sokuhyo

Trademark Appeal Case

複合商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2016−900144(T2016−900144/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5832039号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5832039号商標(以下「本件商標」という。)は、「VERITAS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成27年1月9日に登録出願、別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同28年1月28日に登録査定、同年3月4日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1001528号商標(以下「引用商標」という。)は、「DET NORSKE VERITAS」の欧文字を横書きしてなり、2008年11月4日にノルウェー国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、同年11月19日に国際登録、第9類、第16類、第35類、第41類及び第42類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成23年1月26日に登録査定、同年3月18日に日本国において設定登録され、その後、指定商品中の第9類に属する商品については国際商標登録原簿に記載のとおりの商品に減縮され、別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、その登録が同24年2月9日にされたものである。

第3 登録異議申立ての理由

申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「全指定商品」、第35類「全指定役務」及び第42類「全指定役務」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1項により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、欧文字「VERITAS」を標準文字で表したものであり、引用商標は欧文字「DET NORSKE VERITAS」を普通の書体で表したものである。本件商標と引用商標から「ベリタス(又はヴェリタス)」という共通の称呼が生ずるため、両商標は同一又は類似の商標である。

また、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似の関係にある。

2 商標法第4条第1項第15号について

申立人は「VERITAS」という略称で呼ばれることもあるため、本件商標を付した商品又は役務は申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は、「VERITAS」の文字からなるところ、該文字は、「真理」の意味を有する語(株式会社研究社「研究社新英和大辞典」)であり、該文字より、「ベリタス」の称呼を生じるものである。

したがって、本件商標は、「ベリタス」の称呼を生じ、「真理」の観念を生じるものである。

(2)引用商標

引用商標は、「DET NORSKE VERITAS」の欧文字からなるところ、これらの文字は、同一の書体、同一の大きさで一体に表され、いずれかの文字部分のみが外観上強調されて表されているものではない。

そして、その構成中「DET」及び「NORSKE」の文字は、いずれの語も我が国において親しまれた成語ではなく、「VERITAS」の文字が「真理」の意味を有する語であるとしても、引用商標全体からは、特定の意味合いを想起しない一種の造語を表したものと理解するのが相当である。

また、引用商標の構成中の「DET」及び「NORSKE」の文字は、一般に、我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されるものであるから、引用商標は英語読みに倣って「デットノルスケベリタス」の称呼を生じるものであり、よどみなく一連に称呼し得るものである。

そうすると、引用商標は、「デットノルスケベリタス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(3)本件商標と引用商標との類否について

本願商標と引用商標とを比較すると、外観においては、本願商標は「VERITAS」の文字からなり、引用商標は「DET NORSKE VERITAS」の文字からなるものであり、両者の間には「DET」及び「NORSKE」の文字の有無の差異を有するから、外観上、明確に区別できるものである。

次に、称呼においては、本願商標は、「ベリタス」の称呼を生じ、引用商標は、「デットノルスケベリタス」の称呼を生じるものであり、「デットノルスケ」の称呼の有無の差異を有するから、称呼上、明瞭に聴別できるものである。

さらに、観念においては、本願商標は、「真理」の観念を生じ、引用商標は、特定の観念を生じないから、両者は、観念上、相紛れるおそれはないものである。

してみれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号該当性について

(1)申立人の略称の著名性について

申立人は、申立人の社名は、「ベリタス」と略称されていることから、本件商標をその指定商品又は指定役務について使用するときは、該商品又は役務が、申立人の業務に係る商品又は役務であるかのように、商品又は役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがある旨を主張するところ、甲第7号証によれば、「デット・ノルスケ・ベリタス(Det Norske Veritas AS 略称:DNV)は、ノルウェー・オスロに本部を置く自主独立団体。140年に渡るリスクマネジメントの先駆的企業として知られ、認証サービス・船級サービス・アセスメントサービスを提供する第三者機関である。」との記載がある。

しかし、申立人が「ベリタス」と略称されている事実を裏付けるものとして申立人が提出した証拠は、申立人の現地代理人の電子メール(甲10)のみであり、他に、申立人が「ベリタス」と略称され、本件商標の登録出願日(平成27年1月9日)前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めるに足りる客観的証拠の提出はない。

してみれば、申立人の略称が我が国の需要者の間で広く認識されているものと認めることはできない。

(2)本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標とを比較すると、上記1(3)のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、相紛れるおそれのない非類似の別異の商標である。

(3)引用商標の独創性について

上記1(2)のとおり、引用商標は、「DET NORSKE VERITAS」の文字からなり、特定の意味合いを持たない、一種の造語であるとみるのが相当であるから、その独創性は高いものである。

(4)需要者の共通性について

本件商標は、その指定商品及び指定役務中に、第9類「コンピュータソフトウェア」及び第42類「コンピュータソフトウェアの設計・開発・保守」の商品及び役務を含んでおり、引用商標は、その指定商品及び指定役務中に、第9類「computer software for testing, certification, qualification, inspection, operation, safety management of equipment, design, construction, strength assessment, qualitative and quantitative risk assessment, all for use in process industry (the industrial processing of raw materials), chemical industry, petrochemical industry, offshore industry, maritime industry, aerospace, automotive, finance, food and beverage, healthcare, IT & Telecom, oil, gas and energy, biorisk, climate change, corporate responsibility, hospital accreditation, IT software and systems, operational excellence, quality management, risk management, railroads.」及び第42類「design and development of computer hardware and software;」の商品及び役務を含んでおり、ともに、コンピュータソフトウェアの製造販売者、また、コンピュータソフトウェアの設計及び開発を行う企業であるから、その需要者は共通しているものである。

(5)本件商標と引用商標の出所の混同について

以上のとおり、上記(1)ないし(4)によれば、引用商標の独創性は高いものであり、需要者は共通しているとしても、引用商標は、需要者の間に広く認識されているものではなく、また、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標は、これに接する取引者、需要者が、引用商標又は申立人を想起又は連想するものということができない。

してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品及び指定役務中の第9類、第35類及び第42類に属する商品及び役務について使用しても、取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品及び役務が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

その他,本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

3 請求人の主張について

申立人及び商標権者は、平成28年9月5日付けの手続補正書、同年11月21日付けの回答書、同29年5月31日付けの回答書、同年6月20日付けの回答書及び同30年1月12日の回答書により、当事者間で商標権について譲渡交渉中である旨を主張し、審理の猶予を申し出ているところ、相当の期間が経過するも、具体的な交渉の進展がみられる証左の提出もなく、審判長は再度交渉の進捗状況等を詳述するよう審尋をおこなったところ、同年9月28日の回答書によれば、現時点でも書面による合意等の作成には至っていないため、引き続き本件異議申立の審理の猶予を希望しているが、現地担当者からのメールの写しが提出されているのみで、何ら具体的な交渉の進展がみられる証左の提出もないから、これ以上、本件の審理を遅延させるべき合理的な理由はないものと判断し、審理を終結することとした。

4 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品及び指定役務について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当するものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。