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Trademark Appeal Case

Kirinの称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2017−650092(T2017−650092/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「Huawei Kirin」の欧文字を書してなり,第9類「Chips(integrated circuits)used for communication products;electronic chips;integrated circuits;printed circuit boards;printed circuits.」を指定商品として,2016年(平成28年)3月25日に国際商標登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定は,以下のとおり認定,判断し,本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は,登録第4376782号商標(以下「引用商標1」という。),登録第4514650号商標(以下「引用商標2」という。),登録第5057364号商標(以下「引用商標3」という。),登録第5066615号商標(以下「引用商標4」という。),登録第5069559号商標(以下「引用商標5」という。),登録第5229913号商標(以下「引用商標6」という。)及び登録第5240434号商標(以下「引用商標7」という。)と同一又は類似の商標であって,同一又は類似の商品について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する(以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。

ア 引用商標1は,「麒麟」の漢字を横書きしてなり,平成10年10月7日に登録出願,第9類「電子応用機械器具及びその部品」のほか,第9類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同12年4月14日に設定登録され,その後,同22年4月20日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

イ 引用商標2は,「KIRIN」の欧文字を横書きしてなり,平成12年8月1日に登録出願,第9類「電子応用機械器具及びその部品」のほか,第5類,第9類,第10類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同13年10月19日に設定登録され,その後,同23年5月17日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

ウ 引用商標3は,上段に「KIRIN」の欧文字と下段に「Techno−System」の欧文字を二段に表してなり,平成18年10月12日に登録出願,第9類「CCD(固体撮像素子)カメラから送られてきた映像を処理する画像処理装置を利用したびん・缶等の自動検査機械器具,その他の電子応用機械器具及びその部品」のほか,第9類,第37類及び第42類に属する商標登録願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同19年6月22日に設定登録され,同29年3月28日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

エ 引用商標4は,上段に「おいしさを笑顔に」の文字と下段に「KIRIN」の欧文字を二段に表してなり,平成18年9月27日に登録出願,第9類「電子応用機械器具及びその部品」のほか,第1類,第5類,第9類,第29類ないし第33類,第36類,第37類,第42類及び第43類に属する商標登録願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同19年7月27日に設定登録され,その後,同29年7月27日に存続期間満了により消滅し,その商標権の抹消の登録が同30年4月18日になされているものである。

オ 引用商標5は,上段に「KIRIN」の欧文字と下段に「Engineering」の欧文字を二段に表してなり,平成18年10月12日に登録出願,第9類「電子応用機械器具及びその部品」のほか,第7類,第9類,第10類,第11類,第35類,第37類及び第42類に属する商標登録願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同19年8月10日に設定登録され,同29年3月28日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

カ 引用商標6は,上段に小さく「KIRIN」の欧文字と下段に「午後の紅茶」の文字を二段に表してなり,平成19年6月29日に登録出願,第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録願書に記載のとおりの役務を指定役務として,同21年5月15日に設定登録されたものである。

キ 引用商標7は,「KIRIN」の欧文字を横書きしてなり,平成19年6月25日に登録出願,第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同21年6月19日に設定登録されたものである。

(2)本願商標は,その構成中に,東京都中野区中野4−10−2所在の「キリン株式会社」が商品「ビール,清涼飲料」等について本願商標出願前から使用して周知著名性を獲得している「KIRIN」(以下「引用標章」という。)の文字と同一又は類似する文字を含んでなるから,これを出願人がその指定商品について使用すると,あたかも前記会社と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本願商標と引用商標4について

引用商標4の商標権は,商標登録原簿の記載によれば,平成29年7月27日に存続期間満了により消滅し,その商標権の抹消の登録が同30年4月18日になされているものである。

したがって,本願商標が,引用商標4と類似するとして,商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は,解消した。

イ 本願商標と引用商標1ないし3及び引用商標5ないし7について

本願商標は,前記1のとおり,「Huawei Kirin」の文字を書してなるところ,「Huawei」の文字と「Kirin」の文字との間に半角程度のスペースがあるものの,構成各文字が同じ書体及び大きさをもって,等間隔に表されており,全体として外観上まとまりよく一体的に構成されているものであるから,その構成中のいずれかの語のみが看者に強く印象付けられるとはいい難い。

