Trademark Appeal Case
論点抽出失敗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−9347(T2017−9347/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は,「SORAIRO」の文字を標準文字で表してなり,第11類「電球類及び照明用器具」を指定商品として,平成27年10月19日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『SORAIRO』の文字を標準文字で表してなるところ,その文字は,『晴れた空の色。うすあお色。』の意を有する『空色』の語をローマ字表記したものと容易に理解・認識されるものであって,指定商品を取り扱う分野では,『空色』の文字が商品の色彩を表示するものとして使用されているから,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者・需要者は,商品の色彩が空色のものであること,つまり,単に商品の品質を表示したものと理解・認識するにすぎず,自他商品の識別標識としての機能を果たすものとは認められない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ
本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べを実施した結果,別掲1及び2の事実を発見したので,請求人に対し,平成30年5月31日付けで証拠調べの結果を通知し,相当の期間を指定して,意見を述べる機会を与えた。
第4 証拠調べ通知に対する請求人の意見
請求人は、上記3の通知に対して、要旨以下のとおり意見を述べた。
1 実際の空の色は,時間帯によっても天気や季節によっても変化し,とても多彩なため,「空色」がどのような色合いなのか,直ちに想起し難いのが実情であり,証拠調べで発見された4例の使用事実においても,どれ一つとして同じ色合いの「空色」は存在していない。このことは,空色について共通の認識を得ているものではないという事実を指し示すことに他ならない。換言すれば,本願商標に接する需要者又は取引者は,「空色」との意味合いを極めて漠然と把握することは可能であるものの,「あの明度の,あの濃淡の空色」であると直接的に感得することは不可能であると思料する。
2 確かに色名の如く使用されている使用例があることは否めないが,別掲1の使用例(1)は「空色」と漢字での記載であり,「SORAIRO」ではない。そして,別掲1(2),(3)及び別掲2の使用例についてはいずれも本願商標の「SORAIRO」と同様に,商品の愛称(ブランド)の如く,商標として看取せしめるものと推察する。
3 「AKA」,「SHIRO」等の色彩名のローマ字表記においては,一般的に使用されているとの主張は確かに否めない点があるが,「SORAIRO」の記載が,さらには,この種照明業界で,普通に使用されているとの主張は,納得できるものではない。
4 本願商標「SORAIRO」は請求人の独創にかかり,仮に色彩を示す名称として看取されたとしても,それは,暗示的或いは示唆的に表示されたものと認められ,本願指定商品取引の実際及び経験則に徴して,十分に自他商品識別機能が発揮されるので,取引者,需要者が色彩を示す「空色」の意に直ちに通じ,単に商品の品質を表示するにすぎないものと判断することには飛躍があり,本願を拒絶するという理由は当を得ていない。
以上により,本願商標は,「電球類及び照明用器具」に使用しても商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,「SORAIRO」の欧文字を標準文字で表してなるところ,該文字は,「晴れた空の色。うすあお色。」(「広辞苑 第六版」岩波書店発行)の意味を有する「空色」の語をローマ字表記したものと容易に理解・認識されるものであり,また,「空色(そらいろ)」の文字は,JIS・日本工業規格が「鉱工業品の表面色の色名」について規定する,一般に普及している慣用色名として掲載されている(「JIS用語辞典 I基本・一般編」1978年11月1日 財団法人日本企画協会発行)ものである。
そして,原審において示した事実及び当審において示した別掲1の事実によれば,「SORAIRO」,「空色」の文字が,本願指定商品を取り扱う業界において,商品の色彩を表すものとして普通に使用されている実情が認められる。
そうすると,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する需要者,取引者に「うすあお色の商品」であるという商品の品質を表したものと理解されるにすぎないものであって,自他商品の識別標識としては認識し得ないものといわざるを得ない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は,「実際の空の色は,晴れた紺碧の青い空の色,白っぽい曇り空の色,薄暗い灰色の空の色,穏やかな朝のうすあおの空の色,夕焼け空の色,日暮れ時のトワイライトな空の色,夜空の色と,空の色は時間帯によっても天気や季節によっても変化し,とても多彩なため,『空色』がどのような色合いなのか,直ちに想起し難いのが実情であり,証拠調べで発見された4例の使用事実においても,どれ一つとして同じ色合いの『空色』は存在していない。このことは,空色について共通の認識を得ているものではないという事実を指し示すことに他ならない。換言すれば,本願商標に接する需要者又は取引者は,『空色』との意味合いを極めて漠然と把握することは可能であるものの,『あの明度の,あの濃淡の空色』であると直接的に感得することは不可能であると思料する。」旨を主張している。
しかしながら,証拠調べに示した別掲1の4例の使用例において表示されている商品の色彩が微妙に異なっているとしても,いずれも「空色」の持つ意味である「晴れた空の色。うすあお色。」の範疇に入る色彩と認められるものであって,それぞれ「SORAIRO」,「空色」の文字に接する需要者,取引者は,該文字が「晴れた空の色。うすあお色。」の色彩を示すものとして認識,理解するというのが相当である。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
(2)請求人は,「確かに色名の如く使用されている使用例があることは否めないが,別掲1の使用例(1)は『空色』と漢字での記載であり,『SORAIRO』ではない。そして,別掲1(2),(3)及び別掲2の使用例についてはいずれも本願商標の『SORAIRO』と同様に,商品の愛称(ブランド)の如く,商標として看取せしめるものと推察する。」旨,「『AKA』,『SHIRO』等の色彩名のローマ字表記においては,一般的に使用されているとの主張は確かに否めない点があるが,『SORAIRO』の記載が,さらには,この種照明業界で,普通に使用されているとの主張は,到底納得できるものではない。」旨及び「本願商標『SORAIRO』は請求人の独創にかかり,仮に色彩を示す名称として看取されたとしても,それは,暗示的或いは示唆的に表示されたものと認められ,本願指定商品取引の実際及び経験則に徴して,十分に自他商品識別機能が発揮されるので,取引者,需要者が色彩を示す『空色』の意に直ちに通じ,単に商品の品質を表示するにすぎないものと判断することには飛躍があり,本願を拒絶するという理由は当を得ていない。」旨を主張している。
しかしながら,別掲1に示した事実は,いずれも「空色」あるいは「SORAIRO」の文字を,また,別掲2に示した事実は,いずれも色名のローマ字表記を,それぞれ普通に用いられる方法をいまだ脱しない方法で表示したものであって,いずれもその色名の有する意味に合った色彩を持つ商品画像とともに使用されている。これら事実からすれば,ローマ字表記した色名に接する需要者,取引者は,それぞれの色名の有する意味に合った色彩を表示するものと理解,認識するものであると判断するのが相当である。
そして,色名をローマ字表記することは幅広い業界において普通に行われており,本願指定商品を取り扱う業界においても色名をローマ字表記する例が確認できるものであることからすれば,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する需要者,取引者は,「晴れた空の色。うすあお色。」という色彩の商品であることを理解,認識するにすぎないものであって,自他商品の識別能力を発揮しないものであると判断するのが相当である。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
(3)請求人は,過去の登録例を挙げて,本願商標も同様に取り扱われるべきである旨を主張している。
しかしながら,登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは,当該商標の査定時又は審決時において,当該商標の構成態様と指定商品,指定役務との関係や,その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて,個別具体的に判断されるべきものであるところ,請求人の挙げた登録例は,商標の構成態様又は指定商品が本願商標とは異なるものである点において,本願とは,事案を異にするものというべきであり,また,過去の登録例が存在することをもって,本願商標の上記判断が左右されるものではない。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。