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Trademark Appeal Case

論点抽出失敗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−1466(T2018−1466/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「赤カビ退治」の文字を標準文字により表してなり,第3類,第5類及び第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成28年12月16日に登録出願されたものである。

その後,指定商品については,原審における平成29年6月30日付けの手続補正書により,第3類,第5類及び第21類に属する別掲1に記載の商品に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

本願商標は,「赤カビ退治」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「赤カビ」の文字部分は,「菌の一種で,ぬめりがあるピンク色の汚れ」程を意味する語として広く一般に使用されており,本願の指定商品を取り扱う業界においては,「赤カビ」又は「カビ」及び「退治」の文字が,商品の品質,効能を表示する語として普通に使用されており,さらに,「カビ退治」の文字が,「カビの退治」程の意味合いで,商品の品質,効能を表示する語として普通に使用されており,また,赤カビやカビ退治のために,洗浄剤や薬剤,スポンジ等の様々な商品が使用・販売されている実情がある。そうすると,本願商標を補正後の指定商品中,例えば第3類「赤カビを退治するためのカビ取り洗浄剤」,第5類「赤カビを退治するための薬剤(農薬に当たるものを除く。)」及び第21類「赤カビを退治するための清掃用スポンジ」等の,「赤カビを退治するための商品」等の「赤カビを退治するための商品」について使用しても,これに接する取引者・需要者は,当該商品が赤カビを退治するために使用する商品であることを認識するにすぎないから,本願商標は,単に商品の品質,効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは,このような商標は,商品の産地,販売地その他の特性を表示記述する標章であって,取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに,一般的に使用される標章であって,多くの場合自他商品識別力を欠き,商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(昭和53年(行ツ)第129号,最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事126号507頁)。この趣旨に照らせば,当該商標が指定商品の品質,用途等を表すものとして審決時に取引者,需要者に広く認識されている場合はもとより,将来を含め,取引者,需要者にその商品の品質,用途等を表すものと認識される可能性があって,これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときは,その商標は,同号に該当すると解するのが相当である。

(2)商標法第3条第1項第3号の該当性について

ア 本願商標は,「赤カビ退治」の文字を標準文字で表してなるものである。

イ 本願商標の構成中の「赤カビ」の文字は,例えば原審において示したインターネット記事情報によれば,「菌の一種で,ぬめりがあるピンク色の汚れ」程を意味する語として広く一般に使用されている実情があり,「退治」の文字は,「(悪いもの・害をなすものを)平らげること。うちほろぼすこと。」の意味(いずれも「大辞林第三版」(株式会社三省堂発行)を有するものとして一般に広く知られている語である。

また,原審において示した証拠(別掲2)によれば,本願商標の指定商品を取り扱う業界においては,例えば,「浴室のカビ退治」(カビ取り用洗浄剤),「カビ退治の薬剤」(消毒用エタノール),「煙でカビ退治」(防カビ燻煙剤)及び「カビ取り カビ対策 カビ退治」(カビ取り洗浄剤)などのように,「カビ退治」の文字は,「カビを退治する」程の意味合いで商品の効能又は用途を表示するものとして普通に用いられているのが実情である。

