Trademark Appeal Case
成分・効能表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2017−8392(T2017−8392/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「牡蠣のチカラ」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成27年7月4日に登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品については、原審における同28年1月15日付けの手続補正書により、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),サプリメント」となったものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『牡蠣の効能』程の意味合いを認識させるものであり、『牡蠣』は、海のミルクといわれ、ビタミン・カルシウム・カリウム・鉄・銅・亜鉛など多種類のビタミン、ミネラルが豊富で、栄養価が非常に高く、低脂肪であり、即効性エネルギー源のグリコーゲンが豊富で、スタミナ不足の解消や疲労回復にも効果があるといわれている。そうとすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、『牡蠣の効能を有する商品』ほどの意味合いを理解するにとどまり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものであるとするのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて職権で証拠調べをし、その結果を請求人に対して同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、平成30年8月3日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
4 請求人の意見
請求人は、上記証拠調べ通知に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「牡蠣のチカラ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「牡蠣」の文字は、「イタボガキ科の二枚貝の総称。」の意味を有する語であり、「チカラ」の文字は、「効能」等の意味を有する「力」の文字(「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店))を片仮名表記したものと容易に認識されるものであるから、本願商標は、その構成全体をもって「牡蠣の効能」ほどの意味合いを容易に理解、認識させるものである。
そして、別掲1のとおり、牡蠣は、亜鉛、タウリンなどを多く含み、疲労回復やコレステロール値の改善など、様々な効能を有するものである。
また、別掲2のとおり、牡蠣を配合(含有)したサプリメントが製造、販売されている事実があり、別掲3のとおり、サプリメントの範ちゅうの商品に係る広告において、「牡蠣のチカラ(力)」の文字が「牡蠣の効能」ほどの意味合いで使用されている事実がある。
加えて、別掲4のとおり、サプリメントの範ちゅうの商品に係る広告において、「○○の力」の文字が「〇〇の効能」ほどの意味合いで使用されている事実がある。
そうすると、本願商標を、その指定商品中の「サプリメント」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「牡蠣の効能を有する商品」であることを表示したものと認識するにとどまることから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、過去の登録例及び審決例を挙げ、本願商標は、ただ漠然と「牡蠣(という生物ないし食材)の力」という意味合いを認識し得るにすぎず、指定商品の品質として「牡蠣の効能を有する」ほどの一義的な意味合いは認識されない旨主張している。
しかしながら、商標が自他商品識別標識としての機能を有するか否かは、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、他の登録例及び審決例に本件の判断が拘束されるものではない。また、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、「牡蠣の効能を有する商品」との意味合いを認識するにすぎないものであって、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとはいえないことは、上記(1)で述べたとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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