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Trademark Appeal Case

著名商標との混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第19155号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 本願商標

本願商標は、下記(イ)に表示したとおりの構成よりなり、第25類「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻類、和服、下着、水泳着、水泳帽、エプロン、えり巻、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製幼児おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、マフラー、耳覆い、ずきん、すげがさ、ナイトキャップ、ヘルメット、帽子、その他の被服、ガータ、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、靴類、げた、草履類、その他の履き物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定商品として、平成5年1月29日に登録出願されたものであるが、その後、平成7年2月6付けの出願変更届により、平成5年商標登録願第7324号商標と連合する商標に変更されたものである。

2 原査定の拒絶理由

これに対し、原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、アメリカ合衆国所在の「ザ ポロ ローレン カンパニー」が商品「被服、ネクタイ」等に使用して本願の出願時には既に著名になっている「ポロプレイヤーの図形」及び「POLO」の文字を有してなるものであるから、このような商標を本願の指定商品に使用するときは、これが恰も上記会社あるいはこれと何等かの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるがごとく、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)株式会社講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典'84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下、「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字と共に「by RALPH LAUREN」の文字が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。そして、株式会社洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報株式会社昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略'85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、株式会社スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前記「男の一流品大図鑑」、株式会社講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑'79年版」、株式会社チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑'80年版」、「男の一流品大図鑑'81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑'80年版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN'S CLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑'81年版」(昭和56年5月発行)、前記「舶来ブランド事典'84ザ・ブランド」、株式会社講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、「世界の一流品大図鑑'80年版」、「ファッション・ブランド年鑑'80年版」、「男の一流品大図鑑'81年版」、「世界の一流品大図鑑'81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の文字及び下記(ロ)に表示した「ポロプレーヤー商標」について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決「(東京高裁平2年(行ケ)第183号、平成3.7.11言渡」(その他、東京高裁平11年(行ケ)第251号、平成11.12.16言渡、 東京高裁平11年(行ケ)第267号、平成11.12.16言渡、東京高裁平11年(行ケ)第334号、平成12.3.29言渡、等)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くとも昭和55年頃までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして「POLO」の商標及び「ポロプレーヤー商標」が取引者・需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)ところで、本願商標は、下記(イ)に表示したとおり二本の曲線上にポロ競技のプレーヤーの図形と「ASCOT PARK POLO CLUB」の欧文字を表してなるものであるところ、これらの文字と図形とは常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事由が存するものとも認められないものである。そして、該「ASCOT PARK POLO CLUB」の欧文字部分は、我が国の需要者間に特定の観念を生じさせるものとして知られているものとも言い得ないものである。また、その構成中には、上記(1)で認定のとおり、ラルフ・ローレン(関連企業「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド」)が「紳士服、紳士靴、ネクタイ、眼鏡、サングラス」等に使用する商標として周知著名な「POLO」と類似する「POLO」の欧文字及びラルフ・ローレンの業務に係る下記(ロ)の「ポロプレーヤー商標」に類似するポロ競技者のプレーヤーの図形を有してなるものである。

そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合に、これに接する取引者・需要者は、前記した事情から、その構成中の「POLO」の欧文字及びポロ競技のプレーヤーの図形部分に注目し、前記ラルフ・ローレン(「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド」)が長年に亘って「紳士服、紳士靴、ネクタイ、眼鏡、サングラス」等に使用し、本願商標の出願時には取引者・需要者間に広く知られていた「POLO」の欧文字よりなる商標及び「ポロプレーヤー商標」を想起し、該商品がラルフ・ローレン(「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド」)又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について誤認・混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

(3)したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであってこれを取り消す限りでない

なお、この点について、請求人は、(イ)「POLO」は、スポーツ名にすぎない(ロ)「POLO」は、ラルフ・ローレンと関係がない(ハ)「POLO」は、ラルフ・ローレンの独占商標ではない等述べているが、我が国において「POLO」の欧文字よりなる商標及び下記「ポロプレーヤー商標」が前記ラルフ・ローレン(「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド」)に係るものとして取引者・需要者間に広く認識されている実情からすれば、請求人のこの主張は採用することができない。

さらに、請求人は上申書を提出し、「本願商標は、東京高裁平成11年(行ケ)第253号判決と同様な判断が下されるべきである。」旨を主張しているが、本件と上記判決とは事案を異にするものであるから、請求人のこの主張は採用し難い。

よって、結論のとおり審決する。

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