第1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,2016年5月17日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づいて,パリ条約第4条による優先権を主張し,2016年(平成28年)10月26日に国際商標登録出願されたものである。
第2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の2件であり,いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第5963492号商標(以下,「引用商標1」という。)は,「ARA」の文字を標準文字で表してなり,平成28年3月30日に登録出願,第9類,第16類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同29年7月14日に設定登録されたものである。
2 登録第5963493号商標(以下,「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成28年3月30日に登録出願,第9類,第16類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同29年7月14日に設定登録されたものである。
以下,1及び2をまとめて「引用商標」という。
第3 当審の判断
1 本件商標について
本願商標は,別掲1のとおり,「A」の欧文字の下に,右に90度回転させた「R」の欧文字を配し,さらにその下に上下を逆さまにした「A」の欧文字を配してなるものである。
そして,本願商標のかかる構成においては,これらの文字が全体として何らかの語を表したものとして看取されるとはいい難いものであるとしても,本願商標は,その構成文字に相応して,「エーアールエー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
2 引用商標について
(1)引用商標1
引用商標1は,「ARA」の文字からなるところ,ローマ字読みの「アラ」及びアルファベットの読みに相応した「エーアールエー」の称呼が生じるものである。
また,観念については,辞書等に掲載された語ではなく,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものであるから,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標2
引用商標2は,図案化した「ARA」の欧文字を大きく横書きし,そのうち1文字目の「A」の内部には白抜きで表したハートの図形を配し,3文字目の「A」の右側には,紫色で蝶及び2連星をモチーフとした図形(以下,蝶及び2連星をモチーフとした図形をまとめて「紫色図形部分」という。)を配し,「ARA」の文字部分中の「AR」の文字の下部に,「AV・Recruitment・Application」の欧文字を横書きしてなるところ,紫色図形部分以外の部分は黒色で表されている。
そして,引用商標2の構成中「AV・Recruitment・Application」の文字部分は,他の部分に比較して非常に小さく書されていることから,「ARA」の文字部分,紫色図形部分及び「AV・Recruitment・Application」の文字部分は,それぞれが視覚上分離されて看取されるものであり,これらの間には観念上の繋がりもなく,その構成において不可分に結合されていないものであって,他に引用商標2を常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情も見いだすことができない。
そうすると,引用商標2の構成中,「ARA」の文字部分,紫色図形部分及び「AV・Recruitment・Application」の文字部分は,それぞれの部分が独立して,商品・役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえるから,引用商標2は,その構成中最も大きく顕著に書された「ARA」の文字部分を要部として抽出し,この部分のみを他の商標と比較して商標の類否を判断することができるものである。
したがって,引用商標2は,その構成中,要部である「ARA」の文字部分に相応したローマ字読みの「アラ」及びアルファベットの読みに相応した「エーアールエー」の称呼が生じ,観念については上記(1)のとおり,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものであるから,特定の観念を生じないものである。
3 本件商標と引用商標の類否について
本願商標と,引用商標1及び引用商標2の要部とを対比すると,外観においては,本願商標と引用商標の構成は,それぞれ上記のとおりであるから,両者の外観は明らかに相違するものであり,外観上,明確に区別できるものである。
次に,称呼については,本願商標,引用商標1及び引用商標2の要部は,いずれも「エーアールエー」の称呼において共通する。
また,観念については,本願商標及び引用商標はともに特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することはできない。
以上からすれば,本件商標と引用商標とは,観念において比較できず,「エーアールエー」の称呼を共通にするとしても,外観において明らかな差異を有し,その称呼の共通性が,外観における印象の相違を凌駕するものとはいい難いものであるから,その称呼,外観及び観念によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両商標をそれぞれ同一又は類似の商品について使用しても,取引者,需要者をして出所の混同を生ずるおそれはなく,両者は,相紛れることのない非類似の商標というべきである。
4 まとめ
以上のとおり,本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。