ウ 本願商標の補正後の指定商品は,別掲1のとおり,いずれもその商品表示において「赤カビを退治するための(○○)」という修飾語が付されているところ,その中には,当該商品の本来の使用目的からすると,赤カビを退治するために使用されるものとは考え難いような商品(例;第21類「赤カビを退治するための化粧用具,赤カビを退治するための湯かき棒,赤カビを退治するための靴べら」等)も一部含まれているが,少なくとも,第3類「赤カビを退治するためのカビ取り洗浄剤,赤カビを退治するための家具・置物・壁・床等のクリーナー,赤カビを退治するためのキッチンシンク等の台所用クリーナー,赤カビを退治するためのレンジ・ガス台・換気扇等の台所用クリーナー,赤カビを退治するための蛇口・洗面器・湯船等の浴室用クリーナー」,第5類「赤カビを退治するための薬剤(農薬に当たるものを除く。),赤カビを退治するためのカビ臭消臭剤,赤カビを退治するためのくん煙式のカビ臭消臭剤,赤カビを退治するための燻煙剤,赤カビを退治するための燻蒸剤」及び第21類「赤カビを退治するためのおけ用ブラシ,赤カビを退治するための金ブラシ,赤カビを退治するための管用ブラシ,赤カビを退治するための工業用刷毛,赤カビを退治するための船舶ブラシ,赤カビを退治するための清掃用具及び洗濯用具,赤カビを退治するための浴槽・浴室用清掃用具,赤カビを退治するためのトイレ用清掃用具,赤カビを退治するための清掃用スポンジ,赤カビを退治するための台所用スポンジ,赤カビを退治するためのメラミン樹脂製の清掃用研磨スポンジ,赤カビを退治するためのメラミン樹脂製の洗浄用スポンジ,赤カビを退治するためのメラミン樹脂製の食器・鍋等汚れ落としスポンジ,赤カビを退治するためのポリウレタン製の清掃用研磨スポンジ,赤カビを退治するための清掃用クロス,赤カビを退治するための超極細繊維を用いた清掃用クロス・ミトン型清掃クロス,赤カビを退治するための雑巾,赤カビを退治するための除菌剤含有アルコール液を含浸させた清掃用シート(薬剤に属するものを除く。),赤カビを退治するためのスポンジタワシ,赤カビを退治するためのたわし,赤カビを退治するための台所用ブラシ,赤カビを退治するための浴室用清掃ブラシ,赤カビを退治するための食器・調理具洗浄用ブラシ,赤カビを退治するための排水口用清掃ブラシ,赤カビを退治するための溝用清掃ブラシ,赤カビを退治するためのガスレンジ用清掃ブラシ,赤カビを退治するためのグリル用清掃ブラシ,赤カビを退治するための注ぎ口用洗浄ブラシ,赤カビを退治するためのまな板用洗浄ブラシ,赤カビを退治するためのざる用洗浄ブラシ,赤カビを退治するための弁当箱用洗浄ブラシ,赤カビを退治するためのフードポットの中栓用洗浄ブラシ,赤カビを退治するための水筒用洗浄ブラシ,赤カビを退治するための飲料保存容器用洗浄ブラシ,赤カビを退治するためのボトル用洗浄ブラシ,赤カビを退治するためのシンク・蛇口用清掃ブラシ,赤カビを退治するためのトイレ用清掃ブラシ,赤カビを退治するための窓用清掃ブラシ,赤カビを退治するためのドアレール用清掃ブラシ,赤カビを退治するための柄付き清掃スポンジ,赤カビを退治するための窓用柄付き清掃スポンジ,赤カビを退治するためのフローリング用清掃用具,赤カビを退治するための窓ガラス清掃用スキージー,赤カビを退治するための靴ブラシ,赤カビを退治するための靴磨き布,赤カビを退治するための軽便靴クリーナー」(以下,これらをまとめて「本願一部指定商品」という。)に関しては,いずれも,赤カビを退治する効能を有する商品ないしは赤カビを退治するために使用される商品を表示したものであることは明らかである。

エ 上記アないしウによれば,本願商標は,これを本願一部指定商品について使用しても,これに接する取引者,需要者をして,当該商品が赤カビを退治する効能を有する商品ないしは赤カビを退治するために使用される商品であること,すなわち当該商品の効能又は用途を表示したものと認識させるにすぎないというべきである。

そして,本願商標は,「赤カビ退治」の文字を標準文字で表してなるものであるから,普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる。

したがって,本願商標は,商品の効能又は用途を普通に用いられる方法で表示するにすぎず,これを特定人に独占させることは公益上適当ではないから,商標法第3条第1項第3号に該当する。

(3)請求人の主張に対して

ア 請求人は,本願商標の構成全体から直ちに商品の品質,用途を直接的かつ具体的に表現しているものとはいい難く,識別力を有する一体不可分な造語であって,また,本願商標の指定商品を取り扱う業界において,請求人以外が商品の品質,機能を表示するものとして取引上一般に使用されている事実もない旨主張している。

しかしながら,上記(2)イのとおり,「カビ退治」の文字は,請求人以外によっても「カビを退治する」程の意味合いで商品の効能又は用途を表示するものとして普通に用いられているのが実情であるから,「赤カビ退治」の文字からなる本願商標を「赤カビを退治するための各種商品」(本願一部指定商品)に使用するときは,当該商品の効能又は用途を表示するにすぎないというほかない。

イ 請求人は,過去の審決例を挙げて,本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張している。

しかしながら,登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は,当該商標の査定時又は審決時において,その商標が使用される指定商品の取引の実情等を考慮し,個別具体的に判断されるものであるから,過去に登録された事例の判断に拘束されることはない。

ウ したがって,請求人の主張は,いずれも採用することができない。

(4)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから,登録することはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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