そして,本願商標の構成中,「Huawei」の文字は,辞書類に掲載がなく,特定の意味合いを有しない造語として理解されるとみるのが相当であるから,本願商標は,全体として特定の意味を有する語を表したものとは認識できないため,特定の観念は生じないものである。

また,特定の語義を有しない欧文字からなる商標については,我が国において広く親しまれているローマ字風又は英語風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから,本願商標は,その構成文字に相応して,「フアウェイキリン」の称呼が生じるものであり,その称呼も格別冗長なものでなく,無理なく一連に称呼し得るものである。

そうすると,前記のとおり,まとまりよく一体的に表された本願商標の態様から,本願商標が,殊更,「Huawei」の文字部分を捨象し,「Kirin」の文字部分のみをもって,取引に資されるものとはいい難い。

してみれば,本願商標は,構成文字全体に相応した「フアウェイキリン」の称呼を生ずるとしても,「Kirin」の文字部分のみを捉えた「キリン」の称呼は生じないものである。

したがって,本願商標の構成中「Kirin」の文字部分を分離,抽出し,その上で「キリン」の称呼をも生じるとし,これを前提として本願商標と引用商標1ないし3及び引用商標5ないし7が称呼を同一にする類似の商標として,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本願商標は,「Huawei」の文字と「Kirin」の文字との間に半角程度のスペースがあるものの,構成各文字が同じ書体及び大きさをもって,等間隔に表されており,全体として外観上まとまりよく一体的に構成されているものであるから,その構成中のいずれかの文字のみが看者に強く印象付けられるとはいい難いものであることは,上記(1)イで認定,判断したとおりである。

そうすると,本願商標は,構成文字に相応し「フアウェイキリン」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。

他方,引用標章は,「KIRIN」の文字を表してなるから,これより「キリン」の称呼が生じ,該文字は,キリン株式会社が商品「ビール,清涼飲料」等に使用して,我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていることは顕著な事実といえることから「キリン株式会社の業務に係るKIRINブランド」の観念が生じる。

本願商標と引用標章を比較すると,本願商標は,上記1のとおり,「Huawei Kirin」の文字を表してなるのに対し,引用標章は,上記2(2)のとおり,「KIRIN」の文字を表してなるものであって,両者は,「Huawei」の文字の有無において,明らかな差異を有するものであるから,外観上,明確に区別できるものである。

そして,称呼においては,本願商標から生じる「フアウェイキリン」の称呼と,引用標章から生じる「キリン」の称呼とは,前半部における「フアウェイ」の音の有無に明確な差異を有するものであるから,両者は明瞭に聴別し得るものである。

また,観念においては,本願商標は,特定の観念が生じないものであるのに対し,引用標章は,「キリン株式会社の業務に係るKIRINブランド」の観念を生じるものである。そうすると,本願商標と引用標章とは,外観及び称呼において明らかに相違し,観念上も相紛れるおそれのない,別異の商標というべきである。

さらに,「Kirin」の文字に類似する「KIRIN」の文字は,「ビール,清涼飲料」等の飲料製品の分野においては,キリン株式会社の業務に係る商品を表すものとして,本願商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の取引者・需要者の間に広く認識されているものと認め得るとしても,本願商標の指定商品「Chips(integrated circuits)used for communication products;electronic chips;integrated circuits;printed circuit boards;printed circuits.」(仮訳:「通信製品用のチップ(集積回路),電子チップ,集積回路,プリント回路基板,プリント回路」)は,いずれも電子回路等の部品として使用される商品であることから,キリン株式会社が使用する商品(ビール,清涼飲料等)とは,その製造者,販売場所,流通経路,用途及び需要者等の関連性が低いものであり,また,「Kirin」の文字は,「(動物の)キリン」のローマ字表記とも認められることから,該文字自体の独創性は,さほど高くないものとみるのが相当である。

そうすると,本願商標は,キリン株式会社の業務との関連を連想,想起させるものとは考えがたく,その指定商品に使用しても,該商品がキリン株式会社又は同社と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように認識され,商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似するものではなく,また,本願商標をその指定商品に使用しても,他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれはないから,本願商標が商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとした原査定は,取消しを免れない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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