジャーニーインサイド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
エ 引用商標7について
引用商標7は、「LOOK INSIDE」の文字からなるところ、該文字は、「のぞき込む」程の意味合いを有する英語(株式会社小学館「ランダムハウス英和大辞典」)を表したものと容易に理解させるものである。
してみれば、引用商標7は、該文字に相応して「ルックインサイド」の称呼を生じ、「のぞき込む」の観念を生じるものである。
オ 引用商標8について
引用商標8は、別掲3のとおり、2つの円弧を楕円形状に組み合わせた図形の中に「intel」の文字を表示し、その下部に「Look Inside」の文字を配した構成からなり、全体の構成文字に相応して「インテルルックインサイド」の称呼を生じるほか、「intel」及び「Look Inside」の文字部分は、それぞれ、要部として分離して看取されるものであるから、これらに相応して「インテル」及び「ルックインサイド」の称呼をも生じ、「(申立人のブランドとしての)インテル」及び「のぞき込む」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、本件商標と引用商標とは、その構成文字、構成態様が明らかに相違するものであるから、両商標は、外観上、明確に区別できるものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「シイエイエイシイシイエイシイインサイド」の称呼と、引用商標から生じる「インテル」、「インテルインサイド」、「ザジャーニーインサイド」、「ルックインサイド」及び「インテルルックインサイド」の称呼とは、明らかに構成音を異にし、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音調、音感が明らかに異なることから、両商標は、称呼上、明確に聴別できるものである。
そして、観念においては、本件商標は、特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標1ないし引用商標3は「(申立人のブランドとしての)インテル」の観念が生じ、引用商標6は特定の観念を生じず、引用商標7は「のぞき込む」の観念が生じ、引用商標8は、「(申立人のブランドとしての)インテル」及び「のぞき込む」の観念が生じるものであるから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
(4)小括
したがって、本件商標は、引用商標に類似しない商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
前記1のとおり、「intel」以外の文字と結合した「○○○INSIDE(inside)」の構成からなる商標及び「INSIDE(inside)」の文字は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
そして、上記2(3)のとおり本件商標は、引用商標と非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
また、他に本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第19号該当性について
前記1のとおり、「intel」以外の文字と結合した「○○○INSIDE(inside)」の構成からなる商標及び「INSIDE(inside)」の文字は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、前記2(3)のとおり本件商標は、引用商標とは非類似の商標であって別異のものである。
また、商標権者が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的を持って本件商標を出願し、登録を受けたと認めるに足る具体的事実を見いだすこともできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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